昨今、どんどん新しい技術が生まれているが、単純に技術と言ってもすぐにビジネスに活用できるものと、できないものがある。
特に5Gのような技術は、先進性もあり高速・低遅延の通信が実現できるため、遠隔地でのリアルタイムな処理に期待がかかる一方で、ビジネスモデルとして費用対効果がある場合とない場合があり、簡単に導入が進まない。
平昌オリンピックでも、KTはスケートリンクの周囲に複数のカメラを配置することで、例えば選手が回転をした際、カメラを順次切り替えることで、回転している選手の周りをカメラが回転しながら追いかけるような演出をしていた。
これと似た演出は、例えば、野球のホームベースにスライディングしてくるランナーに、タッチアウトを狙うキャッチャーの周りをダイナミックなカメラワークで捉えるといったことで実現できている。
他にも、ボブスレーでは、選手目線の映像をリアルタイムにとらえることができ、俯瞰の映像とあわせて視聴者は見ることができるのだ。
有線であれば高速データ通信が可能でも、ボブスレーのように動いている選手をリアルタイムでとらえることはかなり難しいが、5Gであれば簡単に行うことができる。
5Gというと、消費者の持っているスマートフォンなどに映像が送られてくるイメージが強いかもしれないが、映像を送る放送局の段階で取り込み、演出を加えて送ることもできる。
技術があっても、すべての操作を消費者に委ねるのは現実的ではないということを考えると、リアルタイムに演出をうまく組み込むVJ/DJ(ビデオジョッキー/ディスクジョッキー)のような新しい仕事が生まれるかもしれない。
他にも、ドローンを使った空撮では、天井に取り付けられたカメラではなく、選手の動きに追尾しながら映像を取得するということもできるだろし、VRを使えば、家に居ながらにして選手と同じ目線での観戦も可能となるだろう。
ワールドカップロシア大会でも、VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)が活躍していたが、生身の人間が行わない判定は正確である一方で、つまらないという声も聞こえるのだという。
テクノロジーは、スポーツを含むエンタテイメントに使うと、その興味深さを一般の方に訴求しやすいが、その一方で、問題も発生する。
先ほどの例でいうと、ドローンが競技場に墜落してしまった場合はどうするのか、VR向けの画像を取得する機材はプレーの邪魔にならないのか、など様々考えられる。
その一方で、様々なテクノロジーを活用してこれまでなかった視聴体験を演出することで、これまで以上にスポーツを楽しむことができるようになるのだ。