民間企業が広島にできること
そして小泉は、「まずは民間企業により産業を起こし、その産業に自治体が持っているデータの活用を行うことで、相乗効果が生まれるのではないか。」と、これまでの市や県が中心となっていたテーマから、民間企業が中心となって起こしていくDXに話を展開した。
また広島県では、規制を解除したり特区を作るといったことにオープンであるため、企業が新しいことを始められる可能性があるとし、民間企業が広島で行えるDXについて話を聞いた。
まず名越氏は、「自社では電力とガスの基幹システムを構築しているが、自治体の水道基幹システムに課題があるという話を聞いた。自治体ごとにシステムがあり無駄が多く、共通のシステムにできないかと提案されたことがある。」と、水道基幹システムの共通化というニーズがあることを語った。

しかし水道は自由化がされていないという背景からこれまで取り組めなかったとし、「規制がなくなるなら民間企業が取り組むことが可能になる。」と語った。
一方今まで自由化されていなかったことから、民間企業にノウハウがないという問題点も指摘した。そのためサンドボックスなどで一定の事例を得た上で進められれば実現度が高いと述べた。
それに対し湯崎知事は、「広島県では水道事業を県一体にするという話し合いがなされている。そのためには公益化する必要があると考えており、民間企業の方にも協力していただきたい。」と、前向きな姿勢を示した。
またそのほかの事業についても、「必要なものがあればそのプラットフォームを提供している企業に交渉することもできる。また、地域的な制約を感じているなら市長に相談する、といった調整は可能だ。」とし、民間企業に対してオープンであることを示した。
そして青野氏は、「今後はベンチャー企業と付き合うことで新たな可能性を見いだせるのではないか。」と、ベンチャー企業の可能性について語った。
ベンチャー企業の強みは新しいものが安くできる点だ。
「少しリスクをとることになるとしても発想を変えることで、得られるものはあるのではないか。ある部分はベンチャーに頼むことで、新たなものが生まれる。」と、行政がベンチャーと組むことのメリットを話した。
それに対し小泉は、「デジタル発想でものづくりをするということは、必ずしもものづくりをしていた会社が強いというわけではない。」と、電動キックスクーターを例に、デジタル発想のものづくりについて話した。
電動キックスクーターは、昨今シェアバイクとしてアプリを通して自由に乗降でき、キャッシュレス決済ができるというソリューションとして世界で注目されている。
電動キックスクーターを作る企業というのは、元々バイクを作っていた企業が強いというわけではなく、使いたい人が使いたいときに使えるという利便性に着目した企業がサービスを展開しているということだ。
広島県はものを作れる企業を多く有しており、デジタル発想の企業と融合していくことが重要だとした。