ラスベガスで開催されたCES2019レポートの第25弾はIoTNEWS生活環境創造室室長の吉田氏による論考だ。
レポート④のVerizonキーノートにもあるようにアメリカでは昨年FWA(Fixed Wireless Access:固定回線代替の無線アクセス)向けから5Gがローンチしている。
そして、一般的な光回線(FTTH)より実際の速度でも5Gの方が大幅に上回っていることが確認されている。
2019年中に5Gスマホも発売されることが決まっていて、コンシューマー向けサービスも広がっていくだろう。
並行して多くの企業が5Gの具体的な活用を実環境で進められることもアメリカのメリットだ。メディア、コンテンツはもちろん、工事や医療の現場などでの活用は現実味を帯びてきている。

レポート⑨で紹介した、5Gスマートフォンのレファレンスモデルは、Qualcommがスマートフォンメーカーに共有することで、どのメーカーも高品質な5Gスマートフォンが開発できるようになるものだ。
レファレンスモデルの公開はWindows PCやAndroidでの実績でもわかるように汎用的なハードウェアを短期的に広げるためにとても有効なアプローチである。
Eureka Parkに出店されていたウフル社の「Solarmori」は、今後のコンシューマーIoTデバイスのレファレンスになる可能性を秘めていた。
展示されていた商品は子供向けの見守りデバイスなのだが、「nb-IoT」「ソーラー充電」「電子ペーパー」など徹底的に省電力にこだわっていた。
今後の話を聞くと5Gのnb-IoTと専用のモデムでさらなる省電力化が実現できるということと、ハードと用途に最適化可能な全固体電池の採用も見据えているという。
どのような条件を基にレファレンスモデルにするかは難しいところではあるが、今後の動向に注目したい製品だった。

5Gは始まっているものの活用はこれからである。
スマホ以外の活用はビジネスモデルから構築しなくてはならないことも多い。その際に、必要になるのはターミナルデバイスのレファレンスモデルだけでなく、アプリケーションレイヤーやビジネスレイヤーのレファレンスモデルになるだろう。
先行成功事例を水平展開する動きは高速で進んでいる。
コネクテッド市場の拡大には、小さくても真似したくなる成功事例の可視化が重要な時代に入った。企業向けサービスは既にその状況から抜け出しているとも言えるが、生活者向けIoTサービスは、スマートフォンビジネス以降、ハードウェアを伴うマスサービスが登場していない。
5Gのスタートはまさに大きなチャンスであり、エコシステム含む、新しいレファレンスモデルの登場に期待したい。
