新たな価値創造を広島から発信していく ー広島県×イノベーターズセッション2019レポート

気軽に移住できるシステムの構築

そしてサイボウズ青野氏、パネイル名越氏、広島県湯崎知事、IoTNEWS小泉によるパネルディスカッションが開始された。

桑原氏が話した広島県の行政の取り組みや意気込みを踏まえた上で小泉は、広島でできることや実現してみたいアイディアを3者に聞いていった。

まず青野氏は、「自社のクリエイティブメンバーには発想を広げるためにもどんどん場所を変えて欲しい」という会社のニーズを語り、そうした際広島は魅力的な場所であるが、住むとなると3つの課題があるとした。

新たな価値創造を広島から発信していく ー広島県×イノベーターズセッション2019レポート
サイボウズ代表取締役社長 青野 慶久氏

1つ目は住む場所だ。空き家がデータベース化されており、どんな場所があるかネット上で確認して気軽にいけるシステムが必要であると話す。

これに対し湯崎知事は、「空き家マップというものがあったが、様々なフォーマットであったため現在フォーマットを統一している段階」だとした上で、「現状では、空き家の状態を把握できてもいきなり住めるという状況ではない。」と課題を語った。

そして2つ目は教育の問題だ。例えば3ヶ月など長期で住むとなった場合、もし子供がいる世帯であれば教育を広島で受けられるのかという課題がある。

「広島に限ったことではなく、日本の教育というのは古い。」と青野氏は語る。

ITを使えば個々のレベルに合わせた教育が受けられる。そしてデータを蓄積していけば個人の実績を持って転校することができる。つまり場所を制約されずに自分に合った教育を受けられるということだ。

こうした仕組みを広島県が先陣を切って構築できれば、それが強みとなり移住したい人が増えるのではないかと提案した。

これに対し名越氏は、「島はIT系の人間にとって非日常であり、脳が刺激されるとても良い環境であるが、ITインフラが整っていないと仕事ができない。だから島にこそ5Gなど最先端のITインフラを強化すべきではないか。」と、島という資源を生かしたアイディアを呈した。

新たな価値創造を広島から発信していく ー広島県×イノベーターズセッション2019レポート
左からサイボウズ青野氏、パネイル名越氏、広島県湯崎知事、IoTNEWS小泉

そして3つ目の課題として青野氏は、島の人との関係性をあげた。地方独特のヒエラルキーやしきたりのようなものがあると、外からの人間は入りづらい。

生きてきたバックグラウンドが違う人間同士でも、フラットに付き合えるようなコミュニティの構築ができなくては移住は難しいと話す。

「ITがないことだけが障壁になっているのではなく、「受け入れてもらえないのでは」と感じることから人が来ないという側面があるのではないか。」と啓蒙した。

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