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  • ゼンリン、ドローンの飛行経路を自動作成・評価する機能搭載のAPIを提供開始

    ゼンリン、ドローンの飛行経路を自動作成・評価する機能搭載のAPIを提供開始

    株式会社ゼンリンは、ドローンが安全に飛行するための飛行経路設計をサポートする「ドローンルート検索機能」「ドローンルート評価機能」の提供を、2024年11月26日より、ゼンリンが保有する各種地図情報を自社サービスと連携できる地図API「ZENRIN Maps API」にて開始した。

    「ZENRIN Maps API」は、ゼンリンが保有する各種地図情報を活用できる地図APIで、今回「ドローンルート検索機能」と「ドローンルート評価機能」の機能が追加された。

    「ドローンルート検索機能」では、ゼンリンの地図データベース上で飛行経路の出発地点と到着地点を入力することで、経路周辺の地物(道路・建物・水路等)情報と、ドローンが落下した際の分散範囲を計算し、リスクの最も低い安全な飛行ルートを自動生成する。(トップ画)

    一方「ドローンルート評価機能」は、このAPIを使用せずに作成した飛行ルートでも、座標を入力することで安全性を検証することができる機能だ。

    ゼンリン、ドローンの飛行経路を自動作成・評価する機能搭載のAPIを提供開始
    「ドローンルート評価機能」のイメージ

    今後ゼンリンは、地理空間情報の利活用拡大により、物流・点検・測量等のさまざまな分野におけるドローンの産業利用推進を支援するとしている。

    なお、このサービスは、2021年9月29日に発行されたドローン用地理空間情報に関する国際規格「ISO 23629-7 UAS traffic management—Part 7: Data model for spatial data」に準拠しているとのことだ。

  • 三菱自動車とゼンリングループ、電動車の走行・充電データと地図情報を活用した「EV行動分析レポート」の提供を開始

    三菱自動車とゼンリングループ、電動車の走行・充電データと地図情報を活用した「EV行動分析レポート」の提供を開始

    三菱自動車工業株式会社(以下、三菱自動車)、株式会社ゼンリン、株式会社ゼンリンデータコムの3社は、電動車の走行傾向等を可視化する「EV行動分析レポート」の提供を開始する。

    「EV行動分析レポート」では、三菱自動車の電動車から取得した1日の走行距離や走行エリア、充電場所、SOC(充電率)および公共充電器での充電履歴などを匿名化し、ビックデータとして、ゼンリンが保有する地図情報やゼンリンデータコムの位置情報解析プラットフォームとかけ合わせることで、国内における電動車の利用傾向を可視化し有償で提供する。

    三菱自動車とゼンリングループ、電動車の走行・充電データと地図情報を活用した「EV行動分析レポート」の提供を開始
    電動車の走行特性分析

    サービス対象者は自治体やインフラ事業者等で、将来的な電力需要やインフラコストの試算、充電器設置場所の検討を行う際でのユースケースが想定されている。

    3社は、要望に応じたレポートを作成し、計画的な充電インフラの整備・拡充による電動車の普及促進へ貢献するとしている。

  • 物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー

    現在、人口が減少し、多くの山間地域で過疎化が加速している。

    そんな中、過疎地域の物流を維持しようとしても、物流企業側も人手不足できめ細やかなサービスを行うことが難しくなってきている。

    そこで、株式会社ゼンリンは、2024年6月3日より埼玉県秩父市、大滝地域と呼ばれる過疎化が進む地域の物流について、ヤマト運輸株式会社、西濃運輸株式会社、福山通運株式会社の荷物を集約し、地元企業が物流企業に代わり、大滝地域に荷物を運ぶ、ということが実現できるプラットフォームを開発・提供しているということだ。

    そこで今回、このサービスの概要をはじめ、過疎地域における物流の在り方や今後の展望、物流効率化のために国や自治体に求めることなどについて、株社会社ゼンリン モビリシティ事業本部 スマートシティ推進部 部長 吉村英樹氏(トップ画右)と、事業担当者 上谷守裕氏(トップ画左)にお話を伺った。(聞き手:IoTNEWS代表小泉耕二)

    人口・積載数の減少や地理的課題など、過疎地域特有の問題から生まれた「おむす便」

    IoTNEWS 小泉耕二(以下、小泉): はじめに、このサービスの運用に至った背景について教えてください。

    ゼンリン 上谷守裕氏(以下、上谷): 今回運用が開始されたサービスは、「おむす便」と呼ばれているのですが、秩父市の中で一部過疎地域として設定されている大滝地域での取組みです。

    大滝地域は、市街地から車で約50分離れており、かつ広大な土地に配送先が点在している地域のため、物流企業からすれば、配送量が少ない割には、配送時間かかってしまうエリアです。

    加えて、近場の小売店は限られてしまうため、宅配サービスが生活インフラの一部となっているにも関わらず、人口減少により積載量が低下しているという課題もあります。

    世の中の潮流としても、いわゆる物流2024年問題から、ドライバー不足が問題となっていますが、大滝地域のような過疎地域では、物流を維持することがさらに難しい状況です。

    また、こうした物流の課題は、大滝地域だけではなく、全ての過疎地域に当てはまることだと思っています。

    そこで、過疎地域における物流課題解決のモデルケースを構築するためにも、共同配送の取り組みをスタートさせたという背景があります。

    小泉: なぜ「おむす便」という名前のサービスなのでしょうか?

    上谷: 「おむす便」の名前の由来には、「想いを結んで運びます」という想いが込められています。

    今回のケースでは、各物流事業者と、もともと秩父市の市街地から大滝地域にお弁当を宅配している企業とが協力することで、共同配送を実現しています。

    小泉: 「おむす便」では、どのように共同配送を実現しているのでしょうか。

    上谷: まず、ヤマト運輸、西濃運輸、福山通運の各物流事業者が、ヤマト運輸の影森営業所に荷物を持ち寄ります。

    そして、このお弁当屋さんが、地域のラストワンマイル事業者となって、影森営業所から大滝地域宛の配送先まで配送してくれています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    「おむす便」のサービス運営の流れ

    小泉: ラストワンマイル事業者は、地域の事業者ということですが、過疎化が進んでいる地域には配送事業者も少ないのではないでしょうか。

    上谷: 今回の、お弁当宅配の企業のように、ラストワンマイル事業者が、もともと自社の商品を運ぶ流れの中に「おむす便」の配達も組み込むことで、効率よく収益が上がる仕組みになっています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    「おむす便」のラストワンマイル事業者が、配送先に荷物を届けている様子

    今後、「おむす便」で培った共同配送の仕組みを他の過疎地域にも展開したいと考えていますが、ラストワンマイルの事業者は、同様に地域で配達などを行なっている事業者の方に担ってもらえればと考えています。

    小泉: 過疎地域では、住民や地域の事業者が助け合いながら生活していかなければならないという現実がありますから、もともとの業務のついでに配送も担うという助け合いの世界観はしっくりきます。

    また、過疎地域であっても、商品の配達やケアワーカーの派遣など、地域内を移動している事業者はいるので、別の地域でも実現できるイメージが湧きました。

    関係者が使いやすいシンプルなシステム設計

    小泉: 今回、共同配送を実現するためのシステムの構築もゼンリンが担ったということですが、システムの概要について教えてください。

    上谷: このシステムでは、ラストワンマイル事業者が配送ステータスを入力することで、各物流事業者がそれを確認できるようになっています。

    利用の流れとしては、各物流事業者がヤマト運輸の影森営業所に持ち込んだ荷物を、ラストワンマイル事業者が受け取る際、ラストワンマイル事業者が持っている専用の端末を使って、伝票に印字されているバーコードを読み込みます。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    ラストワンマイル事業者が荷物に貼られている伝票のバーコードを読み込んでいる様子

    バーコードを読み込むと、どの物流事業者の荷物なのかに加え、「積み込み作業中」などの配送ステータスを付与できる仕組みになっています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    ラストワンマイル事業者が操作している端末画面のイメージ(左から、バーコードの読み込み画面、業者選択画面、積み込み作業の一覧)

    その後も、「影森営業所からの持ち出し」「配送先への到着」「配達完了」「不在による持ち帰り」など、様々な配送ステータスをラストワンマイル事業者が端末から付与していきます。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    ラストワンマイル事業者が操作している端末画面のイメージ(左から、配送先一覧、配送先到着時の画面、配送完了一覧)

    ラストワンマイル事業者が付与した配送ステータスは、クラウド上でリアルタイムに共有されますので、各物流事業者はWebブラウザから確認することができます。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    管理者側の確認画面イメージ

    小泉: 端末でバーコードを読み取った後、配送ステータスを付与できることは分かったのですが、荷物の情報はどのように取得しているのでしょうか。各物流事業者のシステムと連携しているということですか。

    上谷: 各物流事業者の基幹システムとは連携させていません。

    「おむす便」で配達をしている大滝地域の荷物に関しては、今回新たに構築したシステムで管理しています。

    つまり、大滝地域に配送される荷物は、各物流事業者の基幹システムからは確認ができない状態だということです。

    各物流事業者が大滝地域宛の荷物の状況を確認する場合は、先ほどご説明した管理者側の確認画面を、Webブラウザ上から見てもらうという設計にしています。

    小泉: そうなると、各物流事業者が影森営業所に荷物を配送した際に、ラストワンマイル事業者はどのように荷物が届いたことを知るのでしょうか。

    上谷: この点については、運用のルールを決めることでカバーしています。

    ラストワンマイル事業者は、毎日午前と午後の決まった時間に影森営業所に行くことが決まっています。

    そこで、各物流事業者は、それまでに影森営業所に荷物を届けるという体制をとっています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    各物流事業者が影森営業所に荷物を届けている様子

    小泉: つまり、1日2便で捌ききれないほどの荷物が届くことはないということですね。

    上谷: そうですね。ただ、稀に事業者宛に大量の荷物や大きな荷物が届くことがありますが、そうした荷物は、現時点ではヤマト運輸に手助けしてもらいながら、運用しています。

    小泉: では、システムを構築するにあたって、3社の物流データを標準化しなければならないことはなかったということでしょうか。

    上谷: はい。「おむす便」専用のシステムを作ることで、システムに関して標準化する必要はありませんでした。

    ただ、オペレーションに関しては、先ほどご説明した「何時までに配送する」「何時に受け取りに来る」というような運用のルールを、その他のシチュエーションにおいても適応させる必要があると感じています。

    今回のケースで言うと、冷凍や冷蔵の荷物の取り扱いが物流事業者ごとに異なるため、厳しい基準に合わせて統一させるなどして、対応していこうと思っています。

    小泉: ルールの取り決めは、具体的にどのように行なっているのでしょうか。

    上谷: 今回の事業は、弊社が秩父市から依頼を受けた代表企業として、各物流事業者やラストワンマイル事業者を採択している形なので、弊社が現場の声をヒアリングしながら、打ち合わせをして都度課題を解決しています。

    今後、「おむす便」を他の過疎地域にも展開する際には、今回得た現場の課題感をノウハウとして蓄積していき、よりスムーズに共同配送を実装できる体制を整えたいと思っています。

    ビジネスモデルを明確にし、「おむす便」普及につなげる

    小泉: ビジネスモデルはどのような形になっているのでしょうか。

    「おむす便」は、複数の物流事業者に加え、ラストワンマイル事業者とゼンリンという関係者がいて成り立っているので、利益配分が難しいのではないかと感じたのですが。

    上谷: 報酬の流れを簡単に説明すると、各物流事業者がラストワンマイル事業者に配送委託料を支払い、ラストワンマイル事業者が弊社にシステム利用料を支払うという形をとっています。

    まず各物流事業者は、業務委託という形で、ラストワンマイル事業者に対して一個当たりの単価を支払っています。

    ラストワンマイル事業者は、その月に何個運んだかという実績を報告して、各物流事業者から配送費をもらいます。

    そして弊社は、開発したシステムをラストワンマイル事業者に提供し、その利用料をいただいています。

    このシステムは、配送の管理だけでなく、配送履歴をCSVデータ化することができ、何個配送したかを物流事業者に報告・請求するための証憑としても活用できますので、システムの利用者はラストワンマイル事業者であるという建て付けです。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    配送履歴のCSVデータ

    小泉: ビジネスモデルもシンプルで良いですね。お金の流れをわかりやすくしたほうが、ラストワンマイル事業者は儲かるかどうかの判断もしやすいですし、「おむす便」が広がっていくイメージが湧きます。

    上谷: システムの利用料を物流事業者側からいただくという発想もあるとは思いますが、物流事業者の場合すでに基幹システムを構築しているケースが多く、それぞれのニーズを汲み取っていくと、仕様も料金形態も複雑になっていきがちです。

    そこでシステムは、新たな事業として取り組むラストワンマイル事業者向けに構築し、物流事業者は無料でウェブブラウザ上から配送ステータスを見ることができる、というシンプルな設計にしました。

    これにより、地域の困りごと解決とともに、物流事業者やラストワンマイル事業者へのメリットの提示もできたと思っています。

    全国の過疎地域展開を見据え、機能強化やまちづくりへと発展させていく

    小泉: 運用体制からシステム、ビジネスモデルまできちんと整っていて、素晴らしいアイディアだと感じました。

    こうした共同配送の仕組みを思いつくことができたきっかけはなんだったのでしょうか。

    上谷: システムに関して言うと、以前より、共同配送の実証実験やプレサービスの提供を秩父市と実施していたので、そこから見えてきた課題から生まれたという背景があります。

    実際に実証実験やプレサービスで共同配送を実施してみると、物流事業者ごとに基幹システムがあり、それに紐ついている端末もバラバラで、ラストワンマイル事業者がそれに対応するのは難しいということが見えてきました。

    そこで、ラストワンマイル事業者が無理なく配送を行うためにも、システムの構築は不可欠であるという結論に至りました。

    また、一度システムを構築することができれば、大滝地域だけでなく、全国の過疎地域に展開することができ、弊社としてもメリットの大きいビジネスになるだろうと思っていました。

    加えて、もともと弊社は地図情報を活用したサービスを提供する会社ですので、今後は共同配送サービスにも地図情報を活用していきたいと考えています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    株社会社ゼンリン モビリシティ事業本部 スマートシティ推進部 事業担当者 上谷守裕氏

    例えば、いくつかの荷物の住所情報を読み取ることで、自動で配送ルートを提示してくれるような機能を構想しています。

    こうして弊社の地図情報も活用していけば、利用者に対して利便性を提供でき、弊社にとってもメリットがあるという道筋が描けていたというのが、取り組みに踏み出せた大きな理由だと思っています。

    小泉: ゼンリンの地図情報もシステムに組み込まれていくとなると、例えばUberのような新たな事業の展開をさらにしやすくなりそうですね。

    上谷: おっしゃる通りです。将来的には、今回の共同配送のような新たな仕事を過疎地域にもっと増やすことで、地域外の人も「仕事があるから移住したい」と思えるような、副次的な効果も見込めるのでは、と期待しています。

    小泉: 人の分布情報もかけ合わせていけば、どのサービスがどのエリアに有効なのかといった分析や、人の分布に合わせた最適な配送拠点の位置の提案など、ゼンリンだからこそ実現できる将来像があるなと感じました。

    ゼンリン 吉村英樹氏(以下、吉村): まさしく弊社では、高精度な道路情報を提供するネットワークデータを構築しており、現実世界に即したソリューションの提供が可能です。

    例えば、交通空白地帯を定める際、「半径何メートル以内にバス停や駅がない」などの指標で決めがちなのですが、本来は実際の道路の形や人が歩く経路など、実態を加味して定める必要があります。

    つまり、一概に「半径何メートル以内」とは言えないはずなのです。

    一方、弊社では、自動車用ネットワークや歩行者用ネットワークなど、移動に必要な様々なネットワークを組み込んだデータベースの提供を行っているので、実態に即したデータをもとに意思決定をすることができます。

    そこで、おっしゃるような最適な配送拠点の位置の提案なども、将来的には行なっていきたいと考えています。

    また、弊社の立場として、各物流事業者に地図データを活用してもらっているという、中立的な立場である点も、今回のような共同配送が実現できた理由だと思っています。

    物流事業者同士のみで共同配送を実現しようとしても、競合関係にある中で、システム連携および構築、ルールの取り決めを行なっていくのは難しいでしょう。

    既存ビジネスの課題解決や既存システムの改善をしていこうという発想ではなく、地域の困りごとにフォーカスして、これを解決するためにどのようなシステムや仕組みが必要かを考えた点が、共同配送を実現できたひとつのポイントだと思っています。

    物流事業者の共同配送を実現、過疎地域の課題解決へ ― ゼンリン吉村氏・上谷氏インタビュー
    株社会社ゼンリン モビリシティ事業本部 スマートシティ推進部 部長 吉村英樹氏

    物流の課題解決へ向け求められる国や自治体の姿勢

    小泉: 今後は、機能の拡充や他の地域への展開を考えられているとのことですが、さらに取り組みを広げようとしたときに、自治体や国に対する要望や想いはありますか。

    上谷: 担当者としての意見ですが、「物流」に関する課題を自治体の方に地域課題として捉えていただく事が重要であると感じます。

    物流の中でも、例えば「ドローンを活用した無人配送」といった先端技術を活用した取り組みには関心を持ってもらえるのですが、既存の物流手段の「トラックの配送効率の改善」の取り組みとなると、関心の具合はトーンダウンしてしまうように感じることがあります。

    しかし、当然ながらトラックは物流手段の一つであり、今や物流は社会インフラの一部となっていますので、支援の手立てが増えてくれればと思っています。

    また、過疎地域の課題は物流だけではなく、過疎地域の住民が移動できなくなるといった「交通」など、他の要素にも影響を及ぼすものです。

    2024年4月には、国土交通省より、自家用車活用事業が可能となる日本型ライドシェアの制度を策定するなどの対策が打たれており、こうした取り組みをもっと推進してほしいと思っています。

    もちろん弊社としても、物流に加え、交通の課題解決にも貢献できるよう、取り組んできたいと考えています。

    小泉: たしかに適切な制度や法改正が整ってくれば、実現できることは増えそうですね。例えば、乗客と荷物を同時に乗せる貨客混載に関する規制も徐々に緩和されつつあります。

    将来的には、適切なルートを提案してくれるシステムを活用することで、コミュニティバスに乗客と荷物が同時に乗る日が来るかもしれませんね。

    吉村: 貨客混載に関しては、すでに実証実験などで挑戦しているテーマですが、人が乗る前提のバスに荷物を乗せることでの費用対効果が合わないといった問題や、ドライバーが荷下ろしまで担うのかなど、課題が出てきている状況です。

    しかし、人口減少やドライバーの担い手不足など、根底にある問題は変わらないため、「物流」と「交通」共に解決していく道筋を見つけていく必要があると感じています。

    小泉: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

  • ゼンリン、ヤマト運輸と協力し各社の荷物の配送状況を一括管理する「共同配送システム」を構築

    ゼンリン、ヤマト運輸と協力し各社の荷物の配送状況を一括管理する「共同配送システム」を構築

    株式会社ゼンリンは、複数の物流事業者の荷物を、地域の配送を担う事業者がまとめて配送する物流モデル「共同配送」の実現ヘ向け、各社の荷物の配送状況を一括管理する「共同配送システム」を、ヤマト運輸株式会社の協力のもと構築した。

    同システムは、2024年6月3日より埼玉県秩父市において、ヤマト運輸、西濃運輸株式会社、福山通運株式会社の3社の荷物を集約し、地域の事業者が個人宅などの配送先まで配送するサービス「おむす便」で実運用を開始する。

    ゼンリン、ヤマト運輸と協力し地域の事業者がまとめて配送する「共同配送システム」を構築
    埼玉県秩父市の共同配送サービス「おむす便」 の概要図。ラストワンマイル配送を担当する地域の事業者が「共同配送システム」を利用する。

    ゼンリンは2019年より埼玉県秩父市において、山間地域における生活インフラの維持を目的とした実証実験を実施しており、2022年9月には、複数の物流事業者の荷物をヤマト運輸が配達する形で「共同配送」のプレサービスを実施した。

    プレサービスの結果、「荷物の配送管理システムが各物流事業者で異なる為、日々の配達状況の管理や配達結果をアナログで管理しなければならず、荷物を管理する各物流事業者や、配送を担当する地元事業者の業務負担が増加する」という課題が判明したのだという。

    この課題の解決に向け、今回、パナソニック コネクト株式会社の「配送見える化ソリューション」をカスタマイズし、各社の荷物の配送状況を一括管理できる「共同配送システム」を開発した形だ。

    「共同配送システム」は、地域の配送を担う事業者が専用の端末を操作して、荷物に貼付された配達伝票のバーコードをスキャンし、各種情報をシステムに登録することで、情報がクラウドを通して共有され、物流事業者各社はブラウザ上で荷物の状況を確認することができる。なお、導入にあたり既存の基幹システムの改修は不要だ。

    ゼンリン、ヤマト運輸と協力し地域の事業者がまとめて配送する「共同配送システム」を構築
    システム利用の流れ

    今後ゼンリンはヤマト運輸と連携し、共同配送サービス及び「共同配送システム」の水平展開を目指すとしている。

  • ゼンリン、災害時の避難所運営を最適化するシステムの運用を横手市で開始

    ゼンリン、災害時の避難所運営を最適化するシステムの運用を横手市で開始

    災害が発生した際、自治体では避難者情報の把握や、災害対策本部への情報共有が重要となる。しかし、現行のシステムでは紙面での受付管理やFAXを用いた情報共有、パソコンでの手入力といったアナログな手法が一般的で、情報把握の即時性や業務負担の軽減という課題があった。

    そこで株式会社ゼンリンと横手市は、災害時の避難所の運営管理をサポートする「シームレス避難所システム」の運用を開始した。このシステムを用いることで、避難所における入退所管理の効率化やリアルタイムでの状況把握・分析が可能となる。

    「シームレス避難所システム」は、「避難所受付システム」「避難者管理システム」「地図連携システム」の3つから構成されている。これらの連携したシステムを避難所や災害対策本部で利用することで、より効率的な状況把握が可能となる。

    ゼンリンと横手市、災害時の避難所運営を最適化するシステムの運用を開始
    「シームレス避難所システム」の概要図

    利用の流れは、避難者のマイナンバーカードや運転免許証を専用カメラで読み込むことで、基本情報の取得や受付が完了する。自治体のシステム上に登録済みの情報と紐付けが可能なほか、受付時のヒアリングにより入力した詳細情報を、システム上で一括管理・把握することが可能だ。

    ゼンリンと横手市、災害時の避難所運営を最適化するシステムの運用を開始
    左:避難所受付の様子 右:避難者管理画面

    また、収集した避難者情報を自治体が保有する住民情報などと紐付けし、「地図連携システム」に取り込み地図上に表示することで、どの世帯の誰が避難を完了しているか、避難できていないかといった避難状況の把握を可能にする。

    地図上には、気象情報やハザードマップなどの各種情報も表示可能であり、避難行動要支援者名簿情報などと連携することで、配慮が必要な方への支援活動に役立つ。

    さらに、収集した情報を統計化し、避難所ごとの年齢・性別層等を把握することで、食料品や生理用品などの不足物資の的確な配分や優先順位付けに活用できる。

    ゼンリンと横手市、災害時の避難所運営を最適化するシステムの運用を開始
    左:避難状況を地図上に可視化 右:避難している方の年齢層や性別などを把握

    今後は、デジタル技術の活用が進む各分野で、横手市の防災分野においても、市民への情報発信などの施策検討を進める予定だ。

    またゼンリンは、全国の自治体への展開を目指すとしている。

  • ゼンリンと山口県光市、AIによる予約制乗合タクシーの実証実験を開始

    ゼンリンと山口県光市、AIによる予約制乗合タクシーの実証実験を開始

    山口県光市と株式会社ゼンリンは協力し、「予約制乗合タクシー」を運行するAIデマンド型交通導入実証実験事業を、光市内の一部地域で2024年2月1日から3月1日までの期間実施することを発表した。

    この事業は、光市地域公共交通計画の施策の一つで、路線バスの運行がない地域やバス停までの移動が困難な地域における地域内交通の拡充を目指す。

    光市がAIを活用したデマンド型交通システムの導入業務をゼンリンに委託し、AIによる配車ルートの策定が可能な予約制乗合タクシーを地域内に運行させる。

    これにより、地域住民の移動ニーズの変化への対応や移動の利便性向上、交通事業者への影響等について検証する。

    具体的には、2024年2月1日から3月1日までの期間、午前9時から午後4時まで毎日運行し、光市内の一部地域(三井・上島田・周防地区全域)が利用可能エリアとなる。

    ゼンリンと山口県光市、AIによる予約制乗合タクシーの実証実験を開始
    利用可能エリア

    利用者は事前に登録を行い、乗車料金は大人(中学生以上)が1乗車300円、小人(小学生以下)が1乗車150円となる。障害者手帳の提示により、利用者及び介助者1名の料金は各々150円となる。

    なお、「光市予約制乗合タクシー」では、受付システムや車載システムにて、ゼンリンの住宅地図データが採用されている。これにより、住宅の詳細な位置を把握することで、ラストワンマイルにおける最適な運行を支援する。

    今後は、30日間の実証実験で得られた各種データの分析を行い、光市におけるデマンド型交通の適性や今後の導入について検討する予定だ。

  • ゼンリン、EV充電スタンドのリアルタイム利用状況を配信する「満空情報」を提供

    ゼンリン、EV充電スタンドのリアルタイム利用状況を配信する「満空情報」を提供

    北九州市に本社を置くゼンリンは、電気自動車(以下、EV)充電スタンドの使用状況を把握できる「満空情報」の提供を始めた。

    「満空情報」は、複数の充電ネットワーク事業者が、個別に管理する充電スタンドの使用状況をリアルタイムで集約し、配信するサービスだ。

    これにより、自車位置や目的地付近のEV充電スタンドの満空情報、EV充電スタンドの故障状況や休止情報を確認することで、先着車がいるEV充電スタンドや、故障中のEV充電スタンドへの案内を回避したり、EV充電スタンドを経由するルート案内時に満空情報を加味することで、充電渋滞を回避したりすることが可能だ。

    第一弾として、株式会社エネゲートとBIPROGY株式会社が管理する約4,800口(2023年12月末時点)の充電スタンドの利用状況を、自動車メーカやナビメーカ、EV関連サービス事業者に2024年1月24日から順次提供する。

    今後は、対象となる充電ネットワーク事業者を追加する予定だ。また、さらに多くの充電ネットワーク事業者と連携し、多くのEV充電スタンドの使用状況を提供することで、EVの普及と利用者満足度の向上に貢献する計画だ。

    なお、ゼンリンは、「EV充電スタンド情報」特設サイトを公開しており、全国のEV充電スタンドの最新情報、都道府県別情報、位置情報、コネクタタイプなど、ゼンリンが保有する様々な情報や、EV環境に関するコラム記事などを発信している。

  • パナソニックHDとゼンリン、EVを活用したエネルギーマネジメントの共同開発に着手

    パナソニックHDとゼンリン、EVを活用したエネルギーマネジメントの共同開発に着手

    パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)と株式会社ゼンリンは、電気自動車(以下、EV)を分散型エネルギーリソースとして活用するエネルギーマネジメント機能の構築に向けて、共同開発に着手した。

    この取り組みの第一弾として、ゼンリンより、EV充電器メーカやEV充電器の管理・運用を行う企業へ向けた「EVチャージ需要マップ」の提供を、2023年9月8日より開始する。

    「EVチャージ需要マップ」は、ゼンリンが保有するデータを活用し、パナソニックHDとゼンリンで開発を進める独自アルゴリズムにより、EV充電器の立地・需要エリアを可視化するEVチャージ需要マップの提供を行う。

    パナソニックHDとゼンリン、EVを活用したエネルギーマネジメントの共同開発に着手
    「EVチャージ需要マップ」の概要図

    将来的には、人口動態や交通動態などの地域特性に基づく需要を考慮した上で、EVを活用したエネルギーマネジメント機能を構築し、電力需給の可視化や需要予測を行うとしている。

  • ゼンリン・KDDI他、秩父市中津川地内で実施したドローン定期配送を完了

    ゼンリン・KDDI他、秩父市中津川地内で実施したドローン定期配送を完了

    秩父市、株式会社ゼンリン、KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社は、株式会社エアロネクスト、生活協同組合コープみらい、株式会社ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局株式会社らとともに、2023年1月26日から「&(アンド)プロジェクト」として、土砂崩落の影響が続く秩父市中津川地内で、ドローンによる物資の定期配送を実施し、3月30日を最終便として、予定期間の配送を完了したことを発表した。

    このプロジェクトでは、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」が活用され、地形の特性などにより、従来モバイル通信が不安定であった環境下においても、モバイル通信を用いたドローンの運航が実現できることを確認した。

    また、3月2日の配送より、目視内での自動飛行で行う「レベル2」から、無人地帯での目視外飛行を行う「レベル3」での配送に移行した。

    さらに、着陸地点に技術者を配置せず、東京都内から遠隔操作を実施。荷物の受け取りを中津川区長1名で対応した。

    秩父市中津川地内で実施したドローン定期配送を完了
    実施されたプロジェクトの概要

    中津川地区の住民からは「週1回の定期配送が楽しみの1つとなり、不安な気持ちが和らぎ、心のよりどころにもなっていた」といった声が挙がったという。

    今後は、今回の取り組みで得られた運用ノウハウをもとに、中山間地域に向けたドローン配送ソリューションの構築を検討していくとしている。

  • KDDI・ゼンリン、Starlinkを活用したドローン定期配送を秩父市中津川地内で開始

    KDDI・ゼンリン、Starlinkを活用したドローン定期配送を秩父市中津川地内で開始

    埼玉県秩父市、株式会社ゼンリン、KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社は、株式会社エアロネクスト、生活協同組合コープみらい、株式会社ちちぶ観光機構、ウエルシア薬局株式会社らとともに、ドローンによる物資の定期配送を、Starlinkを活用したモバイル通信のもと、秩父市中津川地内にて2023年1月26日より開始する。

    この取り組みは、2022年9月に土砂崩落が発生し、物流が寸断された秩父市中津川地内の地域住民への冬季期間の生活支援を目的としている。

    KDDI・ゼンリン他、Starlinkを活用したドローン定期配送を秩父市中津川地内で開始
    ドローン定期配送の概要図

    現在、ドローンによる物資の配送先となる中津川地内へアクセスするには、一部の緊急車両などの通行のみ許可されている森林管理道金山志賀坂線を通行する必要があるが、冬季は降雪や凍結のため通行が困難となる。

    また、当該地域の地形の特性上、モバイル通信が不安定な環境であるため、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を活用してauのモバイル通信環境を確保し、ドローンの遠隔自律飛行による物資の配送を実施する。

    配送フローは、住民が電話などで事前に商品を注文することで、コープみらい・ウエルシア秩父影森店、ファミリーマート道の駅大滝温泉店が、注文商品をピックアップ。各社トラックで道の駅大滝温泉まで配送する。

    ちちぶ観光機構が、各社の注文品を個人ボックスごとに箱詰め、注文商品をドローン離陸地点まで配送し、食品や日用品など最大約5kgの物資をドローンで複数回配送する。

    KDDI・ゼンリン他、Starlinkを活用したドローン定期配送を秩父市中津川地内で開始
    配送フロー

    ドローンは、物流専用ドローン「AirTruck」と、KDDIスマートドローンが開発した運航管理システム「スマートドローンツールズ」を組み合わせることにより、遠隔制御による機体の飛行、離発着、荷下ろしを実現している。

    KDDI・ゼンリン他、Starlinkを活用したドローン定期配送を秩父市中津川地内で開始
    Starlinkを活用したモバイル通信とドローン配送のシステム構成イメージ

    今後は、全国の様々な地域・環境下でのドローン配送の社会実装を目指すとしている。