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  • シーメンス、自律生産を推進する無人搬送車向けのAIとロボティクス機能を発表

    シーメンス、自律生産を推進する無人搬送車向けのAIとロボティクス機能を発表

    シーメンスは、自動化とロボティクスの主要展示会「AUTOMATICA」にて、無人搬送システムおよび移動ロボットへ「Operations Copilot」を統合する計画を発表した。

    「Operations Copilot」は、機械の操作と保守のための産業用コパイロットだ。 人とロボットをつなぐユーザインターフェースとしての役割を果たす。

    このエージェントベースのインターフェースを通じて、ユーザは自律走行搬送ロボット(AMR)や無人搬送車(AGV)の設定を行い、工場内での資材や物品の搬送などのタスクを割り当てることが可能になる。

    今回、「Operations Copilot」の機能を拡張する計画で、これらのエージェントは、個々の車両および車両群全体の立ち上げと運用の両方をサポートする。

    特に立ち上げ時の、AGVを工場の既存のITおよびOTインフラストラクチャーに統合する業務や、走行ルートや受け渡しステーションなどの特定の条件に合わせて設定するといったタスクを効率化するための活用が想定されている。

    具体的には、AGVのセンサとカメラを利用して、周囲環境の詳細な把握が可能となる。

    「Operations Copilot」は、エージェントインターフェースを通じて、設置されたコンポーネントの関連技術文書すべてにアクセスし、システムのリアルタイムデータを取得することができる。

    また、車両速度のフェールセーフ監視を可能にし、安全レーザスキャナの保護領域をリアルタイムで動的に調整するソフトウェア「Safe Velocity」も新たに発表された。

    このソフトウェアはTÜV認証済みで、様々なAGVメーカのハードウェアおよびソフトウェアと互換性があり、産業安全規格に適合するよう既存の安全システムを強化する。

    シーメンス、自律生産を推進する無人搬送車向けのAIとロボティクス機能を発表
    「Safe Velocity」が自律走行車両のフェールセーフ速度監視を行っているイメージ

    さらに、AGVやAMRアプリケーション向けに設計された他のエージェントと連携することが可能とのことだ。

    将来的には、「Operations Copilot」が「Safe Velocity」などのAIエージェントと連携し、安全レーザスキャナからの特定データを分析することを目指すという。

  • SiemensとNVIDIA 、製造業におけるAI機能強化へ向けパートナーシップを拡大

    SiemensとNVIDIA 、製造業におけるAI機能強化へ向けパートナーシップを拡大

    SiemensとNVIDIAは、グローバルな製造業向けに、産業用AIを牽引する事業提携を強化すると発表した。

    今回の協業で、NVIDIAのAIとアクセラレーテッドコンピューティングを、Siemens Xceleratorプラットフォームおよび製品と接続し、AIを活用した未来の工場の実現を目指す。

    両社はすでに、2022年にSiemens Xceleratorポートフォリオの技術をNVIDIA Omniverseプラットフォームに接続することで、産業用メタバースを実現するためのパートナーシップを発表している。

    その後、このパートナーシップは、生成 AI、産業用 AI、ロボティクス分野におけるコラボレーションとともに拡大されている。

    今年初めに発表された「Teamcenter Digital Reality Viewer」は、製品ライフサイクル管理に基づく可視化において進化を遂げている。

    これにより、リアルタイムレイトレーシング機能が「Teamcenter」に直接組み込まれ、企業は自社製品のフォトリアルな物理ベースのデジタルツインをシ可視化し、相互作用できるようになり、より迅速かつ情報に基づいた意思決定が可能になる。

    すでに造船会社のHD現代は、この機能を活用して水素およびアンモニア燃料船の可視化を実現しているのだという。生成AIにより設計反復時間を数日から数時間に短縮しながら、数百万の部品をリアルタイムで管理している。

    顧客は、NVIDIA Blackwell GPUとSiemensの計算流体力学ソフトウェア、Simcenter Star-CCM+を組み合わせることで、高速化された仮想シミュレーションとテストが可能になる。

    例えば、NVIDIA BlackwellとNVIDIA CUDA-Xライブラリによって高速化されたSimcenter Star-CCM+ソフトウェアを使用して、BMW GroupとSiemensは、車両全体ジオメトリの過渡空力シミュレーションで30倍の高速化を達成し、エネルギー消費とコストを削減しながら車両の空力シミュレーションを高速化した。

    また、SiemensとNVIDIA は、工場の運営方法も再定義している。NVIDIA GPUに対応した新しいSiemensの産業用PCは、AI搭載の産業用コンピューティングを実現し、熱、ほこり、振動に耐えながら常時稼働が可能だ。

    これらは、AIベースのロボティクスから品質検査、予知保全といった、複雑な産業自動化タスクを可能にし、AIの実行速度を25倍高速化する。

    さらに、AIエージェントがSiemens Industrial Copilotポートフォリオ全体で機能し、人間の介入なしでAIを活用したプロセス全体を実行する。

    なお、Industrial Copilot for Operationsは、製造現場のオペレータに生成AIを提供し、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUを搭載したオンプレミスで動作するように最適化されている。

    また、Operations Copilotは、NVIDIA NeMoマイクロサービスとNVIDIA AI Blueprintを活用し、ビデオの検索と要約を行うことで、製造現場の運用にリアルタイムのAIによる支援を提供し、事後対応のメンテナンス時間を30%削減するとのことだ。

    さらに、製造業者に産業システム全体の360度可視化と、強化されたサイバーセキュリティ運用を提供するために、SiemensはNVIDIAと協力し、NVIDIA BlueField DPU を統合することで、新しいクラスの運用技術(OT)サイバーセキュリティを開拓しているという。

    これは、AI駆動のサイバーセキュリティの実現を目指し、アクセラレーテッド コンピューティングを活用する。

    NVIDIAの創業者兼CEOである ジェンスン フアン氏は、「現代の製造業は、効率と品質の向上、変化する市場ニーズに迅速に対応するというプレッシャーに直面している。Siemensとのパートナーシップは、NVIDIAのAIとアクセラレーテッド コンピューティングを企業に提供し、産業用AIの次なる波に新たな機会を創出する」と述べている。

    一方、Siemens AGの社長兼CEOであるRoland Busch氏は、「AIは製造業とインフラを根本から変革している。過去3年間にわたり、私たちは AI モデルとハイパフォーマンスコンピューティングを産業データとドメインノウハウに統合するために緊密に協力してきた。SiemensとNVIDIAは、あらゆる業界の企業が物理世界におけるAIのスケール効果の恩恵を受けられるように支援している」とコメントしている。

  • シーメンス、産業向け生成AIアシスタント「Industrial Copilot」に予知保全ソリューションを統合

    シーメンス、産業向け生成AIアシスタント「Industrial Copilot」に予知保全ソリューションを統合

    シーメンスは、産業向け生成AIアシスタント「Siemens Industrial Copilot」の機能を拡張し、新たに生成AIを活用したメンテナンスソリューションを統合したことを発表した。

    今回、「Siemens Industrial Copilot」の機能拡張の核となるのは、Microsoft Azureの「Senseye Predictive Maintenance」の機能強化だ。

    生成AIをメンテナンスサイクル全体に導入することで、問題が起きてから対応する従来のリアクティブなメンテナンスから、データ駆動型のアプローチへの移行を支援する。

    具体的には、メンテナンス領域において「Entry Package」と「Scale Package」という二つの主要な機能が提供される。

    「Entry Package」は、AIを活用した修理ガイダンスと基本的な予測機能を組み合わせることで、予知保全の導入を支援する。

    センサデータの収集とリアルタイム状態監視のための限定的な接続性を提供することで、リアルタイムな状態監視を可能にし、リアクティブなメンテナンスから状態基準保全への移行を支援する。

    さらに、AIによるトラブルシューティング機能により、ダウンタイムの削減とメンテナンス効率の向上が期待され、本格的な予測メンテナンスへのステップとなる基盤を構築する。

    一方、「Scale Package」は、包括的なメンテナンス戦略の変革を目指す企業に向けて設計されており、「Senseye Predictive Maintenance」と完全な「Maintenance Copilot」機能を統合している。

    これにより、故障を事前に予測することで設備の稼働時間を最大限に延ばし、AI主導の知見を活用してコストを削減することが可能になるという。

    なお、「Siemens Industrial Copilot」を活用して、エンジニアリングチームが自然言語を使ってプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のコードを生成できるようにすることで、SCLコードの生成を推定60%高速化したのだという。

    また、初期パイロットユースケースでは、メンテナンス用「Industrial Copilot」が平均で25%のリアクティブメンテナンス時間を削減する効果が示されたとのことだ。

    シーメンス デジタルインダストリーズのカスタマーサービス担当CEOであるMargherita Adragna氏は、「予知保全ソリューションを拡張することで、産業界がリアクティブなメンテナンス戦略からプロアクティブなメンテナンス戦略へとシームレスに移行し、ますます複雑化する産業環境において効率とレジリエンスを推進できるようにする」と述べている。

    関連記事:予知保全について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
    予知保全とは?IoT・AIの役割や導入プロセス、メリットや課題・事例を解説

  • シーメンスとアクセンチュア、製造やITの専門家7,000人で構成したビジネスグループを設立

    シーメンスとアクセンチュア、製造やITの専門家7,000人で構成したビジネスグループを設立

    シーメンスとアクセンチュアは、ドイツで開催中のハノーバーメッセ2025にて、アクセンチュア・シーメンス・ビジネスグループを設立すると発表した。

    この専任グループは、グローバル規模で製造やITに関する豊富な経験を持つ専門家7,000人で構成され、顧客企業のエンジニアリングや製造領域への支援体制を強化するものだ。

    シーメンスが持つ製造業におけるバリューチェーンの自動化、IoTソフトウェアプラットフォーム「Siemens Xcelerator」、産業用AI導入の知見に、アクセンチュアのデータやAIに関する知見を組み合わせたソリューションを共同で開発するとしている。

    具体的には、エンジニアリングおよび研究開発モデルの再構築に特化した新たなエンジニアリングサービスを提供する予定だ。

    顧客企業のグローバルエンジニアリング機能センター設立を支援し、ソフトウエア定義型製品の開発を推進する。さらに、モデルベースシステムエンジニアリングの使用を最適化し、自動車メーカを対象とした両社のソフトウェア定義型自動車フレームワークの導入を促進する。

    また、顧客企業が製造工程をリアルタイムで追跡、制御できるよう、新たな製造実行システム(MES)を実装し、その連携と移行を支援する。

    加えて、AIを活用した製造現場の運用や自動化を進めるほか、アクセンチュアのマネージド型の攻撃検知・対応サービスを活用し、OTデバイスおよび重要なエンジニアリング・製造システムに対するサイバー脅威を軽減・防止する。なお、これらのサービスには、アフターサービス、メンテナンス、修理、およびオーバーホールが含まれている。

    さらに、アクセンチュアの製造・物流領域変革サービス部門「インダストリーX」の知見を活かし、顧客企業によるAIエージェントの作成支援や、既存のエージェントや基盤モデルカスタマイズなどを提供する。

    例えば、設計変更が生じた際に、その実現可能性や生産コスト、製品性能への影響をAIエージェントが自動的に検証するといった活用が想定されている。

    これにより、製品開発のリードタイム短縮と生産性の向上が期待されている。

    なお、AIエージェントは、製品ライフサイクル管理(PLM)、産業機器の資産管理・予兆保全、リモート操作といった分野への応用も考えられているとのことだ。

    シーメンスの社長兼CEOであるローランド・ブッシュ氏は、「シーメンスの技術力、データアクセス、ソフトウェア、自動化、インダストリアルAIに関する専門知識と、アクセンチュアのエンジニアリング・製造領域におけるデータ・AI活用の実績を融合させる。これにより、あらゆる業界のお客様がビジネスの中心にAIを組み込み、企業活動全般を強化できるよう支援していく」と述べた。

    また、アクセンチュアの会長兼CEOであるジュリー・スウィート氏も、「エンジニアリングと製造は次なるデジタルフロンティアであり、イノベーションの最前線だ。新グループは、バリューチェーンの自動化、データ、AIを駆使し、製造方法から製品そのものまで抜本的な変革を支援する。シーメンスと共に、効率化、コスト削減、デジタルコア強化を通じて、継続的な事業再構築と新たな価値創造に貢献していく」とコメントしている。

  • シーメンス、マイクロソフトとの連携によりIT/OT統合を加速

    シーメンス、マイクロソフトとの連携によりIT/OT統合を加速

    シーメンスは、情報技術(以下、IT)と運用技術(以下、OT)の統合を支援するオープンデジタルビジネスプラットフォームである「Siemens Xcelerator」において、マイクロソフトとの協業を拡大することを発表した。

    今回の協業により、「Siemens Industrial Edge」と「Microsoft Azure IoT Operations」を組み合わせ、生産ラインからエッジ、クラウドへとデータを統合する。

    「Siemens Industrial Edge」は、OTの領域に属し、エッジデバイスを一元的に管理するシステムだ。接続されている全デバイスの状況を監視し、エッジアプリや各種ソフトウェア機能を特定のエッジデバイスにリモートでインストールすることができる。

    一方「Microsoft Azure IoT Operations」は、マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるAzure上で提供される、産業用IoT向けのサービス群だ。ITの領域に位置し、クラウドベースでデータの統合や分析を行う。​

    今回、両製品の統合により、​エッジからクラウドへデータ統合し、AIやデジタルツインを活用した適応型生産を支援する。

    シーメンス、マイクロソフトとの連携によりIT/OT統合を加速
    「Siemens Industrial Edge」と「Microsoft Azure IoT Operations」の連携概要

    また、Siemens Industrial AIポートフォリオとAzure Machine Learningサービスを組み合わせることで、クラウドでAIと機械学習のモデルをトレーニングし、エッジにより低遅延で実行することができる。

    そして、「Siemens Industrial Edge」から「Azure IoT Operations」と「Azure Cloud Services」に提供されたデータを使用して、デジタルツインを構築することができる。

    このコラボレーションにより、生成AI機能を備えた実稼働データを使用して、従業員のスキルと業務を強化することも可能とのことだ。

    さらに、「Siemens Industrial Copilot for Operations」が、オペレータの自然言語によるクエリを通じて、問題のトラブルシューティングや機械情報へのアクセスを支援する。

    シーメンスのファクトリーオートメーションのCEOであるレイナー・ブレム氏は、「シーメンスとマイクロソフトは、インフラストラクチャー、データ、およびアプリケーションの統合と管理の負担を軽減することで、産業顧客の複雑さを軽減している。これにより、オートメーションソリューションを機械、ライン、工場全体に展開して拡張することが容易になり、機械のパフォーマンスが向上し、メンテナンス時間が短縮された。」と述べている。

  • シーメンス、アルテアエンジニアリングを買収し産業用ソフトウェアとAIを強化

    シーメンス、アルテアエンジニアリングを買収し産業用ソフトウェアとAIを強化

    シーメンスは、産業用シミュレーションおよび分析市場におけるソフトウェアの大手プロバイダーであるAltair Engineering Inc.(以下、アルテア)を買収する契約を締結し、産業用ソフトウェアにおけるリーダーシップを強化すると発表した。

    具体的には、アルテアの機械および電磁気機能に強みを持つ補完的なシミュレーションポートフォリオを追加することで、包括的なデジタルツインを強化し、オープンデジタルビジネスプラットフォーム「Siemens Xcelerator」の一部として、物理ベースのシミュレーションポートフォリオを提供する。

    また、アルテアのデータサイエンスとAIを活用したシミュレーション機能により、設計の反復を支援する。

    さらに、アルテアのデータサイエンス機能により、製品ライフサイクルと製造プロセスにおけるシーメンスの産業分野の専門知識を引き出すとしている。

  • シーメンスとマイクロソフト、デジタルツイン定義言語をW3C Thing Description Standardに統合

    シーメンスとマイクロソフト、デジタルツイン定義言語をW3C Thing Description Standardに統合

    シーメンスとマイクロソフトは、W3Cコンソーシアムとの協力により、デジタルツイン定義言語「DTDL」を、国際標準化団体であるW3CのThing Description Standardに統合する取り組みを発表した。

    今回、双方の言語を統合することで、ユーザに一貫したモデリングエクスペリエンスを提供することができるようになった。

    マイクロソフトのデジタルツイン定義言語は、Azureサービスによる物理世界のモデリングを可能にし、W3C Thing Description Standardは、デバイスインターフェースの相互運用可能な表現と、標準的な業界オントロジーの組み込みを提供する。この二つの言語は、コンバージェンスの初期段階において、多くの概念的な共通性を示した。

    なおシーメンスは、ビル管理、配電、スマートグリッドなど、将来の製品向けに、すでに新しいW3C Thing Description Standardを推進しているとのことだ。

    シーメンスのスマートインフラストラクチャー事業最高技術責任者であるトーマス・キースリング氏は、「DTDLとW3C Thing Descriptionのような、非常によく似た2つのデジタルツイン言語の融合は、お客様が特定のIoTプラットフォームにとらわれずに物理世界を定義できるようにするために不可欠なことだと考えている」と述べている。

    一方マイクロソフトのAzure Edge and PlatformチームのChief Architect Standards, Consortia and Industrial IoTのErich Barnstedt氏は、「デジタルツイン定義言語を発明し、その仕様と実装例をオープンソース化して以来、私たちはそれをW3Cのようなコンソーシアムを通じて標準化する計画だった。そのため、シーメンスとの緊密なパートナーシップのもと、DTDLをW3C Thing Descriptionと統合することは、デジタルツインを産業界に普及させる段階への移行においてごく自然なステップだと捉えている。」とコメントしている。

  • サステナブルデジタルエンタープライズを推進するシーメンス ーハノーバーメッセ2024レポート3

    サステナブルデジタルエンタープライズを推進するシーメンス ーハノーバーメッセ2024レポート3

    ハノーバーメッセレポートの第三弾は、シーメンスのブースから。

    持続可能性を全面に打ち出したシーメンス。この間、製造業は生産拠点をオフショアに移していた数十年だといえるが、昨今のサプライチェーンの問題や、地政学的なリスクなどの中で、現在生産現場の国内回帰が進んでいる。

    特に半導体などは顕著だ。

    そういった背景の中、単純な製造機器の展示ではなく、データをどう活用するか、AIを使った予測や生成AIやメタバースを使った新しい取り組みなどを、コアテクノロジーと産業分野別ソリューションという形で両方展示していた。

    また、そういう取り組みを通してサステナビリティも実現するとしていた。

    インダストリアルメタバースを実現する、ヘッドマウントディスプレイ

    シーメンスの新しいヘッドマウントディスプレイ
    シーメンスの新しいヘッドマウントディスプレイは、メガネをかけていてもかなり鮮明にみることができた

    まずはコア技術から。

    CES2024でも発表された、ソニーと共同で開発したヘッドマウントディスプレイが展示されていた。

    MXでつくられた3DCADを用いて、よりわかりやすく実物に近い形でのデジタルツインを再現しているものだ。

    コントローラーが変わっていて、リング型のコントローラーと枝のようなコントローラーを使って操作する。

    近い将来、発売される予定ということだ。

    マイクロソフトと提携した産業向けAI

    シーメンスは、Siemens Industrial CoPilotを提供開始を発表。幅広く産業に浸透させるため、シーメンスとシェフラーは覚書を締結した。

    また、社内外のデータを参照することで、次に何をすべきなのかということを教えてくれるのだという。

    また、マイクロソフトとの提携により、PLMのTeamcenterとマイクロソフト Teamsの統合が始まることで、産業用メタバース実現への道がさらに開かれる。

    これにより、複数の業務部門を横断した、設計エンジニア、現場作業員、およびその他のチームのバーチャルコラボレーションが簡略化されるとした。

    産業を軸に、垂直統合型の展示をすることで、その業界でできることを明確化

    これまでシーメンスの展示というと、PLCのコーナー、PCのコーナー、CADのコーナー・・・といった感じで、製品軸で区切られていた。

    しかし、今回の展示では、産業を軸に「その業界でできること」を明確に打ち出していた。

    現場の足回りからクラウドサービスまでさまざまなソリューションをもつシーメンスでは、こういった展示をした方が見やすいのだろう。

    一例を挙げると、ドイツではビール工場が多いのだが、そこで使われるMESのソリューションが展示されていた。

    シーメンスは産業別のソリューションを展示、食品につては、ビールのブルワリー向けMESが展示されていた
    シーメンスは産業別のソリューションを展示、食品につては、ビールのブルワリー向けMESが展示されていた

    このソリューションは、ソフトウエアでビールの醸造をコントロールするものだ。単なるMESの機能だけでなく、データを可視化するなど、生産パッケージのような仕立てとなっている。現場では、1500ものコントローラーがあるのだが、それを制御しながらビールを作るのだという。

    また、ここでいうデータは、ビール製造に関わるものだけでなく、エネルギーの使用容量なども可視化できるということだ。

    他には、自動車産業の分野では、デジタルツインを活用したデータドリブンな製造による、品質を損なわずに生産性を高める取り組みを、半導体産業の分野でもデジタルツインとバリューチェーン全体を横断した最適化のソリューションを展示していた。

    パートナーと共に、競争軸を意識したソリューションを展開

    最後に、シーメンス株式会社 代表取締役社長兼CEO 堀田邦彦 氏にお話を伺うことができた。

    シーメンス株式会社 代表取締役社長兼CEO 堀田邦彦 氏
    シーメンス株式会社 代表取締役社長兼CEO 堀田邦彦 氏

    ー今回のハノーバーメッセに関する所感を教えてください。

    堀田氏: 今回日本の企業の参加がすくなかったと感じました。日本の製造業のことについていうと、シーメンスはクラウド化やDXを日本で進めていますが、その中で、日本企業は実行力がすばらしいと感じています。これは、ドイツやアメリカなどと比較しても日本は優れていると思います。

    ー今回のメッセは、プロダクトの展示というより経営者向けのメッセージになっていると感じたのですがその点いかがですか?

    堀田氏: インダストリー4.0からはじまり、DXは以前から始まっていました。当初、試作段階だったものが、現在では実際の生産現場で実行されるの状況となってきたと思います。さまざまなソリューションに関しても、みなさんが使える状況になってきていると思います。

    ーシーメンスは川上から川下まで製品やソリューションのラインナップがありますが、パートナー企業との取り組みをどう考えていますか?

    堀田氏: いろんな組み方があると思います。シーメンスは、ITとOTの両方をやっているので、ITであればパートナーにはいろんなサービスを提供していただく、パッケージ化、商品化してタッグを組む取り組みが考えられます。一方、ハードウエアについては、まだまだだという感触ですので、ぜひハードウエアを売っていただくパートナーがもっと増えてほしいと思います。

    ー今回、産業軸でパッケージされている展示が見られましたが、今後産業向けソリューションを展開していく予定があるのでしょうか?

    堀田氏: その予定があります。ソリューションはスケーラブルでないといけないと考えております。一件ずつカスタマイズやチューニングを行うのもよいのですがが、基本的な部分は共通化してソリューションとして利用し、クリエィティブな部分で競争すべきだと思います。

    ーありがとうございました。

  • シーメンス、産業用メタバースで働き方、くらし方の変化を加速 ーCES2024レポート1

    シーメンス、産業用メタバースで働き方、くらし方の変化を加速 ーCES2024レポート1

    CES2024、幕開けとなるPreShow Keynoteに登壇したのはSEIMENSだ。

    毎年9月にベルリンで開催される国際家電見本市のIFAでは家電メーカーとして存在感を発揮しているが、今回のキーノートでは家電に関する話題は皆無だった。

    今回、CEOのRoland Buschが登壇し、AIを活用したIndustrial Metaverse(産業用メタバース)をテーマに複数の領域でのソリューションを紹介した。

    人にメリットを生むIndustrial Metaverse

    そもそも、産業メタバースとはどういうことだろうか。

    Industrial Metaverseは現実世界とデジタル世界を融合し現実を再定義するイノベーションで、IoTNEWSの読者の皆さんには馴染みがあるデジタルツインの進化系と捉えると良いのかもしれない。

    もう少し要点を明確にすると、デジタルツインはクラウド、AIのみで完結するケースも多いが、Industrial Metaverseは人がリアルと同じように活用できる空間と位置付けられている。この定義によって業務におけるメタバース活用が大きく拡がっていく可能性を感じた。

    メリットとして、開発期間や検証コストなど、企業にとって様々な事業インパクトがあることはもちろんだが、今回は企業に勤める技術者などの利用する人、そして最終的なエンドユーザーのメリットに着目したものになっていた。

    そこがCESならではのポイントではないだろうか。

    働く人たちを支援するIndustrial Metaverse

    Siemensのローコードアプリケーションプラットフォームmendix
    Siemensのローコードアプリケーションプラットフォームmendix

    まずは企業に勤める技術者のイノベーションにつながる事例だ。

    SiemensのローコードアプリケーションプラットフォームmendixはAWSとの融合で、AWSが持つ様々なデータを活用し、手段や新製品のアイデアの提案が可能となった。ローコードな上に、アウトプットやアプローチのアシストが加わったことで、エンジニアだけでなくプランナーやデザイナーの大きな支援となるものだ。

    恐らく今回最も注目されたソリューションが「ソニーの新型XR ヘッドマウントディスプレイとコントローラー」ではないだろうか。

    Industrial Metaverseの説明を聴きながら、個人的にイメージしていたものに近かった活用方法がこれだ。

    [su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=jiikr42fQUE” width=”200″ height=”200″ title=”ソニーの新型XR HMDとコントローラー”]

    このソニーのデバイスを活用し、Industrial Metaverseで仕事をすると、デザインのしやすさ、仲間との共同作業、そして検証が大幅に効率化される。

    コントローラーの工夫も見逃せない。リング型のコントローラーはシンプルにメタバース上のオブジェクトの単純操作ができ、ポインティングコントローラーはメタバース上の空間点を詳細に指定できるようになっている。

    さらに、コントローラーをシンプルにしたこと、HMDのディスプレイ部分がフリップアップできるため、現実世界のPCとの併用や連動も容易だ。

    デザインの修正はPCのCADでしたい、ただ検証はプロトタイプ製品としてリアルと同様に確認できるメタバース上でやりたい、というようなニーズに応えるものになっていた。

    生活者に幸せを生むIndustrial Metaverse

    さらに、Industrial Metaverseの生活者へのメリットについても具体事例を3つほど紹介していた。

    スペインのBlendhub社は食品を粉末にする加工工場を移動可能にしたイノベイティブな企業だ。

    この移動可能な食品加工工場をどこに配置し、どのような粉末食品を生産するかというところにIndustrial Metaverseを活用する。ポイントは食材の原材料と、それ以上に重要なのが配送先までの輸送だ。これらのデータを基にどこに加工工場を設置するとベストなのかを明らかにして、特定の栄養素が足りていない人たちの健康支援を実現している。

    Blendhubの移動可能な食品加工工場
    Blendhubの移動可能な食品加工工場

    続いて義肢を制作しているUnlimited TomorrowのCEOが登壇。

    まさに先に紹介したソニーのデバイスの活用が期待される領域のように、Industrial Metaverseによって義肢の制作に関わる様々な人たちと多様なデータが共有可能となるため、一人ひとりの体にぴったりのものであることはもちろん、デザインや素材のカスタマイズの幅がどんどん拡がっていく。

    「もうちょっとこんな色だったらいいのに」「ホントはこういう感じで動くと良いのにな」といった義肢を必要としている人たちが実は諦めていたことを次々と実現できるようになるということだ。

    様々なデザインの義肢
    様々なデザインの義肢

    最後にSiemens Healthineersの腫瘍学研究チームのPresidentのAshley Smithが登壇し、ガン治療と治療計画について説明をした。

    AIはガンを発見するだけでなく、適切な場所への放射線治療を可能とするが、特に重要なことは一人ひとりに合わせた治療計画だという。

    治療計画の策定にはさまざな検査結果など分析し、非常に時間を要していたが、Industrial Metaverseによって、短期間でパーソナライズした治療計画の提案が可能となるという。

    最後にRoland BuschはIndustrial Metaverseは、各産業の進化を加速させ、人々の想いに応えるものだ。より大きな課題を解決していきたいと語った。

  • ソニー、XRヘッドマウントディスプレイを備えた没入型空間コンテンツ制作システムを開発

    ソニー、XRヘッドマウントディスプレイを備えた没入型空間コンテンツ制作システムを開発

    ソニー株式会社は、4K OLEDマイクロディスプレイやビデオシースルー機能を搭載したXRヘッドマウントディスプレイと、3Dオブジェクトの操作に最適化したコントローラを備え、空間コンテンツ制作におけるクリエイティブ作業に対応する没入型空間コンテンツ制作システムを開発した。

    今回発表された空間コンテンツ制作システムは、4K OLEDマイクロディスプレイや独自のレンダリング技術を搭載しており、3Dオブジェクトの質感や人の表情までリアルタイムかつ高精細に表現することができる。

    また、レンダリングの負荷をPCとヘッドマウントディスプレイで分散するスプリットレンダリングに対応し、3D制作ソフトウェアで扱うデータサイズの大きい3Dモデルを、高精細で安定的に描画することができる。

    なお、スプリットレンダリングは、有線および無線によるテザー使用時で、対応するアプリケーションでのみ使用可能だ。解像度やリフレッシュレート、表示可能な色域などはアプリケーションにより異なるとしている。

    また、合計6つのカメラおよびセンサによるビデオシースルーおよび空間認識機能に加え、仮想空間のオブジェクトを直感的に操作できるリング型コントローラと、空間内で精密な指示を可能にするポインティングコントローラを使用することで、ヘッドマウントディスプレイを装着したまま、キーボードを併用した作業が可能だ。

    ソニー、XRヘッドマウントディスプレイを備えた没入型空間コンテンツ制作システムを開発
    左:リングコントローラーによる直感的な操作イメージ 右:ポインティングコントローラーによる正確な空間点の指定イメージ

    加えて、デバイスの重心バランスの調整や、頭部に直接触れるパッド部分の素材や形状を最適化しているほか、前面のディスプレイ部分のフリップアップ機構によって、ヘッドマウントディスプレイ全体の着脱による各種調整の手間を最小限に抑えている。

    ソニー、XRヘッドマウントディスプレイを備えた没入型空間コンテンツ制作システムを開発
    左:デバイスの重心バランスが調整されている様子 右:ディスプレイ部分のフリップアップ機構

    なお、プラットフォームにはQualcomm Technologies, Inc.製の最新XRプロセッサである「Snapdragon XR2+ Gen 2」を採用している。

    今後は、エンタテインメント領域や工業デザインを含む、さまざまな3D制作ソフトウェアへの対応を予定しており、第一弾としてシーメンス社と協業し、同社のオープンデジタルビジネスプラットフォーム「Siemens Xcelerator」のソフトウェアを使用した、新しいソリューションを導入する。

    このシステムは2024年中の発売を予定しており、詳細な発売日・地域・価格・販路・仕様・各ソフトウェアの対応状況は、今後ソニーおよび各パートナーより発表されるとのことだ。