5G通信について、各種メディアで様々な論考が出そろった。
概ね、「5Gが商用サービスになることを受けて、世界の通信関連事業者が本気になりだした」「5G対応の端末が出そろってきた」「日本は出遅れている、楽天は通信の制御部分を仮想化していてエポックメイキングであった」といった内容が多いように感じた。
この中で、4つ目の通信キャリアとして新しい技術を使うという意思表示がエポックメイキングであるという点について、引っかかりを感じる。
こういった世界の展示会では、新規性を打ち出し意気込みを形にすることはとても大切なことだ。しかし、実際に通信サービスを使う事業者からすると、エポックメイキングだからよいとは言えない。
5Gにおける信頼性の重要性
私は、5Gの特徴である「高速・大容量・低遅延」が実現する「リアルタイム性」を担保できることが、キャリアには大事だと思う。
5G通信が一般化すると、東京にいながら北海道や九州にあるクルマを遠隔操作したり、遠隔手術を行ったりすることもできるという。
例えば土木建築の現場において、建設機械を遠隔操作することができるといったユースケースを考える。
人手不足が深刻な建設業界において、高度なスキルが必要な建設機械の操縦をどこかのロケーションで遠隔操作できるとしたら、そのメリットは測り知れない。
しかし、遠隔操作している建設機械が「圏外」、あるいは「通信障害」だからといって、止まるべきところで止まらなかったりするとかなり危険だ。もちろん、建設機械メーカーからすると、通信障害時の安全機能はつけるのだとは思われるが。
遠隔手術中に通信が「圏外」になったり「通信障害」になったりすることをイメージすると、恐ろしい気持ちになるのではないか。
つまり、4G時代より、B2Bのユースケースが想定されている5G通信では、信頼性の側面を語らず、新規性だけで評価できないところがあるのだ。
先日ソフトバンクが通信障害起こした際、B2Cの利用ですら大きな混乱が起きたことは記憶に新しい。
新規参入する楽天も、当初は、ほぼauのネットワークを使うわけだが、今後自前のネットワークを構築するときは、信頼性の側面もきちんと考慮してほしい。
B2Bの5G通信では、信頼性のない通信は今以上に許されない。