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  • ST、組み込みAIアプリケーションの開発を支援するマイコン用学習済みAIモデル・ライブラリを発表

    ST、組み込みAIアプリケーションの開発を支援するマイコン用学習済みAIモデル・ライブラリを発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、組み込みAIアプリケーションの試作設計と開発を支援する「STM32 AI Model Zoo」の新モデルならびにプロジェクト・サポートの強化を発表した。

    「STM32 AI Model zoo」は、Arm Cortex-Mコアをベースとする32bitマイクロコントローラ「STM32」向けに最適化された、学習済み機械学習モデルのコレクションだ。

    今回、ウェアラブル機器、スマート・カメラ、スマート・センサ、セキュリティ及び安全機器、ロボットなどに組み込まれるビジョン・オーディオ・センシング向け学習済みAIモデルのライブラリが、大幅に拡張された。

    具体的には、モデル・ファミリの数が30種から60種に倍増したほか、マイコン向け既製モデルの業界最大のライブラリで、140種以上のモデルを利用することが可能だ。

    また、TensorFlow Lite、Keras AIフレームワーク、LiteRT、ONNXフォーマットの既存のサポートに加え、新たにPyTorchモデルをネイティブ・サポートする。

    なお、このModel Zooは、ST製品に対応する開発ツールを提供する「ST Edge AI Suite」の一部であり、STのハードウェア上におけるAIアルゴリズムの開発と導入のさらなる簡略化と期間短縮に貢献する。

    STのエッジAIソリューション担当のグループ・バイスプレジデントであるStephane Henry氏は、「データ・サイエンスを応用して実際に動作するアプリケーションを作成し、組み込みプラットフォーム向けに調整する取り組みには、複雑な技術的課題が伴うため、そのプロセス全体を通じて開発者へのサポートが必要だ。STは、利用可能なモデルの選択肢を広げると同時に、STM32開発者コミュニティがプロジェクトを迅速に開始できるよう、STM32 AI Model Zoo 4.0を用いた導入に至るまでのインフラも強化している。」とコメントしている。

  • ST、ToFセンサとAIでPCのセキュリティ・プライバシー・省エネを向上させる新技術を発表

    ST、ToFセンサとAIでPCのセキュリティ・プライバシー・省エネを向上させる新技術を発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、ノートPCやデスクトップPC、モニタ向けに、ToF(Time-of-Flight)測距センサと独自のAIアルゴリズムを組み合わせた「スマート・ヒト検出ソリューション(HPD)」を開発した。

    STが提供するToF測距センサ「FlightSense」は、光の飛行時間を利用して高精度な距離計測を可能にするものだ。

    今回これに独自のAIアルゴリズムを組み合わせることで、PCがユーザの存在や意図を正確に理解できるようになった。

    このAIアルゴリズムは、STが数千に上るデータと何カ月にもわたる改善を通じて開発されており、8×8ピクセルの距離データからノートPCユーザの頭の向きを検知できるようになった。

    これは、厳格な品質管理と、Presence AI、HOR(頭の向き)AI、姿勢AI、手による表現を示すAIという4つの専用AIネットワークの設計によるものだ。

    これには、ToF測距センサ「VL53L8CP」が、ゾーンあたりの信号ノイズ比(SNR)を最適化するように設計されており、これらのAIアルゴリズムの性能を引き出す役割を担っている。

    これにより、ユーザが画面から視線を外すと、AIが頭の向きを検知し、自動的に画面の輝度を下げて電力を最適化することで、バッテリー寿命の延長と1日あたり20%以上の消費電力削減を実現する。

    また、ユーザがPCから離れると自動でロックし、戻ると起動する「遠ざかり検知」と「近接検知」機能を搭載。ハンズフリーでの高速Windows Hello認証も可能にし、機密情報保護とシームレスな操作性を両立する。

    さらに、背後からのぞき見されていることを検知し、ユーザに警告する「複数人検知」機能で、情報の盗み見を未然に防ぐ。

    なお、ToFセンサはカメラのように画像を撮影しないため、ユーザーのプライバシーを完全に保護できる点も特徴だ。

    STのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼イメージング・サブグループ・ジェネラル・マネージャーであるAlexandre Balmefrezol氏は、「260機種以上のノートPCに搭載されてきたFlightSense技術が、新たなスマート・ヒト検出ソリューションによって電力効率、セキュリティ、使いやすさの向上に貢献する」と述べている。

    また、Yoleグループのイメージング担当プリンシパル・アナリストであるFlorian Domengie博士は、「2023年以降の3Dセンシング技術の普及とToF技術の応用範囲拡大に言及し、2030年にはToFモジュールの売上高が38億ドルに達する見込みであると分析している。特に小型・低コストのマルチゾーンToF測距センサの登場が、ノートPC体験の向上と新たなユースケースの創出を可能にしている」とコメントした。

  • ST、Qualcommと開発したターンキーBluetooth / Wi-Fiコンボモジュールの量産を開始

    ST、Qualcommと開発したターンキーBluetooth / Wi-Fiコンボモジュールの量産を開始

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、Qualcomm Technologies(以下、クアルコム)と共同開発したWi-Fi 6およびBluetooth Low Energy 5.4対応コンボモジュール「ST67W611M1」の量産を開始したことを発表した。

    「ST67W611M1」は、2024年に発表されたSTとクアルコムの協業から生まれた初の製品で、STM32マイクロコントローラ(マイコン)搭載システムへの無線通信機能の実装を簡略化するものだ。

    STのSTM32マイコンおよびソフトウェア、開発ツールのエコシステムと、クアルコム製の無線通信用チップと2.4GHz無線機能が組み込まれている。

    加えて、パワー/低ノイズ・アンプ、RFスイッチ、バラン、内蔵PCBアンテナを含むすべてのRFフロントエンド回路が組み込まれ、コードおよびデータ格納用の4MB Flashメモリと、40MHz水晶振動子も内蔵している。

    Wi-Fi 6とBluetooth 5.4を標準搭載し、規格に準拠した認証を取得済みであるほか、ThreadおよびMatterも、ソフトウェア・アップデートにより近日中にサポートされる予定だ。

    さらに、オプションの同軸アンテナ、または外部アンテナ接続用にボードレベルでの接続も搭載されている。

    これにより、製品開発者は無線に関する専門知識を必要とせずに、2層基板という低コストかつシンプルな設計でWi-FiとBluetooth機能をデバイスに追加できるようになる。

    セキュリティ面も強化されており、暗号化アクセラレータやセキュア・ブート機能により、「PSA Certifiedレベル1」を取得している。これにより、サイバーセキュリティに関する今後の法規制にも対応することが可能だ。

    さらに「ST67W611M1」は、4,000種類以上の製品と強力なツール、ソフトウェアからなるSTの「STM32開発エコシステム」を活用することができる。

    STのコネクティビティ・ビジネスライン ディレクターであるJerome Vanthournout氏は、「スマートなIoT機器の需要が加速する中、Wi-FiとBluetoothの複雑なプロトコルをデバイスに組み込むことは大きな課題だった。STのモジュールソリューションは、開発者が無線通信の複雑さに悩まされず、アプリケーション開発に集中できるよう設計されている。」とコメントしている。

    また、クアルコムのプロダクト管理担当シニア・ディレクターであるShishir Gupta氏は、「ST67Wモジュールは、STM32マイコン(ST製の小型コンピュータ)を搭載した多様なシステムへのWi-FiとBluetoothの統合を簡素化し、柔軟性と拡張性を提供する。これは、IoT分野における両社のイノベーションへのコミットメントを示すものだ。」と述べている。

    すでに、IoTテクノロジー企業のSiana Systemsはこのモジュールを導入し、製品性能の向上と開発期間の短縮に成功しているのだという。

    Siana Systemsの創業者兼ソリューション・アーキテクトであるSylvain Bernard氏は、「ST67Wモジュールは、柔軟なパワー・マネージメントと高速起動により、エネルギー効率の極めて高い新製品の開発が可能です。追加のエンジニアリング作業も最小限で済むため、次世代設計に対応するためのシンプルで頼りになるソリューションだ。」と、その効果を語っている。

    なお、「ST67W611M1」は現在量産中で、参考価格は大量購入時で約6.66ドルとなっている。また、評価・開発を支援する拡張ボードなども提供されているとのことだ。

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  • ST、IoT向けeSIM「ST4SIM-300」がGSMA認証を取得

    ST、IoT向けeSIM「ST4SIM-300」がGSMA認証を取得

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、組み込みSIM(eSIM)の「ST4SIM-300」が、GSMA SGP.32 eSIM IoT仕様の認証を取得したことを発表した。

    SGP.32は、GSMAが公開しているIoT機器向けのeSIM規格だ。大規模な機器管理を簡略化するためのSIMプロファイルの一括プロビジョニングや、SMSを使用しないプロビジョニング、ダウンロードを最適化するための軽量プロファイル・テンプレートが提供される。

    一方「ST4SIM-300」は、SGP.32仕様をサポートする認証取得済みeSIMの1つだ。3GPP/ETSIリリース17にも準拠しているため、3GやLTE、5Gのセルラーネットワーク(Cat-MおよびNB-IoTを含む)への接続が可能だ。

    この仕様は、ユーザ・インタフェース機能が最小限であったり、狭帯域通信しか使えないようなコネクティビティに制約のあるIoT機器に適している。

    今回「ST4SIM-300」がこの認証を取得したことにより、世界中のセルラー・ネットワークとIoTサービス・プラットフォームとの相互運用性が確保され、リモート・プロビジョニングによるネットワーク・プロバイダ間の容易な切替えが可能となる。

    利用用途としては、モバイル・アセット・トラッキング機器やスマート・メータ、ヘルスケア機器のほか、広い動作温度範囲に対応する産業グレード品が挙げられている。

    また、装置開発メーカはGSMA IoT SAFEアプレットを活用して「ST4SIM-300」をセキュア・エレメントとしても使用することができる。

    さらに、はんだ付け可能なCSP(チップ・スケール・パッケージ)や取外し可能なカードなどのフォームファクタを選択することが可能だ。

    なお、「ST4SIM-300」は、STとパートナーによる開発エコシステムのサポートを受けることができる。このエコシステムでは、SGP.32に準拠したeSIMを管理するためのIoTリモート・マネージャ(eIM)や、IoTプロファイル・アシスタント(IPA)、ブートストラップ接続などの不可欠なリソースにアクセスすることが可能だ。

    また、「ST4SIM-300」のパッケージ・オプションには、2FF/3FF/4FF高耐久性プラグイン・カード、DFPN8 パッケージ、WLCSP24パッケージが用意されているほか、産業グレード品は-40℃~105℃の温度範囲で動作するとのことだ。

  • ST、ソフトウェアとアクチュエータ・ハードウェアを搭載したFA向けデバイス・ノード開発キットを発表

    ST、ソフトウェアとアクチュエータ・ハードウェアを搭載したFA向けデバイス・ノード開発キットを発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、ファクトリーオートメーション分野で広く採用されているIO-Link通信プロトコルに対応した、アクチュエータおよびセンサ・ノードのプロトタイピングと開発を可能にする開発キット「P-NUCLEO-IOD5A1」を発表した。

    このキットは、開発に必要なハードウェアコンポーネントとソフトウェアパッケージをすべて同梱しており、インテリジェント・パワースイッチを搭載したアクチュエータ・ボードも含まれている点が大きな特徴だ。

    また、IO-Linkに対応しているため、センサやアクチュエータと制御ユニット間の双方向ポイント・ツー・ポイント通信を実現する。従来の単純なスイッチング信号だけでなく、パラメータ設定データ、診断情報、プロセスデータなどの情報交換を可能にする。

    メイン開発ボードの「NUCLEO-G071RB」には、Arm Cortex-M0+コアを搭載したSTM32G071RBマイクロコントローラ(マイコン)を実装しているほか、トランシーバおよび電源スイッチの制御に必要な外部ハードウェアを搭載している。

    この「NUCLEO-G071RB」が、付属のIO-Linkデモ・スタック・ライブラリ「X-CUBE-IOD02」を実行し、デバイス側のIO-Link通信処理を担う。

    他にも「P-NUCLEO-IOD5A1」には、トランシーバや保護機能を提供するIO-Linkトランシーバ・ボード「X-NUCLEO-IOD02A1」や、産業用4チャネル・ハイサイド電源スイッチ「IPS4140HQ」が搭載されており、ソフトウェア部品一式をまとめたパッケージ「FP-IND-IODOUT1」も提供される。

    なお、「P-NUCLEO-IOD5A1」は、STの販売代理店およびオンラインストアを通じて入手可能で、参考価格は約130.00ドルだ。

  • ST、アクティビティ・トラッキングと高衝撃検出を備えたIoT向けAI搭載小型センサを発表

    ST、アクティビティ・トラッキングと高衝撃検出を備えたIoT向けAI搭載小型センサを発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、日常のアクティビティ・トラッキングに最適化されたセンサと、最大320gまでの高g衝撃測定が可能なセンサを、AI処理機能と共に1つの小型パッケージに集積した慣性測定ユニット「LSM6DSV320X」を発表した。

    「LSM6DSV320X」は、これまで個別のセンサが必要だった広範な加速度測定を、3mmx2.5mmの1チップに集積した慣性測定ユニットだ。

    具体的には、 最大±16gの範囲で日常の動きや運動をトラッキングする「アクティビティ・トラッキング用加速度センサ」と、最大±320gの範囲で落下、衝突、激しい衝撃イベントを定量化する「高g衝撃検出用加速度センサ」といった2つの加速度センサに加え、検出範囲±4000dpsのMEMSジャイロセンサも内蔵している。

    さらに、ST独自のMEMS(微小電気機械システム)設計技術と、エッジAI処理を可能にする機械学習コアを搭載。その組み込みAI処理機能がセンサ内で直接推論を処理することで、システムの消費電力を削減しながらアプリケーションの性能を高める。

    そして、2つの加速度センサは互いに干渉することなく、最適な性能が発揮できるように設計されている。

    また、モジュール内でのモーション・トラッキングに役立つステート・マシンに加え、このデジタル回路にはSTの低消費電流センサ・フュージョン技術が搭載されており、空間的な位置認識にも対応している。

    利用用途としては、モバイル機器やウェアラブル端末に加え、スマート・タグ、アセット・モニタ、イベント・データ・レコーダ、大規模インフラなどのシステムやアプリケーションが挙げられている。

    なお、開発を容易にするため、STは低gと高gの加速度センサーデータをインテリジェントに融合する特許取得済みのソフトウェア・ライブラリ「Motion XLF」や、無償のグラフィカル設計ツール「MEMS Studio」(ST Edge AI Suiteの一部)、ウェブベースの開発環境「ST AIoT Craft」などを提供するとのことだ。

    「LSM6DSV320X」は現在、「ST Edge AI Suite」でサポートされており、2025年末までに「ST AIoT Craft」に追加される予定だ。

  • STマイクロ、エッジAI搭載の低消費電力産業用加速度センサ「IIS2DULPX」を発表

    STマイクロ、エッジAI搭載の低消費電力産業用加速度センサ「IIS2DULPX」を発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、機械学習、省電力化、そして過酷な環境下での高温動作の機能を備えた産業用MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサ「IIS2DULPX」を発表した。

    「IIS2DULPX」は、加速度を検知し、センサ自体に搭載されているAIによりデータ分析を行う、低消費電力かつ高温環境でも動作する、産業用途に特化した高性能なMEMS加速度センサーだ。

    「IIS2DULPX」の最大の特徴は、ホストプロセッサの負荷を軽減する内蔵の機械学習コアだ。

    これにより、センサ内部でリアルタイムに動きのパターンを認識し、落下、振動、傾斜といった特定のイベントを検出することが可能だ。

    また、消費電力を最適化する自動自己構成機能を備えており、アプリケーションの要件に応じてセンサの動作モードを自動的に調整する。

    この結果、バッテリー駆動のIoTデバイスにおいても、長期間にわたるメンテナンスフリーでの運用が期待できる。

    STマイクロエレクトロニクスのMEMSサブグループ マーケティング・ディレクターであるTarik Souibes氏は、「IIS2DULPXは、エッジ処理、超低消費電力、広い動作温度範囲という独自の組み合わせにより、次世代の産業用スマートセンサを実現する。内蔵されたインテリジェンス機能はリアルタイムでのコンテキスト適応を可能にし、最適な決定論的アルゴリズムやAI手法の実装を支援する」と述べている。

    利用用途としては、輸送中の資産や商品の状態監視や、故障の予兆検知や予防保全、ウェアラブルデバイスへの搭載、半導体製造装置などの精密機器の振動監視などが挙げられている。

    なお、すでにフィンランドのTreon社が、「IIS2DULPX」を搭載した長寿命のワイヤレス状態監視システム「Treon Industrial Node X」を開発してリリースしている。

    TreonのCEOであるJoni Korppi氏は、「当社が加速度センサにIIS2DULPXを採用した理由は、その卓越した超低消費電力性能にある。組み込まれているインテリジェンス機能により、システム全体の消費電力が非常に低く抑えられるため、必要とするバッテリー寿命を達成できる。さらに、10年間の長期製造保証プログラムの対象であるため、当社の製品ライフサイクル要件を完全に満たしている」とコメントしている。

  • STが汎用マイクロプロセッサ「STM32MP23」を発表、AI/ML・高温対応で産業IoTを支援

    STが汎用マイクロプロセッサ「STM32MP23」を発表、AI/ML・高温対応で産業IoTを支援

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、新しい汎用マイクロプロセッサ「STM32MP23」シリーズを、マス・マーケット向けに提供開始したことを発表した。

    同シリーズは、最高125℃までの動作温度範囲と、デュアルArm Cortex-A35コアによる処理性能、さらにAIアクセラレータや高度なグラフィックス機能を統合し、要求の厳しい産業用アプリケーションやIoTエッジコンピューティング、機械学習機器に適したソリューションだ。

    「STM32MP23」は、2024年に発表された「STM32MP25」に続く製品ラインナップとして位置づけられる。最大1.5GHzで動作するデュアルArm Cortex-A35コアに加え、リアルタイム処理や低消費電力タスクに適した最大400MHz動作のArm Cortex-M33コアを搭載している。

    さらに、0.6 TOPS(Tera Operations Per Second)の性能を持つニューラル・ネットワーク・アクセラレータ(以下、NPU)を集積し、エッジ環境での効率的なAI/ML処理を可能にする。

    グラフィックス性能も強化されており、3Dグラフィックス・プロセッサ・ユニットは、OpenGLやOpenCL、Vulkanなどのオープンソース・フレームワークをサポートしている。

    H.264ハードウェアデコーダは最大1080p60の動画再生に対応し、MIPI CSI-2カメラ・インタフェース(4レーン、1Gbps/レーン)も備え、高度なビジュアル処理やリッチなHMIを実現する。

    ネットワーク機能としては、産業用イーサネット規格であるTSN(Time-Sensitive Networking)に対応したギガビット・イーサネットMACを2ポート搭載。さらに、車載ネットワークや産業オートメーションで広く利用されるCAN-FDインターフェースも2つ備えている。

    活用シーンとしては、スマートファクトリーやスマートシティ、スマートホーム環境におけるセンシング、データ処理、データハンドリングなどが挙げられている。

    特に、搭載されたNPUにより、直感的で適応性の高いHMI、カメラを用いた視覚インタラクション、予知保全といった機能の実装を支援する。

    開発エコシステムの面でも強化が図られており、STが提供するLinuxディストリビューション「OpenSTLinux」のサポート期間が、従来の2年から5年へと延長された。

    また、STによるOpenSTLinuxのメインライン対応へのコミットメントにより、開発者はYocto Project、Buildroot、OpenWRT、OpenSTDroidといった業界標準のフレームワークを利用することができる。

    さらに、「STM32MP23」は3種類のBGAパッケージ「TFBGA361」「TFBGA428」「LFBGA466」で提供され、0.5mmまたは0.8mmピッチから選択可能だ。

    0.8mmピッチのパッケージは、コスト効率の高い4層プリント基板(メッキ・スルーホール)での実装に対応しており、基板設計の簡素化とコスト削減に寄与する。

    なお、3つのパッケージはすべて、既存の「STM32MP25」シリーズとピン配置互換性があり、産業機器向けの温度範囲である-40℃~125℃で動作するとのことだ。

    「STM32MP23」シリーズは現在量産中で、STおよび正規販売代理店から入手可能だ。大量購入時の参考価格は約8.46ドルからとなっている。

  • STマイクロエレクトロニクス、 組込みシステムの量子耐性を強化するポスト量子暗号ソリューションの提供を開始

    STマイクロエレクトロニクス、 組込みシステムの量子耐性を強化するポスト量子暗号ソリューションの提供を開始

    量子コンピュータが研究試験において従来のコンピュータを上回る性能を示し始めるにつれ、量子コンピュータでは解決が難しい数学的問題に基づく新しい技術を活用した、ポスト量子暗号(以下、PQC)を標準化するための新しい政府仕様が登場している。

    こうした中、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、組込みシステムを量子コンピュータの攻撃から保護する、汎用・セキュア・マイクロコントローラ向けのハードウェア暗号化アクセラレータおよび関連ソフトウェア・ライブラリを発表した。

    今回発表された新しいソリューションは、STの32ビットのマイクロコントローラ「STM32」を使用する製品開発者が、X-CUBE-PQCソフトウェア・ライブラリで利用することができ、SHA-3アクセラレータを搭載した車載用マイコンStellarにも利用することが可能だ。

    また、セキュア・マイコン向けにソフトウェア・ライブラリとハードウェアIPも提供している。セキュア・マイコンは、Common CriteriaとFIPS 140-3を対象とし、ML-KEM、ML-DSA、XMSS/LMS(1)PQCアルゴリズムをサポートする。

    STのセキュリティ・プラットフォーム担当ディレクターであるJacques Fournier氏は、「量子コンピュータは多数の分野に利益をもたらすと期待されている一方で、日常的に使用されている機器において、現在の暗号技術のいくつかは無効化される可能性がある。STは、耐量子機能を製品ポートフォリオ全体に組み込んで、すべての顧客向けに、必要なすべてのセキュリティレベルにおいて提供する。」と述べている。

    なお、今回発表されたポスト量子暗号アセットはすぐに使用可能で、ファームウェアの更新や、セキュア・ブート、認証メカニズムなど、製品のセキュリティ機能に量子耐性を持たせることが可能とのことだ。

  • STマイクロエレクトロニクス、IoT機器向け超低消費電力を実現するSTM32U3マイコンを発表

    STマイクロエレクトロニクス、IoT機器向け超低消費電力を実現するSTM32U3マイコンを発表

    STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、遠隔地でのIoT機器の展開を簡略化する、低消費電力技術を使った汎用32bitマイクロコントローラ「STM32U3」を発表した。

    同製品は、コイン電池や太陽光および熱電供給源などの環境発電を使用し、低消費電力を実現したマイコンだ。省電力チップ設計とAIツールによる微調整、最大96MHzで動作する最新のArm Cortex-M33コアにより、低消費電力を実現している。

    電力効率は、ベンチマークにおいて117というスコアを達成しているとのことだ。これは、従来のSTM32U5シリーズの約2倍、STM32L4シリーズの5倍の効率に相当するという。

    また、コンピュータのチップが動作するときに電圧をできるだけ低くする技術であるニアスレッショルド技術を活用することで、ICトランジスタをきわめて低い電圧で動作させ、2乗則に比例してエネルギーを節約する。

    なお、ニアスレッショルドの実装には、AIを用いた適応型電圧スケーリングをウェーハ・レベルで使用することで、製造工程でのプロセスのばらつきを補正する。

    セキュリティに関しては、前モデルのSTM32U5シリーズのすべてのセキュリティ機能を引き継いでいるほか、新たに「キーストア機能」を追加した。これにより、秘密鍵を安全に管理できるようになり、外部からの不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減する。

    なお、秘密鍵は、工場出荷時にSTが直接チップに埋め込むため、ユーザが手動で設定する必要はないとのことだ。

    さらに、「STM32U3」は「カップリング・チェイニング・ブリッジ(CCB)」という新しい技術を使用しており、これによって秘密鍵が物理的およびソフトウェア的に守られる。

    この技術により、万が一チップが不正に解析されても、秘密鍵が簡単には取り出せないようになっている。

    加えて、ハードウェアレベルでの暗号化アクセラレータや、TrustZoneアイソレーション、乱数生成器を搭載しているため、サイバー攻撃に対して強い耐性を持っている。

    なお「STM32U3」には、2つの製品ラインがあり、ハードウェア暗号化アクセラレータを搭載するマイコン、もしくは搭載しないマイコンを選択することが可能だ。

    利用シーンとしては、保守作業なしで長期間の動作が求められるIoT機器で、インフラのメータ、医療機器、動物のケアモニタ、森林火災センサ、産業用センサなどが挙げられている。

    また、スマート・ウォッチ、ウェアラブル機器、ヒアラブル機器などのコンスーマ機器にも適しているとのことだ。

    STの汎用マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャーであるPatrick Aidoune氏は、「この新製品は、ニアスレッショルド電流設計における最近の進歩など、革新的な技術の活用により、動作時電流消費電力を最小限に抑えることで、効率を前世代製品の2倍に高めて、企業のサステナブルな目標達成に貢献する。」と述べている。