タグ: サムスン(Samsung/三星)

  • 「AIホーム」競争勃発。「家事ゼロ」は実現するか ーCES2026レポート5

    「AIホーム」競争勃発。「家事ゼロ」は実現するか ーCES2026レポート5

    CES2026レポートの第5弾は、AIホームについて。

    会場で、ロボットの格闘やマラソンが注目を集める一方、もう一つの主役として存在感を増していたのが「AIホーム」だ。

    ここで言うAIホームは、単に家電にAI機能が付いたという話ではない。

    家の中の機器・サービスを束ね、状況を理解し、段取りを組み、実行まで持っていく「生活のOS」を誰が握るのか?

    ポイントは、AIホームが「家電単体の進化」ではなく「家庭内の統合」が命題になっていることだ。

    以前からあるスマートホームの失敗は、機器の性能不足よりも「つながらない・設定が面倒・思った通りに動かない」といった使いずらさに起因するといえる。

    一方で、AIは、そのストレスを吸収できる可能性があるが、逆に言えば、設計を誤ると「便利そうに見えて、信用できない家」を量産してしまうことになりかねないのだ。

    「スマートホーム」から「コンパニオンホーム」へ

    象徴的だったのはサムスンだ。

    CES期間中にWynnで開催した自社イベント「The First Look」において、「AI Companion」というビジョンを掲げ、AIを単体機能ではなく、テレビ、家電、サービス体験をつなぐ基盤として位置付けた。(トップ画)

    要点は、ユーザーが毎回操作を指示するのではなく、家が先回りして提案・調整していくという世界観にある。

    この「コンパニオン化」は、UIが変わるだけでなく、プロダクトの評価軸を変える。

    冷蔵庫やテレビのスペック競争ではなく、「家庭内の多様な家電をまたいで一貫した体験を作れるか」が勝負になるのだ。

    つまり、AIホームは「製品」ではなく「統合体験」の市場になりつつあるといえる。

    LGは「Zero Labor Home」で生活の段取りを描く

    一方、同じ方向性を、別の言葉で語ったのがLGである。

    LGは「Zero Labor Home(家事ゼロの家)」を掲げ、AI搭載ホームロボット「LG CLOiD」をCESで披露した。

    CLOiDはAIとビジョン技術を用い、料理や洗濯などの家事タスクに関わりつつ、ThinQエコシステムと連携して家庭内を自動化する。

    CES2026 LG CLOiD

    ここで重要なのは、ロボットそのものの器用さではない。

    家事の価値は「秒速で片付く」ことも大事だが、「失敗せず、止まらず、いつの間にか終わっている」ことの方がもっと大事だ。

    LGの提案は、ロボットを「家の中で動く端末」として使いながらも、家電やサービスを連携して家事を工程化し、段取りそのものを自動化していく、という発想に近いといえる。

    AIホームは3層でできている

    こういった、AIホームを構造的に理解する場合、3層に分けるとわかりやすい。

    1. デバイス層:鍵・照明・空調・家電・カメラなどの実機
    2. 接続層:MatterやWi-Fi、Threadなど「つながるための言語」
    3. 司令塔層:シーンやルールを統合し、タスクを統合するオーケストレーション

    CES2026で起きているのは、3.司令塔層を、AIによって再定義し直す動きだ。

    従来のスマートホームは、アプリでルールを作り込み、例外があるたびに人がメンテする「お手製の自動化」だった。

    これを、自然言語と状況理解で「ルールを作らずに回す」方向へ寄せられるかどうかが、AIホームが実用的になるかどうかの分かれ目とになる。

    AIホームの本丸は「実行力」

    しかし、司令塔が賢いだけでは足りない。

    本当に便利さを体感できるには、家中のデバイス、鍵や照明、空調、家電、カメラ、エンタメまで横断して、いい感じで「実行」できることが必要となるだろう。

    初代Alexaが登場して以来、Amazon Echoなどの、スマートスピーカーにさまざまな家電製品をつなぐ動きはあったが、「XXをやって」と人が言う指示をあらかじめ設定した内容に基づいて、家電が実行するに過ぎなかった。

    しかし、AIホームでは、もっと自然に家事をやってくれる必要がある。その本命が「音声」なのかどうかは疑問が残る。

    なぜなら、筆者は、音声によるショッピングも、音声による家電の操作も現状それほどうまくいっているわけではないと感じるからだ。

    冷蔵庫に向かって、手が塞がっている時に、「閉めて」と指示することはできても、一方で、夜寝る時「電気を消して」と指示した時、電源タップをオフにしてしまい、本来、夜間でも通電しておいて欲しかった水槽の濾過フィルターが止まってしまったことで、魚が死んでしまった。と言う事例もあるという。

    つまり、人間がやってほしいことを指示の裏側まで類推して、何らかの処理を行わなければ、一つ一つの処理連携を人間が設定していかない限り、スマートライフは実現しないということになる。

    まずはこの辺りが解決されることが喫緊の課題と言えるが、その他にも、統合が進むほど「囲い込み」も強まるという点も問題となる。

    司令塔が一つに集約されるほど、便利さは増すが、乗り換えコストも上がる。

    AIホームは「便利な自動化」と「囲い込み」の境界が曖昧になりやすい。

    だからこそ、第二層におけるオープンな接続(標準化)と、透明なデータ設計が、普及の鍵になる。

    Matterが現実を動かす

    AIホームの理想が膨らむほど、現実の制約は「相互運用性」に集約されるだろう。

    メーカーごとに囲い込まれた世界では、AIが段取りを組めたとしても、それぞれのデバイスを実行できないからだ。

    そこでCES2026で目立ったのが、Matter対応の拡大だ。

    例えば、AqaraはUWB(超広帯域)を用いたスマートロック「U400」を発表し、Matter認証済みでAliro対応であることを表明していた。そして、スマホをカバンに入れていれば、ハンズフリーでも解錠できるという体験を実現したのだ。

    CES2026 aqura U400

    スマートロックがMatter対応となり、生活者が活用しようとした時、それを制御するアプリは、他のMatter対応のデバイスを連携して動かすことができる。

    つまり、Matter対応のデバイスが増えれば増えるほど、なにかのデバイスを家に導入したら、他のデバイスと連携して動くという「スマート」な体験を生み出すことが容易になるということだ。

    もう少し掘り下げると、Matterの価値は、単に「対応デバイスが増えた」という話ではないということが重要になる。

    本質は、メーカーごとの「つながり方」を吸収し、連携の運用コストを下げる点にある。

    従来のスマートホームは、機器を増やすほどアプリと設定が増え、家庭内の状態が分断されていった。

    結果として「便利そうに見えるが、維持できない」「家族が使えない」という壁にぶつかる。

    Matterはここを、共通言語で揃えることで、家庭内の統合を実現しようとしている。

    つまり、スマートホームが「作って終わり」ではなく、「運用できる状態」へ近づくための土台が整い始めたと言えるのだ。

    ここでつながる価値が最も分かりやすく表現されていたのが、AgeTechの領域で、とりわけ転倒検知のようなソリューションはわかりやすい。

    転倒検知そのものは、これまでも、ウェアラブルデバイスやミリ波レーダー方式など多様な方式が登場しているが、重要なのは検知した後に家がどう動けるかである。

    たとえば転倒をトリガーに、照明を明るく点灯し、家族へ通知、必要なら玄関の解錠や来訪者への一時キー付与まで実現できれば、見守りデバイスは、単なる通知機能を備えたモノから「実行力のある支援ができるモノ」に変わる。

    この文脈で言うと、前述したスマートロックがMatterで繋がる価値が変わって見える。

    家の「鍵」との連携方式が標準化されれば、AIホームは家庭内だけで閉じず、家族・介護・配送・保守といった外部の人間も含めて、権限をコントロールしながら安全に連携できる。つながることで価値が生まれるのは、まさにこの「実行の連鎖」が成立する瞬間なのだ。

    スマートホームの入口として、何らかのMatter対応機器を取り入れたら、そのコントロールアプリが他のデバイスとも繋がることで、AIホームをコントロールする管制塔の役割を果たすようになるきっかけとなるのだ。

    キッチンが次の戦場になる

    さらに、CES2026を見ていると、キッチン(特に冷蔵庫)もAIホームの主戦場になりつつあることがわかる。

    食材在庫や献立提案は、家庭内データの価値が高く、AIが介入しやすい領域だ。

    CES2026 Hisense

    Hisenseのキッチン家電は、単に何かの処理をするということだけでなく、生活のリズムをデータ化し、生活のシーンを先回りしてくれるための準備を進めている。

    空気環境の調整、料理の提案(食事の組み合わせ提案)など、タスク別のAIエージェントがユーザーの習慣を学習して、家のルーティンを自動化する役割を果たすというのだ。

    ただし、ここで問われるのは、「AIの賢さ」よりも「その機能の必然性」と「データの扱い」である。

    AIの反動、便利さの裏で信頼が問われる

    AIホームが進むほど避けられないのがプライバシーと監視の問題だ。

    会場の参加者と話したところ、AI冷蔵庫やAmazon Ringなどの、AI監視機能がプライバシー面で辛いと感じる人も少なくはなかった。

    AIホームは、生活データ(映像、行動パターン、健康情報)と切り離せない一方で、監視されている気がするのは心地よくない。

    つまり、ここでユーザーが求めるのは「賢さ」だけでなく、「情報のコントロールの可能性」なのだ。

    クラウド化は必須か?ローカル動作はどこまでか・データの保存先と利用目的、家族・来客の権限管理、そして失敗時にどう戻すか?

    こういったプライバシーに関係する事柄が曖昧なままAIだけが前面に出ると、反発は強まるはずだ。

    重要なのは「繋がり方と信頼、泥臭さ」

    家庭に入る技術は、購入できる価格と運用できる信頼がなければ広がらない。

    ロボット掃除機やスマートロックなど、すでに生活導線に入り込んだカテゴリがある。

    ここにAIが「上乗せ」されるとき、「体験の一貫性」が生まれ、「失敗しない自動化」が実現されることが必要なのだ。

    CES2026は、AIホームが「夢のコンセプト」から「実現」へと移り始めた年だったといえる。

    ただし、そのOSが家庭に根付くかどうかは、賢さではなく、つながり方と信頼、そして実装の泥臭さで決まるのだ。

  • サムスンが描く「AIリビング」 ーCES2026レポート1

    サムスンが描く「AIリビング」 ーCES2026レポート1

    毎年、年初にラスベガスで開催されているCES。IoTNEWSでは、AIによる変化を中心にレポートしていく。

    今年最初のレポートはサムスンから。

    今回、サムスンはCES会場とは別のWynnホテルに「First Look」と題された、自社コーナーを構え講演や展示を行っている。

    講演で語られたのは、AIによる生活の変化だ。

    テレビ、冷蔵庫、洗濯機・・・「もう進化は頭打ち」と思われていた家電に、AIが再び変化を持ち込もうとしている。

    「本当にそれ、必要なの?」とも感じるような、家電製品の未来を語るムービーが多くある中で、AIによって「家電の未来」はどこまで現実になりつつあるのか。

    今回のサムスンの講演と展示において、AIが「言われたことをこなす道具」という枠組みを脱却して、「リビングの仲間」へと変化した具体的な姿を見ることができた。

    では、実際、年間約5億台ものデバイスを出荷するサムスンが、モバイル、テレビ、家電、ウェアラブルのすべてを「One Samsung」として統合し、AIをその中核に据えたことで、私たちの日常はどう変わるというのだろうか。

    本稿では、今回の講演で語られた「AIによる生活の変化」そして、具体的な展示の内容からそこを紐解いていく。

    「没入」と「パーソナライズ」が変えるエンターテインメント

    まずはテレビだ。これまでのテレビは、画質の良さを競う「ディスプレイのスペック競争」としての側面が中心だった。ここにもAIは使われているが、直接的に体験を大きく変えたという印象を持つ人は少ないだろう。

    その後、インターネットテレビが普及し、テレビ番組とサブスク動画、YouTubeなどが並列に並べられるようになり、利用者はより多くのコンテンツをテレビで楽しむことができるようになった。

    テレビのAIといえば、Alexaなどの音声アシスタントによる操作がまず思い浮かぶだろう。これによりボタン操作からも解放されたことを思い浮かべる読者も多いのではないだろうか?

    そんな中、サムスンの発表は大きく体験を変えると思わせる機能だった。

    視覚と聴覚の新たな体験

    今回の講演で、世界初の130インチ Micro RGB TVを発表したサムスン。

    CES2026 サムスン Micro RGB TV

    このテレビは、単なる巨大な画面であるというだけではなく、これまでにない純粋で鮮やかな色彩を実現したという、ディスプレイの進化だが、真の革新は、その内側にある。

    「Vision AI Companion (VAC)」 と呼ばれるAIエンジンが、画面上の映像のリズムを読み取り、ユーザーが今何を求めているかを予測して、体験を最適化するというのだ。

    具体的な生活の変化として興味深いのは、スポーツ視聴の例だ。

    AI Sound Controller Pro(観客・解説・BGMの音量を分離制御)により、「解説者の声だけを消してスタジアムの熱狂に浸る」、あるいは逆に「周囲の騒音を消して解説に集中する」といった選択が初めて可能になった。

    講演では実際に、音声指示を行うことで、実演された。

    下の動画を音声をオンにしてみて欲しい。左下に音声指示をしているのが表示される。

    ① 観客の声をミュート(解説者の声が相対的に強調される)
    ② リセット
    ③ 観客の声を大きく(臨場感が増す)

    この指示の後、実際に観客の音声が小さくなったり大きくなったりするのがわかる。

    [su_youtube url=”https://youtu.be/a3RBCkLsLn4″ width=”200″ height=”200″ title=”サムスンのAIテレビ”]

    これは、AIが音の文脈を理解し、個人の好みに合わせて音響を編集することができる時代が到来したことを意味している。

    7年間のOSアップグレード保証

    さらに、サムスンは2026年モデルから7年間のTizen OSアップグレード提供を打ち出した。

    通常、テレビは一度購入したら古くなるまで使って、また新しいものに変えるのが当たり前だった。

    しかし、AI技術は、日々進化している。

    そこで、スマートフォンのように、AIの進化に合わせてテレビもアップデートされ、賢くなり続けることができるということだ。

    つまり、これまでテレビは購入後年数が経てば「古く」なっていたモノだが、今後は「共に成長する」モノになるという、大きなパラダイムシフトが実現されたと言える。

    「家事の解放」と「インテリジェントなキッチン」

    次に冷蔵庫だ。

    冷蔵庫といえば、冷蔵庫の中をカメラで捉え、何が入っているかを認識する冷蔵庫や、タブレットがドア面に設置され、レシピが見られたり、エンタメ要素を楽しめたりといった進化が、これまでの主流だった。

    しかし、今回のサムスンの講演ではAIによって家事のストレスを軽減することに成功した。

    Google Geminiとの融合によるキッチン革命

    まずは、性能の改善からだ。「AI Vision Inside」という、庫内を「見る」技術が、Google Geminiと統合された。

    Geminiの画像認識力を知っていれば、イメージしやすいが、これはかなり正確だ。

    このことで、冷蔵庫はこれまで以上に冷蔵庫の中身を正確に把握することができるようになるだろう。

    AIが食品ラベルを読み取り、テキストと視覚情報を統合してアイテムを特定することで、外出先からの在庫確認や、賞味期限に基づいて補充を利用者に提案する機能がより正確になる。

    下の動画では、

    ① トマトを冷蔵庫に入れる
    ② 冷蔵庫がトマトを認識し、扉面のディスプレイに追加される(のちに既存分とマージされる)
    ③ ブルーベリーのケースを取ると、取り出しを認識し、ディスプレイ上からもブルーベリーが消える
    ④ ブルーベリーを戻すと再び認識され、ディスプレイに表示される
    ⑤ 音声でドアを閉める(手が汚れていても閉められる)
    ⑥ 調理動画から作り方を抽出し、ステップ・バイ・ステップで説明する
    ⑦ その際、冷蔵庫にある/ない食材を識別し、ない場合はオーダーもできる
    ⑧ オーブンとも連携し、調理方法をオーブンに送る

    というデモが行われている。

    [su_youtube url=”https://youtu.be/jLiqCsyrx4I” width=”200″ height=”200″ title=”サムスンのAI冷蔵庫”]

    食材の認識までであれば、「これまででも、できていそうなことが改善されただけ」と思う読者もいるかもしれない。

    しかし、実は、これだけではない。料理のプロセス自体にもAIが伴走するようになったのだ。

    新しい冷蔵庫は、料理動画をAIが解析し、「ステップバイステップの手順」へと自動変換することができる。

    通常料理動画を見ながら料理を進めていると、途中で止めたり、少し巻き戻したりしたくなることがよくある。

    しかし、この機能が搭載されることにより、手が塞がっている調理中に動画を一時停止する手間が省け、冷蔵庫やオーブンの画面でスムーズに手順を確認できるようになるということだ。

    さらに、冷蔵庫とオーブンは連携することができるので、オーブン料理の際にはオーブンのディスプレイに調理方法を表示するといったことも可能になる。

    一見小さな改善に見えるが、調理中の「止める・戻す・手を拭く」といったストレスを確実に減らすことが実現されたのだ。

    労働から解放される洗濯・掃除体験

    また、洗濯においても、進化がある。

    新しいエアドレッサーには「オート・リンクル・ケア」機能が搭載され、シャツを掛けておくだけで、AIが強力な空気とスチームを制御し、シワのない状態に仕上げるので、今後はアイロンがけをする必要がなくなる。

    CES2026 サムスン エア・ドレッサー

    さらに、ロボット掃除機(Jetbot Steam Ultra)は、コーヒーやジュースなどの「液体」を識別する能力を身につけた。

    床にあるものに合わせてインテリジェントに回避・対処する姿は、まさに「家の中を把握し、自律的に動くパートナー」そのものといえる。

    健康をプロアクティブに守るというビジョン

    今回の講演で最も印象的だったのは、介護・看護の概念が「リアクティブ(問題が起きてから対処する)」から「プロアクティブ(予測して防ぐ)」へと変わるというビジョンだ。

    睡眠と環境のシームレスな連携

    AIリビングでは、Galaxy WatchやGalaxy Ringが検知した睡眠データが、直接エアコンと連携する。

    CES2026 サムスン Galaxy Watch, Ring

    例えば、ユーザーの体内時計(サーカディアンリズム)に合わせて、寝室の温度や照明が自動調整され、最もリフレッシュした状態で目覚められる環境が作り出されるというのだ。

    専用アプリでは睡眠の状態なども取得できる。

    CES2026 サムスン 睡眠状況などの可視化

    これは、個別のデバイスが動くのではなく、家全体が「一人のユーザーの快眠」という目的のために連携し、調和する体験が生まれると言える。

    家族の健康を見守る

    AIは、本人さえ気づかない微細な変化も捉える。

    例えば、ベータ版ではあるが、認知機能の変化の兆候を検知する機能では、Galaxyデバイスを通じて日々の睡眠パターンや発話の調子の変化を分析することができる。

    AIは、これに対して、診断を下すのではなく、「いつもと少し違う」という気づきを家族に共有することで、早期の対策を支援するというのだ。

    日常生活を邪魔することなく、背景でそっと見守り続ける「静かなケア」が実現できるともいえよう。

    Galaxy Z TriFold

    こういった様々な家電製品だけでなく、昨年末に発表された、今回新しい3つ折りケータイとなる、「Galaxy Z TriFold」も展示されていた。

    CES2026 サムスン Galaxy Z TriFold

    10インチディスプレイを搭載し、展開時の最薄部はわずか3.9mm、実際に持ってみたところ、軽いなと感じた。

    広げるとディスプレイが広いのは当然だが、下の写真のように様々な画面分割を活用できたり、パソコンのキーボードに慣れている人にとってはありがたい、大きく打ちやすいキーボードを表示することも可能であるということだ。

    CES2026 サムスン Galaxy Z TriFold
    参考:サムスンニュースルーム

    テレビや冷蔵庫といった家電と、手元のスマートフォンのアプリが連携することで、より生活に変化が生まれそうだ。

    AIリビングを支える基盤

    AIが私たちのプライベートな領域に深く入り込む以上、その基盤には「信頼」が必要だ。

    サムスンは、Samsung KnoxおよびKnox Matrixをすべての体験の中核に据え、セキュリティとプライバシーを最優先事項として掲げた。

    また、AIによる「予測」は、具体的な経済的利益にも繋がっているという。

    SmartThingsを通じて、水漏れなどのリスク軽減機能を保険会社と共有することで、住宅保険の保険料を軽減する「スマートホーム・セービング」が導入された。

    これは、AIがリスクを低減させることで、家計の節約に直結する仕組みともいえる。

    さらに、TM Roh(CEO and Head of DX Division)氏は、AIが人々をエンパワーメントする手段であるべきだと強調した。

    サムスン・イノベーション・キャンパスなどを通じて、次世代の若者が生成AIなどのスキルを学び、コミュニティの課題を解決できるよう支援する姿勢は、AIが単なる「消費」の道具ではなく、「創造と解決」のパートナーであることを示している。

    AI everywhere for everyone

    2026年の「First Look」が示した未来、それは「テクノロジーが消え、体験が残った」世界だといえる。

    AIはもはや設定が必要な複雑な機能ではなく、私たちの生活の文脈(コンテクスト)を理解し、必要な時にだけそっと手を差し伸べる存在となった。

    テレビが個人の好みを察して音声を整え、冷蔵庫が健康状態に合わせたレシピをオーブンに送り、ウェアラブルデバイスが安眠のために室温を操る。

    これらすべてのデバイスが「One Samsung」として機能することで、私たちは家事や管理という煩雑な作業から解放され、自分にとって本当に大切な時間、つまり「人間らしい時間」を取り戻すことができるのだ。

    AIリビングは、私たちがより豊かで、健康的で、創造的な人生を送るための、力強い味方として常に私たちのそばにいてくれる。

  • スマートホームはAIホームへ ーCES2025レポート4

    スマートホームはAIホームへ ーCES2025レポート4

    CES2025レポートの第四弾は、スマートホームだ。

    CES、そしてCTAのロゴが変わり、節目の2025年にCESの中心的な存在であるサムスン、LGともにキーノートへの登壇はなかったが、プレスカンファレンスの内容は示し合わせたかのようにシンクロしたもので、両者ともにスマートホームのあるべき状態を可視化してきた。

    LGは愛情あふれる気遣いができるAIを提供

    LGはプレスカンファレンスの冒頭に示した「Less artificial. More human」
    LGはプレスカンファレンスの冒頭に示した「Less artificial. More human」

    LGのプレスカンファレンスは「Less artificial. More Human(より人工的でなく、より人間的に)」で幕を開けた。

    そして最初から最後までAffectionate Intelligenceをテーマにプレゼンテーションが展開された。

    Affectionateは直訳すると“愛情深い”となるが、「便利」ではなく「愛情あふれる気遣い」を感じる進化した暮らしの実現を目指していることがわかる。

    まずLGは独自のLLMであるFURONが、デバイス間連携プラットフォームであるThinQのコアとなっている。

    これまでのThinQは、基本的にLG製品が対象となっていて拡がりに課題があったのだが、昨年オランダのAthomを買収し、170以上のブランドのIoTデバイスとの接続を可能となった。

    Athomの買収で170を超えるブランドのデバイスとの連携が可能に
    Athomの買収で170を超えるブランドのデバイスとの連携が可能に

    サムスンが2014年にスマート・シングスを買収したが、これと同じ動きだ。

    さらに、AI領域においてマイクロソフトとの協業も発表し、LGが目指す「AIによるより人間的な暮らしの提供」を加速させていく模様だ。

    ところで、プレスカンファレンスではいくつかの具体的なシーンが紹介されていた。

    例えば、2025年後半に発売予定のスマートホームAIエージェントと位置付けられている対話型ロボット「Q9」が生活者と家電の間に入り、天候の予測と共に洗濯機にある衣類についての対応提案をする様子や、家族が寝ている時に咳をしていたから温度調節をして、その後は咳が治まったというようなやりとりがあった。

    また車に乗車すると、心拍などをセンシングしてストレスの状態を察し、リラックスできる音楽を選択したり、会議に遅れそうになるとその場でビデオ会議を提案していた。

    それぞれの家電と人をつなぐ対話型ロボット「Q9」も今年発売予定
    それぞれの家電と人をつなぐ対話型ロボット「Q9」も今年発売予定

    「AI for ALL」をうたう、サムスン

    Samsungはプレスカンファレンス開始前からAI for Allを表示
    Samsungはプレスカンファレンス開始前からAI for Allを表示

    一方、Samsungは「AI for ALL」がここ数年のコンセプトだが、これからはAIの「Everyday, Everywhere」を実現していくという。

    サムスンのAIは自社独自のBixbyで、Galaxy AIとの統合が昨年発表されたが、アンドロイド世界トップシェアでもあるGalaxyやウェアラブルとの連携は大きな強みである。スマートフォンから撤退したLGが遡及しにくい、“Everywhere(どこでも)”がサムスンの特徴の1つになりそうだ。

    サムスンのヘルスケア

    サムスンのAIスマートホームにはスマートシングス・アンビエント・センシングという機能があり、家庭内の接続されたデバイスを通じて、人の動きや周囲の音までも分析することができるのだという。

    誰が毎日どのようなライフスタイルを送っていて、どんなルーチンが最適なのか、ということはもちろん、いつもと何がどう違うのか、ということを家庭内にある、複数のデバイスで把握でき、適切なデバイスでフィードバックが可能となる。

    さらに、Galaxy WatachやGalaxy Ringなどのウェアラブルも活用したヘルスケアソリューション「サムスンヘルス」で、健康促進だけでなく心身の異変をいち早く察知し、休息や診察の提案など、AIが適切な対応を促すことも行っていく。

    またサムスンは常に「Knox」というセキュリティソリューションもセットで遡及をしている。

    個人データをブロックチェーンを用いて高いセキュリティで保護しつつ、いつでもどこでも必要に応じてスムーズに活用できる環境を構築しているという。

    ちなみにLGも「LG Shield」というセキュリティソリューションを提供している。

    加えて、コンセプトモデルだったAIエージェントロボット「Ballie」をついに2025年の前半に発売開始するという発表もあった。

    今年前半に発売を予定しているAI Agent Robot「Ballie」
    今年前半に発売を予定しているAI Agent Robot「Ballie」

    2020年に初代Ballieが発表され、昨年のCES2024で2台目Ballieがお披露目され、遂に、という印象だ。

    既にアマゾンからは、アストロが発売されていて、LGもQ9を今年後半に発売予定、2026年以降は家庭用AIエージェントロボットの市場が盛り上がりそうだ。

    スマートホームはAIの普及と連携がベースとなり、利便性・快適性が増していく流れが基本となりそうだ。

    以前の単純にネットにつながるだけのスマートホームではなく、インテリジェンスな住まいが現実となると、家事や自宅での過ごし方が大きく変化していくだろう。

  • ロボットと人との共生がはじまる機運 ーCES2024レポート6

    ロボットと人との共生がはじまる機運 ーCES2024レポート6

    CES2024では多くのロボットが展示されていた。

    もちろん、これまでもいろいろなロボットが登場していたのだが、今年は単なる便利や機能便益の提供というよりも、人にとってどのような価値があるのか、どのような存在になろうとしているのか、というところを追求して商品化したものが増えてきた印象があった。

    本稿では、CES2024で気になった、人に寄り添うロボットたちを紹介する。

    サムスンの新しくなったバリー

    [su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=ehV0yTqxBrE” width=”200″ height=”200″ title=”サムスンの新しくなったBallie”]

    CES2020で紹介されたBallieが新しくなって登場した。

    当時のBallieはカメラセンサーの付いた可動型AIスピーカーといった印象だった。つまり、Ballieがカメラで状況を見て、必要と思われる家電操作を自動で行うロボットだった。

    例えば、ヨガをしている人がいると、後ろ姿をモニターに投影することや、家の人が不在の時にペットの犬が部屋を汚すと、自動でロボット掃除機を起動するというようなデモを紹介していた。

    これらの機能は継承しつつ、New Ballieはサイズが大きくなり、プロジェクターが搭載された。このプロジェクターで部屋の空間を演出することや、ペットや人とのコミュニケーションも可能となった。

    LGのスマートホームAIエージェント

    LGのスマートホームエージェント
    LGのスマートホームエージェント

    このロボットの特徴はディスプレイ部分でロボットが表情を見せるところにある。

    例えば、家族の一員のように、帰宅すると玄関まで来て、笑顔で出迎えてくれたり、残念なことがあると一緒に悲しんでくれるロボットだ。機能としてはコネクテッドホームとつながり、家や家電の状況を把握し、異常検知や温度や湿度などの環境把握が可能だ。

    また、服薬支援含めたスケジュール管理や家の人の生体データチェックもしてくれるので、いろいろと感謝したくなる存在になるかもしれない。

    [su_youtube url=”https://www.youtube.com/watch?v=sj1t3msy8dc&t=4s” width=”200″ height=”200″ title=”AmazonのAstro”]

    ちなみに今回のCESでは展示は無かったがAmazonが2021年に発表したAstroはLGのAI Agentによく似ている。時系列で言えば、AstroにLGのSmart Home AI Agentが似ているという言い方が正しいのかもしれない。Astroはまだ日本では購入はできず、北米でも招待制で価格は$1,599とのことだ。

    子供の話し相手になるロボット、moxie

    [su_youtube url=”https://youtu.be/QT2lOpQmd_w?si=R_FvDMYpbK2RAd1Y” width=”200″ height=”200″ title=”子供の話し相手になるロボット、moxie”]

    moxieは子供の友達として話し相手になったり、親の代わりにメンターになるコミュニケーションロボットだ。

    表情豊かで感情や思いやりを学ぶことができるという。本を読んでくれたり、興味を持ったことについて質問するといろいろと教えてくれるだけでなく、子供に絵を描くことや、本を読むことを促し、その行動に対してフィードバックをするので、子供が「次は何する?」という質問をロボットであるmoxieに尋ねるようになる。

    また呼吸法を教えてくれるので子供の精神状態を穏やかにすることも可能だ。

    ランプだけで表情を感じさせる高齢者向けコミュニケーションロボ EllieQ

    [su_youtube url=”https://youtu.be/lg2t1UbdsCw?si=Hdyyga4bU04C62Je” width=”200″ height=”200″ title=”ランプだけで表情を感じさせる高齢者向けコミュニケーションロボ EllieQ”]

    intuition roboticsのElliQは人の顔のような目や口が無いにも関わらず、ランプの動きだけで表情を感じさせる高齢者向けのコミュニケーションロボットだ。

    先進国の多くで高齢者人口は増加し、同時に高齢者の孤独問題が社会課題になってきている。

    ElliQはそんな孤独な高齢者の友達になることをコンセプトに開発されていて、相手の感情や好み、求めていることを推察して会話をしてくれる。

    また、服薬や血圧のチェックなど、やるべきことを教えてくれる機能もあり、一人暮らしの高齢者は、一度手にしたら手放せないかもしれない。

    一方、実際に自分の母親にこういったロボットを提案すると、「心配ならあなたが電話して!」と一蹴されそうなこともあり、誰がどのように提供していくかということが最初の課題かもしれない。

    愛犬用ロボット、Oro

    Omgen Roboticsのペット用ロボOro(オーロ)
    Omgen Roboticsのペット用ロボOro(オーロ)

    ペットのためのロボットもある。

    Ogmen Roboticsの愛犬用ロボットOroは自律的にペットと遊ぶためのボールを投げる機能と、飼い主の顔をディスプレイに表示する機能を持っている。

    また、外出中の飼い主のエージェントとなり、ペットとOro経由でコミュニケーションをすることや、ペットの食事を出す機械と連動し、適切なタイミングで適切な量の食事を提供することも可能だという。

    ロボットとの暮らし

    CESに限らず、他にも多くの家庭用ロボットが登場してきているが、便利だけでなく、一緒にいる人やペットにとってどのような存在になるかということを、しっかりと考えて開発していることがわかる。

    つまり、ロボットの存在価値を機能面に留まらず情緒的にも定義し、いないと寂しい、いることで心が豊かになる、そんなロボットとの暮らしが見えてきた。

    人とのやりとりが煩わしいと感じたり、人に言えないけど、誰かに聞いてほしい、ということは誰にでもある。

    そして、SNSで余計なことを言ってトラブルになった人も多い。こんな状況を踏まえると、あと数年で、何かしらのコミュニケーションロボット、またはコミュニケーションAIと共に暮らす人が増える可能性は大きい。

    そしてロボットとの暮らしから、せっかくなら連携できる家電を買う、ということや自宅もコネクテッド化していく、ということが加速も考えられる。共生ロボット普及による暮らしの変化は想像以上のインパクトになるかもしれない。

  • 折りたたみ式から巻取り式まで、最新スマートフォンの動向 ーMWC2023レポート8

    折りたたみ式から巻取り式まで、最新スマートフォンの動向 ーMWC2023レポート8

    MWC2023レポートの第8弾は、最新スマートフォンのレポートだ。

    MWCは、スマートフォンの新機種が一堂に会する場でもある。そしてCESとは異なり、中国メーカーが数多く存在することも特徴だ。ファーウエイ、ZTEはじめ、HONOR、レノボ、シャオミ、OPPOが自社ブースで、新型スマホを展示していた。

    特に今回目立ったのは折り畳み式(Foldable)だ。殆どのスマホメーカーが折り畳みできる機種を展示していた。

    ただし、わかりやすい差別化ポイントは見当たらず、用途含めて、折りたたみ式の価値を模索しているように見えた。

    また名称に「Fold、Flip」を付けているものも多く、先行して「Fold、Flip」のモデルをリリースしたサムスンの優位は続きそうだ。

    市場においては価格がポイントになる部分も出てくるが、各社とも折りたたみ式のモデルは高価格に位置づけられているため、大きなシェア変化はすぐには起きない可能性が高い。しかし、各社が参入してきたことで、価格レンジが下方に拡がり、折りたたみ式の市場が拡大することは確実だ。

    HONOR初のFoldableスマホHONOR Magic Vs
    HONOR初のFoldableスマホHONOR Magic Vs
    Xiaomiブースでも昨年発売したMix Fold2を展示
    Xiaomiブースでも昨年発売したMix Fold2を展示
    HUAWEIブースのFoldableはフラッグシップでもあるMate Xs
    HUAWEIブースのFoldableはフラッグシップでもあるMate Xs

    背面というか折りたたまれた状態を見ると、左側に画面を開くボタンがあるのが特徴的だが、HONOR Magic Vs、Xiaomi Mix Fold2、HUAWEI Mate Xs共に開いた状態では、Samsung Galaxy Foldとほとんど見分けがつかない。

    もちろん背面を見るとそれぞれ異なる部分や、ロゴ等があるため識別はできるが、現状では「折り畳み=Galaxy」と感じる人は多いこともあり、折り畳み機種の普及は、Galaxyの存在感を増す要素になるかもしれない。

    初代Foldableと言えるGalaxy Foldの4世代目となるGalaxy Fold4
    初代Foldableと言えるGalaxy Foldの4世代目となるGalaxy Fold4

    各社がFoldableスマホを提供する中でOPPOは大きさで差別化をしていた。FoldもFlipも若干小さい。丸っこい印象もあってかわいいと感じる人もいそうなデザインだ。

    拓くとやや小ぶりに見えるOPPO Find N2(隣はiPhone12Pro)
    拓くとやや小ぶりに見えるOPPO Find N2(隣はiPhone12Pro)
    OPPO Find N2はほぼGalaxy Z Flip4と同じ大きさ
    OPPO Find N2はほぼGalaxy Z Flip4と同じ大きさ

    折りたたみ式が一般化しつつある中、「巻取り式」で差別化してきたのがレノボだ。

    ボタンを2回押すとディスプレイが上に伸びるモトローラブランドのスマートフォンだ。有機ELの曲げられる特性を折り畳みではなくロールスクリーンとして活用したプロトタイプになる。


    (巻取り状況が分かりづらいので、動画の始めと最後に注目してほしい)

    またLenovoからはFoldable PCも発売している。

    MWC2023ではその2世代目のモデルが展示されていた。

    ノートPCはもともと折りたたむものであり、大画面で作業をしたいニーズもあるため、個人的にはFoldableスマホよりもFoldable PCの方が受容されやすいかもしれない。

    スマートフォンはシンプルなデザインにならざる得ないハードウェアであることからデザインによる差別化が難しい領域だ。

    その中でサムスンが折りたたみ式の領域に先行して取り組んだことはブランドの存在感を増す、わかりやすいアプローチだった。折りたたみ式の領域が生活者に受け入れられはじめると、他社も折りたたみ式のスマホを提供し追随してくる。

    このような中、スマホ領域でもグローバルでトップシェアであるサムスンはCES同様にMWCでも自社製品の環境貢献を強くアピールしてきていた。

    MWC2023 Samsung

    ブースの至るところで製品のリサイクル素材活用を紹介。

    例えば、背面ガラスのフィルムはペットボトルからリサイクルした素材を利用、漁網をリサイクルした素材はSペンやスピーカーに利用しているという。

    その他にも、様々な金属部品は約3割のリサイクルマテリアルを活用し、製品のパッケージ(箱など)は100%リサイクルペーパーを採用することに加え、プラスチックシールは全て排除したという。

    MWC2023 Samsung

    さらには製品ライフサイクルの延長も推進している。

    市場としても買換えサイクルが伸びている実情もあり、まさにトレンドに応じた対応となっている。

    4世代OSのアップデートに対応することや、5年間のセキュリティアップデートのみならず、まだ北米だけだが自分でリペアできるプログラムも始めている。

    こういった取り組みの実態は、競合他社も追随せざる得ない内容であり、先んじて取り組み、そして発信するSamsungが業界のリーダーであり続ける要因ともいえる。

    ただし、生活者から見た際、環境貢献要素が価格やデザイン以上にブランド選択の理由になるのかというと、いずれ各メーカーが同様の取り組みをしていくことを踏まえると圧倒的な優位性を持つものではないだろう。

    それ以上に、各社が参入したFoldableモデルはライフスタイルを変えていくのか、手放せないものなのか、スレート型からの明確なリプレース理由はどのようなことか、このあたりはまだ明確になっていない。

    折りたたみ式のモデルが浸透していくかどうかを見定めるためにも、引き続き市場動向の観察が必要だ。

  • KDDIとサムスン電子、RICを活用した5G SAのSLA保証型スライシング実証に成功

    KDDIとサムスン電子、RICを活用した5G SAのSLA保証型スライシング実証に成功

    SLA保証は、顧客のユースケースやアプリケーションのニーズに応じた通信品質を提供するために必要になる。これまでは通信品質の上限は提示するものの保証はしないベストエフォートが一般的だった。

    高画質映像のライブ配信などを実現するにあたって、5Gのスタンドアローン構成(以下、5G SA)(※1)を活用した高速かつ低遅延な通信を、安定的に提供することが求められており、5G SAにおけるSLA保証型のネットワークスライシングの実現が期待されている。

    KDDI株式会社は、2020年9月にエンド・ツー・エンドで品質保証や低遅延などのネットワークスライスを複数・同時に生成することに成功している。これまでは、実証環境で各スライスの通信品質を保証する機能の検証を進め、その後、商用環境への適用を検討していた。

    このほど、KDDIとSamsung Electronics Co., Ltd.は、5G SAにおいて、SLA保証型のネットワークスライシングの商用基地局でのフィールド実証を2022年11月29日に実施し、成功したことを発表した。そして、O-RAN ALLIANCE(※2)で規定するRIC(※3)からの指示にもとづいて、通信環境の変化に応じて必要なリソースをリアルタイムに提供し、SLAに準じた通信要求に応じる仕組みを開発した。

    同実証では、RICを通して端末単位の通信品質を監視する機能や要求品質に応じて無線リソースを制御する機能を追加することで、通信品質が変動する状況や、通信要件が異なる複数のスライスが存在するような商用環境下でも各端末のSLA保証を実現する仕組みを実装した。

    KDDIは今後、2024年度のネットワークスライシングの本格提供に向け、さまざまなパートナーと共に研究開発を進めていくとしている。

    ※1 5G SA:5G基地局に5G専用に開発したコアネットワーク設備を組み合わせるシステム。
    ※2 O-RAN ALLIANCE:「Open Radio Access Network ALLIANCE」の略称。5Gをはじめとする次世代の無線アクセスネットワークをよりオープンでインテリジェントにすることを目的に活動している業界団体。
    ※3 RIC:「RAN Intelligent Controller」の略称。O-RAN ALLIANCEで規定されているRANの高度な制御を行うコントローラ。AI・機械学習と組み合わせた高度な制御により通信品質の向上の実現が期待されている。

  • サムスン、プロダクトからエコシステムのサステナビリティ実現へ ーCES2023レポート

    サムスン、プロダクトからエコシステムのサステナビリティ実現へ ーCES2023レポート

    CES2023では、大手家電メーカーを中心にサステナビリティを訴求する展示も多く見られた。

    サステナビリティといっても、何を指すのか、いろんな視点がある。例えば、グリーンエネルギーを使おうとすることであったり、製品の無駄を省こうとする取り組みであったり、開発・製造過程での無駄をなくすことであったりと様々だ。

    では、今回のCESではどんな取り組みが紹介されていたのだろう。サムスンの展示を見ながら、具体的な実現手段についてみていきたい。

    エコシステムでサステナビリティを実現するという考え方

    今回サムスンのブースで、まず入口には大きく「Sustainability」の文字。そして、中に入ると、製品単体よりIoTによるエコシステムを大きく取り扱っているという印象を受けた。

    CES2023 サムスンブースのSustainablitiyの文字
    CES2023 サムスンブースでは、Sustainablitiyの文字が大きく掲げられていた

    大きなテーマとして昨年よりかかげている、「Everyday Sustainablity」からはじまり、「Net Zero Home」「Energy monitoring」「Energy saving」と続いていく。

    同社は、SmartThingsと呼ばれる、統一ブランドと規格をもっていて、それに対応するデバイスは、簡単に接続でき、設定や操作なども統合的に行うことができる。これ自体は以前から実現されていたことだ。

    しかし、今回のサムスンのスマートホームの展示では、メッセージは以下の内容だった。

    • 直感的なユーザー インターフェイスでエネルギー使用量を監視
    • AIエネルギーモードで電気代を削減
    • エネルギー供給量が少ないAIエネルギーモードと、余剰エネルギーを利用した暖房・冷房
    • スマート洗濯機で水と電気を節約し、マイクロプラスチックを削減

    字面だけ読んでいると、これまでもできていそうだが、実は実現するのは簡単ではない。

    例えば、家の中の家電製品の全てを、一箇所で監視・管理しているとしよう。

    一元管理されていれば、どこにどれだけのエネルギーが使われているかということは一目瞭然だ。

    CES2023 SmartThings Energy Dashboard
    すべての家電がハブに繋がれば、ダッシュボードで管理は可能だ。ーSmartThings Energy Dashboard

    こうして、エネルギー利用を可視化できても、細かな節電をマニュアル操作で行うのは正直大変だ。そんな時にAIによる節電ができれば、毎月の電気料金が減っていることだけを見れば良いということになる。

    実は、サムスンはこう言ったレベルのことは今回の発表でもできている。

    家電をつないでAIで節電することは、現実的なのか

    このように、家電をハブに繋ぎ込んでAIを使ってエネルギー管理をすれば、無駄なエネルギーを使う必要がなくなる可能性は高い。

    ここまではわかる。

    しかし、ここで、みなさんのご自宅の家電製品を思い出して欲しい。どこかのメーカーの製品で統一されているだろうか?何年も昔の家電製品がないだろうか?

    消費者の多くは、「つながることを前提にして家電製品を買うわけではない」のだ。

    そこで、重要な考え方が、「どんな家電製品でも繋ぐことができれば、集中管理のもと、AIによる消費電力の無駄をなくすコントロールができる」ということだ。

    実際、昨年10/14にmatterという統一企画が登場したが、これは、AmazonやApple、Googleも参加し、相互運用性(インターオペラビリティ)を向上させるための規格だ。もちろん、SmartThingsもmatter対応している。

    今回のCESでも、matterに対応したシンプルなハブとなる、「SmartThings Station」を発表した。

    このハブは、家庭内にあるスマートホームデバイスの電源を個別にオン・オフしなくても、あらかじめ設定しておけば、ボタン一つでその設定を実行することができる製品だ。

    サムスンの「SmartThings Station」はMatterに対応したスマートホームHUB
    サムスンの「SmartThings Station」はMatterに対応したスマートホームHUBだ

    例えば、夜になって、ベッドサイドのSmartThings Stationをタップすると、家中の無駄な電気が全てオフになる、と言った具合だ。

    こういうテックジャイアンとを取り込んだ業界標準が登場したことも、今回のようなトレンドを具体的に推進していく意味では非常に重要だ。

    こういった考え方が前提となると、太陽光発電など自然エネルギーを取り入れたNet Zero Houseも旨味が増してくる。

    太陽光発電により、エネルギーチャージシステムが満たされている時は、電力会社からの供給を受けず、少なくなると供給してもらう。そして、AIによりなるべく供給を少なくする調整を行ったり、余剰エネルギーを冷暖房などに利用するという考え方だ。

    CES2023 サムスンのエコシステムレベルでのサステナビリティの実現
    CES2023 サムスンのエコシステムレベルでのサステナビリティの実現

    matterのような幅広く相互運用性を保証された規格をベースにした製品であれば、ソーラーパネルも、空調も、冷蔵庫も、洗濯機も、好きなメーカーの製品を買って、AIで快適さの実現と、無駄を省いてくれる、ハブとなるデバイスに繋ぎ込んでいけば良いのだ。

    これまで、Amazon Echo陣営やGoogle Home陣営など、さまざまな陣営があったが、これらが相互接続できるようになることのメリットは大きい。

    ただ、残念なことに、一部のスタートアップ企業を除いて、日系メーカーはmatter対応を発表していない。日本国内のマーケットではそれでも良いのかもしれないが、海外マーケットも考えると、matter対応は必要になるだろう。

    スマート洗濯機で水と電気を節約し、マイクロプラスチックを削減

    また、サムスンは、マイクロプラスチックの削減というテーマにも取り組んでいた。

    世界的に見ても、節電だけでなく節水は大きなテーマで、今回のCESでも水道の利用状況を可視化するデバイスなども展示されている。

    また、マイクロプラスチックの削減も世界的なテーマとなっていて、特に洗濯機の性能として、節水・節電・マイクロプラスチック削減という3つのテーマは重要なのだ。

    今回、サムスンは、パタゴニアと共同で、洗濯中のマイクロプラスチック放出を54%削減できる新しい洗濯技術「Less Microfiber Cycle」を発表した。すでにヨーロッパでは利用可能で、フィルターに関しては、サムスンの製品以外でも利用できるという。

    お題目だけのサステナビリティでない世界へ

    サステナビリティに関する話題をPR的に扱っていても、地球環境は良くならない。本当によくしたければテクノロジーを駆使して、快適性は向上しつつも、無駄をなくし、環境への配慮や、エネルギー効率の向上を実現していくことが重要だ。

    サムスンのブースを見ていて、これまでの技術的な取り組みと、サステナビリティへの具体的なアクションがつながり始めているという感触を得た。

  • CES2023で感じた、サステナビリティとデザインの戦い ーCES2023レポート

    CES2023で感じた、サステナビリティとデザインの戦い ーCES2023レポート

    CESはもともとConsumer Electronics Showで、その略称であったのだが2018年に様々なテクノロジー製品が出展されるイベントになっていたこともあり、家電ショーではなくテクノロジーショーとしてシー・イー・エスが正式名称となった。

    そして、コロナが流行した2021年以降、CESにおけるテクノロジートレンドはコンシューマーへの便益提供というよりも、社会課題解決、環境貢献にシフトした。

    さらに、昨年は製薬メーカーのアボット、今年は農業機械メーカーのジョン・ディアが登壇し、トレンドの起点になっている。しかし、家電メーカーは引き続きその中心に存在し、テクノロジートレンドをリードする存在でもある。

    サムスン

    サムスンは、昨年のキーノートのメイン・メッセージでもあった「Everyday Sustainability」の実態を明らかにした
    家電業界のリーダーでもあるサムスンは、昨年のキーノートのメイン・メッセージでもあった「Everyday Sustainability」の実態を明らかにした。

    CEOが部門長を兼務するDX(Device eXperience)部門は2027年までに100%再生可能エネルギーで事業を行うとし、2030年までにNet Zero(炭素排出量ゼロ)とするとした。

    また全社でも2050年までに全ての事業を再生可能エネルギーで行うようにシフトし、Net Zeroとすることを宣言。そして、リサイクル素材の利用、省電力メモリー、チップの開発と採用、AIによる電力効率化などを各製品に対応していく。

    CES2023で発表された「SmartThings Station」はMatterに対応したスマートホームHUBだ。

    サムスンの「SmartThings Station」はMatterに対応したスマートホームHUB
    サムスンの「SmartThings Station」はMatterに対応したスマートホームHUBだ

    家庭内には様々なメーカーの製品があるが、今後はMatterで異なるメーカーの家電もコネクテッドが可能となるため、いち早くそのHUBデバイスを開発した。

    機能便益としては生活者の習慣を把握し、最適な家電制御をすることにあるが、電力効率化を同時に実現するものになっている。

    様々な家電メーカーが参画するHome Connectivity Allianceを2021年に設立し、Matterを採用したことも、全ては便利以上にサステナビリティの実現のためだ。

    パナソニック

    同様にパナソニックも昨年発表した環境コンセプト「Panasonic GREEN IMPACT」を軸にした様々な取り組みを伝えた。

    中でも高効率でサイズフリーのペロブスカイト太陽電池は、設置場所を問わないもので、ブースでも木のオブジェクトの葉に使われており、様々な場所と用途での利用が期待される。

    高効率でサイズフリーのペロブスカイト太陽電池
    パナソニックの高効率でサイズフリーのペロブスカイト太陽電池

    また、充電式バッテリーグリップをベースに、髭剃り、バリカン、歯ブラシ等のヘッドを付け替えられるMULTISHAPEは、部材や充電池の重複を無くすことで、省資源・廃棄物の減少に貢献する。

    パナソニックの充電式バッテリーグリップをベースに、髭剃り、バリカン、歯ブラシ等のヘッドを付け替えられるMULTISHAPE
    パナソニックの充電式バッテリーグリップをベースに、髭剃り、バリカン、歯ブラシ等のヘッドを付け替えられるMULTISHAPE

    昨年、サムスンは無線給電式のリモコンを発表していたが、これも乾電池利用・廃棄を削減することを目的としていて、このような考え方の製品開発が今後はスタンダードになっていくだろう。

    LG

    CESの名物でもある湾曲するOLEDでブースエントランスをデザインするLGは、競合他社と同じように環境関連の取り組みをアピールしていたが、新たな市場を創出するようなユニークな製品をいくつか発表した。

    社内イノベーター育成も兼ねたLG Labsで開発されたものの中で、興味深かったのはスニーカーマニア向けのソリューション「Monster Shoe Club」だ。

    昨年秋のIFAで発表されたLG Styler ShoeCaseを活用したNFTプロジェクトだ。

    クローゼットに入れるだけで洋服をきれいにしてくれるもLGらしいユニークな製品だったが、そのコンセプトをスニーカーに持ち込み、入れておくだけでスニーカーをきれいにしてくれるボックスがLG Styler ShoeCaseである。

    スニーカーをShoeCaseに入れるとメタバース上では、そのスニーカーと連動したバーチャルスニーカーが生成され、リアルスニーカーも含めてアプリで管理できる仕組みになっているという。

    左:LG Styler 中央:冷蔵庫: 右:LG Styler ShoeCase
    左:LG Styler 中央:LG Refrigerator with MoodUP: 右:LG Styler ShoeCase

    体験はできなかったが、新たなトレンドを自社の得意領域でトライしていくアプローチは、生活者の驚きと期待に繋がっていくはずだ。

    LGでは色が変わる冷蔵庫も開発しており、音楽に合わせて冷蔵庫表面のパネルの色が変わり、部屋の雰囲気を大きく変化させていた。機能的な便益はないかもしれないが、毎日がちょっとだけ楽しくなる差別化は、くらしの質に影響を与えるのかもしれない。

    LGの冷蔵庫のように成熟市場において誰もがわかるデザイン変化による差別化はアプローチの1つとしては有効だ。

    自動車産業

    家電と双璧ともいえる規模となった自動車業界も成熟産業であり、差別化が難しい状況になってきている。

    環境アプローチは各社が推進し、その流れでEVが主力になってきている。また自律走行車も各社が推進しており、機能的には実現できているといっても過言ではない。

    その一方で、先進的なEVや自律走行車でも機能による差別化が困難になってきている。

    そもそも自動車業界はエンジン開発にノウハウが必要なことがあり参入障壁が高かった。EV化、エンジンのモーター化で開発期間が大幅に短縮されたこと、パーツの組合せで製品が完成することなどもあり、家電と同じような構造になってきている。

    もちろん自動車ならではの法規制の問題、求められる安全基準などは高いハードルになっているが、ここ数年でさらに高品質の自律走行電気自動車を開発するハードルが下がった。

    GMのEVプラットフォームUltiumは対となるエンジンモーター、そして制御するソフトウェアもセットで提供可能になっている。

    また、自律走行プラットフォームとも言えるQualcommのDigital Chassisも注目のソリューションだ。GMの車にも採用されているが、CES2023で話題を集めたソニー・ホンダモビリティが発表したEV「AFEELA」にも採用されていることが明らかになった。

    クアルコムのSnapdragon Digital Chassis
    クアルコムのSnapdragon Digital Chassis

    もともとソニーが持っていた光学カメラセンサーを中心とする映像処理技術や、ハイクオリティなAVテクノロジーは強みになるが、自動車のコアとなる部分の多くは外部から入手できる状況になっている。このような状況下でより分かりやすい差別化ができる領域はやはりデザインということになるのだろう。

    ソニー・ホンダの発表したAFEELAには、クアルコムのDigital Chassisが搭載されている
    ソニー・ホンダの発表したAFEELA

    BMWは昨年発表したiX Flowはモノトーンの外装変化に留まっていたが、CES2023で発表したi Vision Deeはフルカラーで車のボディ全てが変化する。

    またフロントウィンドウは全面ヘッドアップディスプレイであり、サイドウィンドウもディスプレイ機能を有していた。まさに状況に合わせて自動車のボディで自己表現することができる。

    i Vision Deeはデザインだけでなく、インテリジェンスも大きく進化しているという。人と同じように思考し、会話をすることができる。将来的には様々な表現ができる車体で、ノンバーバルコミュニケーションをすることを考えているのかもしれない。

    2023のブランド価値創出のトレンドは、ソーシャル、サステナビリティ

    2011年から継続してレポートしているCESだが、領域は大きく拡大し、コンシューマーテクノロジーに留まらず、ソーシャルテクノロジーショーの要素が強くなっているように思えた。

    ブランドや企業価値向上に繋がるサステナブルな未来に向けた技術活用、事業戦略のアピールが明らかに増加しているためだ。

    このようなトレンドが明らかになっている中でも、プロダクトを開発するメーカーは機能が提供する利便性だけでなく、その先にある人々を楽しませること、より良い暮らしを提供することをつくるために、アイデアの幅を広げ、実現手法も拡大し、ユニークなアウトプットを見せてくれている。

    このような状況を踏まえるとこれからは、ソーシャル貢献は前提でありつつ、そこに生活者がワクワクするような期待を創出してくれるプロダクト、領域がトレンドになってくるのだろう。

  • KDDI・サムスン電子・富士通、オープン化した5G SA仮想化基地局の商用通信に成功

    KDDI・サムスン電子・富士通、オープン化した5G SA仮想化基地局の商用通信に成功

    5Gは、XRの利用や製造分野でのセンサー情報の収集と遠隔操作でのファクトリーオートメーション、交通分野での自動運転や運行管理など、幅広い用途やニーズに合わせ柔軟で高度な通信を提供する技術として期待されている。また、利用用途の拡大により接続端末数や通信量は急速に増加すると予想され、今まで以上に迅速かつ低コストでのネットワークインフラの構築が重要となっている。

    KDDI株式会社、Samsung Electronics Co., Ltd.(以下、サムスン電子)、富士通株式会社は、商用ネットワークに接続するオープン化した5G スタンドアローン(以下、5G SA)(※1)の仮想化基地局によるデータ通信に成功した。

    同基地局は、O-RAN標準に準拠(※2)し、サムスン電子の無線制御装置(DU: Distributed Unit、CU: Centralized Unit)と富士通の無線装置(MMU: Massive MIMO Unit)で構成されている。

    従来の基地局は無線制御装置に専用ハードウエアを用いているのに対し、同基地局では汎用的なハードウエアを用いている。ネットワーク機能はサムスン電子の完全に仮想化されたソフトウエアで実現している。また、無線制御装置と無線装置間のインターフェースをオープン化したことにより、サムスン電子の無線制御装置と、富士通の無線装置という異なるベンダーによる構成を実現した。
    KDDI・サムスン電子・富士通、オープン化した5G SA仮想化基地局の商用通信に成功
    完全仮想化されたソフトウエアは、さまざまな場所に設置したハードウエアに迅速に展開する。5G SAで提供されるネットワークスライシング機能や、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)を組み合わせることで、企業の利用用途に合わせた通信サービスを柔軟かつ迅速に提供する。

    全国で共通化した汎用のハードウエアを利用することが可能となるため、基地局建設に関わる作業が効率化できる。また、完全仮想化されたソフトウエアは自動化システムとの親和性が高いため、基地局の設定作業時間が短縮され、地方などを含めた全国への迅速な基地局展開に貢献する。

    今後KDDIは、2022年度中に同基地局を一部地域から展開予定だ。

    ※1 5G スタンドアローン:5G基地局に5G専用に開発したコアネットワーク設備を組み合わせるシステム。
    ※2 O-RAN標準に準拠: O-RAN Allianceで策定された異なるベンダーの機器と接続が可能な仕様。

  • CES2022のトレンド総まとめ ー未来事業創研 吉田健太郎氏

    CES2022のトレンド総まとめ ー未来事業創研 吉田健太郎氏

    2022年1月、IoTNEWSの会員向けサービスの1つである、「DX情報収集サービス」の会員向け勉強会が開催された。本稿では、その中から未来事業創研未来事業創研 Founder 吉田健太郎氏とIoTNEWS 小泉耕二のセッションを紹介する。

    2022年1月に開催されたCES2022は、1967年から続くハイテク産業の見本市であり、テック関連企業の最新情報発信の場として期待されている。2015年からIoTやパーソナライズが大きなトレンドとなっていたが、コロナの感染拡大後のCES2021からは、社会貢献や環境問題への対応がトレンドとなっており、コロナ禍の課題を解決するテクノロジーが人々の「したい、やりたい、こうあるべき」という願いを叶えていくことをテクノロジーが実現すべきところだと明確に定義されている。

    本記事では、未来事業創研未来事業創研 Founder 吉田健太郎氏とIoTNEWS 代表 小泉耕二によって行われたCES2022レポートの内容を紹介する。

    CES2022のキーノートは、家電、クルマ、医療の3分野


    未来事業創研未来事業創研 吉田健太郎氏(以下、吉田):CES2022のオープニング・キーノートを務めたのは、CES2021に引き続きGMでした。

    アボットの新型コロナウイルス検査キットへの取り組み

    IoTNEWS 代表 小泉耕二(以下、小泉):今回のCES2022で行われた発表でも、クルマについての内容が多かった印象があります。キーノートの登壇社の中にアボットやサムスン、GMが名を連ねていました。

    アボットは、デジタルヘルスケアのスタートアップ企業であり、初めて健康系の企業が キーノートに登壇したことがすごいことだと感じました。また、「家電業界のサムスン」、「クルマ業界のGM」、そして「デジタルヘルスケア業界のアボット」と、この3つの業界がこの先の取り組むべき3つの大きな業界として注目されていると感じました。

    吉田:アボットは、キーノートに登壇したことで、テクノロジー業界に大きな存在感を残しました。

    小泉:アボットのキーノートをでは、ユナイテッド航空で国際線を利用し出入国する人が、アボットが提供する新型コロナウイルス簡易抗原検査キット「BinaxNOW Home Test」を使用するようになっているとしています。

    実際に、その使用方法が、興味深いと感じました。

    [wpmem_logged_out] [su_button url=”https://stg-iotnews-stage.kinsta.cloud/member-register” target=”blank” style=”flat” background=”#ff0000” size=”10″ center=”yes” radius=”5″ icon=”” class=”nanoopt”]無料メルマガ会員に登録すると続きが読めます[/su_button] [su_button url=”https://stg-iotnews-stage.kinsta.cloud/member-login” target=”blank” style=”flat” background=”#666666″ size=”10″ center=”yes” radius=”5″ icon=”” class=”nanoopt”]会員の方はこちらからログイン[/su_button] [/wpmem_logged_out] [wpmem_logged_in]

    まず、ユナイテッド航空は、渡航時に旅客へ「BinaxNOW Home Test」を提供し、旅客は渡航先で同検査キットを使用します。この検査結果は、eMedが提供するデジタルヘルスプラットフォーム「eMed Labs」で管理する仕組みとなっています。

    具体的な検査方法は、まず初めに、ノートパソコンなどのデバイスでアボットが提供する管理アプリ「NAVICA」を立ち上げ、「BinaxNOW Home Test」に同梱しているQRコードを読み取ります。

    次に、ノートパソコンなどのデバイスで「eMed Labs」を立ち上げ、デバイスに搭載されているカメラを起動し、カメラで、自身を撮影しながら「BinaxNOW Home Test」に同梱している綿棒を鼻に挿入し粘液を採取します。

    カメラで撮影する理由としては、検査の結果と検査を行った者とを紐付けるためです。採取した綿棒を「BinaxNOW Home Test」に同梱している検査キットに挟むと、検査キット上に線状の印が浮き上がり、結果を判定できる仕組みです。

    アボットとユナイテッド航空は、検査キットの使用者と結果を結びつけることで、不正が発生しづらい環境を整えており、有用な取り組みをしていると感じました。

    クルマ業界のトレンドとGM、クアルコム、NVIDIAの取り組み

    吉田:GMについては、CES2021と今回の両方を視聴していると内容に大きな変化がないことに気がつきました。

    その一方で、主催者であるCTA(Consumer Technology Association)としてのメッセージを強く感じました。

    アメリカは、製造業が非常に弱く半分捨てたような状況になっています。そのような状況の中で、残っているのはクルマ業界です。アメリカでの生活には、クルマが必需品ということもあり、GMが今一度、製造業として、アメリカの未来を背負うという文脈を個人的には、感じました。

    オープニングキーノートは、CES2021に引き続き、GMが務めた。
    オープニングキーノートは、CES2021に引き続き、GMが務めた。



    GMは、事故ゼロ、排出量ゼロ、渋滞ゼロをビジョンに掲げており、ビジョンの達成に向けて、取り組み内容を定め推進しています。

    バッテリープラットフォーム「ultium」

    さらに、GMは、カーボンニュートラルを2040年で達成するとの目標を掲げています。

    2035年までに、再生エネルギーの利用やEV化を全車種に適応するとし、気候変動への投資も行うといった話をしていました。EVが正しいクルマの原動力なのかについては、5年経つと状況は変わる可能性があるため、現状ではこういう表現をするのが正解だと思いました。

    また、EV化に向けてGMは、バッテリープラットフォーム「ultium」を発表しました。

    「ultium」は、排気量の違いなどの要因からクルマに使用されるパーツのサイズを統一するシステムです。本来、排気量の違いや使用するガゾリンなどの油種によって、パーツのサイズやクルマ自体の機工も違います。「ultium」の発表を受け、クルマをスマートフォンやPCと同様の組み立て型で作れるように、クルマ業界として革新しようというメッセージも込められているなと感じました。

    GMは、「シボレーシルバラードEV」をパワーとユーティリティ性を備えた車として紹介した。
    GMは、「シボレーシルバラードEV」をパワーとユーティリティ性を備えた車として紹介した。

    他にも、GMの発表では、「シボレーシルバラードEV」という大型車両が登場しました。

    GMは、シボレーシルバラードEVをトラックと呼んでおり、640馬力のパワーがあり、13tまでの牽引を行えます。GMは、EV車でもガソリンに引けを取らないパワーがあるという主張をしたいのだと思います。

    昨年GMは、物流用のEV化を図る製品として、「電動パレット」とEVトラックの「EV600」を発表していました。

    「電動パレット」は、「EV600」に積載することができ、ラストワンマイル用の貨物用カートのような使い方が予定されていました。今年は、一歩進んで、ウォルマートやフェデックスにおいて、「電動パレット」と「EV600」の実用化が進み始めていると発表しております。

    GMは当初、『ultium』を活用した鉄道のEV化を検討していたが、水素電池を活用した方がより高い出力を期待できるとし、鉄道の他、航空機、重機などにも水素燃料電池(Hydrotec)の活用を進めているとも話しておりました。

    GMの他にTOYOTAも水素電池の取り組みを進めており、私は、水素電池やEVなどが、今後のクルマ業界にどういう影響を及ぼしていくのかについて関心を高めてます。

    自動運転機能「ウルトラクルーズ」

    吉田:今回GMは、自動運転の技術について、一般道をハンズフリーで走れる自動運転機能「ウルトラクルーズ」をクアルコムと共に開発したと発表しています。

    GMは、「ウルトラクルーズ」を「アプリケーション」として、提供できるようにしていると話しており、クルマに対して、「ultifi」というOSのようなものを搭載し、その上で「ウルトラクルーズ」を搭載すると説明しています。

    GMとクアルコムが共同開発した、自動運転機能「ウルトラクルーズ」
    GMとクアルコムが共同開発した、自動運転機能「ウルトラクルーズ」

    GMは今後、クアルコムと共に「ウルトラクルーズ」を実現するためのユニットなどをノートパソコン2台分のサイズのコンピュータで提供していくと述べてました。

    GMは、「自動車メーカーからプラットフォームイノベーターに変わる」という目標を掲げており、EVプラットフォームやソフトウェアプラットフォームをベースにビジネスにしていくとも発表しました。

    こういった、エコシステム自体を変えていこうとしているという意思表示をしたということが、去年との違いとして感じたことです。

    「ウルトラクルーズ」は、クアルコムとGMとの共同開発ということですが、クアルコムについての記事を書かれている小泉さんの意見を伺いたいです。

    自動運転、デジタルコクピット、通信など複数のプラットフォームを束ねる「Snapdragon digital chassis」
    自動運転、デジタルコクピット、通信など複数のプラットフォームを束ねる「Snapdragon digital chassis」


    小泉:クアルコムは、センサーやチップの開発をメインで考えている企業なので、基本的にクルマそのものを作ろうという考え方をしていないと思います。

    クアルコムが作っているチップセット「Snapdragon」をクルマ用に対応させていくという動きがあります。「Snapdragon」は、クルマの頭脳になるわけですからダッシュボードなどに搭載しているモニターに対して、あらゆる情報をデジタルで表示する「cockpit platform」を作成していています。

    その他、天井にディスプレイを設置する動きがあります。クルマを単純にコントロールするというだけのコンピューティングではなく、クルマを動かすとそれに付随する様々なことが起きます。そこで、クアルコムは、クルマの利用に関わるすべての事に対し、デジタル技術を駆使して、サービス化していく、そのようなチップセットを作ろうという考え方をしています。

    技術の進歩も激しく、自動運転が始まった頃は、大きいサイズのコンピューターをトランクルームに置いていたのですが、近年では、コンピューターのサイズが小さくなっています。

    吉田:スマートフォン市場では、クアルコムが、トップのテクノロジーサプライヤーであることに間違いないので、クルマ業界でもクアルコムが重要な立ち位置であると感じました。

    小泉:しかし、携帯電話の市場も頭打ちになりつつあり、これ以上の進展は難しいから、「次はクルマだ」という発想があると思います。一方で、競合のAMDは、PlayStationやXboxなどのゲーム機に対するチップを提供しており、ここは数年先まで工場を動かしっぱなしでも、供給が間に合わないという状態になっています。

    クアルコムも発表では、クルマをメインに押し出していますが、実は、地に足がついたところだとアームベースのチップセットをPC向けに提供しています。ノートパソコンは、もはや、持ち運ぶのが当たり前だと考えた時に、高速通信ありきのPCがないといけません。

    一方で、クルマ業界に関しては、これから取り組んでいく領域だと思いますので、将来に向けて狙う領域だと考えていると思いました。

    吉田:クアルコムは、スマートフォンなどに搭載するCPUを提供していますが、その強みとして、消費電力の少なさが挙げられます。一方で、省電力化を苦手としているのがインテルやNVIDIA、AMDです。

    彼らは画像処理が得意で、特にNVIDIAは自動運転を映像認識技術を応用することで、一歩リードしているように見えていました。しかし、コネクテッドカーに注目が集まることで、クアルコムが一歩リードした感じがします。

    小泉:そうですね。NVIDIAは、ゲームとクルマを事業の中心に位置付けており、元々GeForceという画像処理チップメーカーとしてのブランドを保有していることもあります。

    その後、NVIDIAのグラフィックボードにおける処理技術が、AIで使用するような基礎技術に使えると言うことで、一気にAIの企業として、世の中で認識されたという経緯があります。

    また、NVIDIAのコンピューターグラフィックス処理の延長上にあるのがゲームです。

    今回発表された、サムスンが販売している新型のテレビには、NVIDIAのグラフィックボードが内蔵されており、テレビでオンラインPCゲームができるくらいのスペックを有しております。

    NVIDIAは、テレビをディスプレイとしてオンラインゲームを楽しみたいという方に、マーケットを見出していると感じます。

    世界のトレンドとして、クルマに注目が集まりがちですが、実際にクルマ業界を見ると、コネックテッドカーやEVなどの普及には、まだ時間がかかると思っております。一般的には、ガソリン車がまだ市場としては大きく、これらの分野は今後伸びる分野なのです。

    サステナビリティを訴えるサムスン

    プレショーキーノートに登壇した、サムスン電子 副会長兼CEO ハン・ジョンヒ氏
    プレショーキーノートに登壇した、サムスン電子 副会長兼CEO ハン・ジョンヒ氏


    吉田:今年、プレショー・キーノートに登壇したサムスンは、サスティナビリティや環境保全への取り組みが発表されました。

    サムスンは、省エネルギーや環境保護の観点から、待機電力を削減した省電力や環境保護についての目標を話題にしています。

    リモコンなどは、ほとんど電力を使わないので、乾電池を無くし、ソーラーパネルを搭載したリモコンを発表していました。また、テレビやスマートフォンの充電器について、待機電力を削減していきたいと述べていました。

    また、サムスンは、「SmartThings」をよりオープンにしていくために、いろんな企業と繋がりたいと発表、「Matter」との連携が決まったと報告しています。

    その他、Home Connectivity Allianceに加入したと発表しており、家電業界でも大きな話題となっていました。このことで、こういった取り組みを通して、本当にスマートホームのデータ連携規格が統一できるのではないかと感じました。

    サムスンとパナソニックの対比

    この図では、コンシューマー向け家電について発表した「サムスン」とインフラに関するテクノロジーについて発表した「パナソニック」の両極端な発表を行った両社を対比している。
    この図では、コンシューマー向け家電について発表した「サムスン」とインフラに関するテクノロジーについて発表した「パナソニック」の両極端な発表を行った両社を対比している。


    また、サムスンは、パタゴニアとの連携に関して、洗濯中に発生するマイクロプラスティックを下水に流さないことで、環境貢献する取り組みを行うと発表しました。

    講演中にも「プロダクトライフサイクル」を考え直しましょうという話をしており、ユーザーがプロダクトを使っている間の電力消費や、環境汚染などを問題視し、ユーザーが使いながら環境改善に貢献していくことが重要だとしています。

    一方、パナソニックも似たようなことを話しており、「GREEN IMPACT」を取り組みのコンセプトに掲げており、カーボンニュートラルを2030年までに実現すると発表していました。

    サムスンは、コンシューマー向け家電の製作に力を入れており、家電業界のリーダーとして、業界を牽引しユーザーが使っている間の快適な環境を構築するデバイスを出していくとし、そのために各家電メーカーと連携し、ユーザーが実際に家電を使用している間も各家電と連携し、家事などの効率化を進めていくべきだと述べていました。

    一方、パナソニックは、CESだとインフラに関するテクノロジーについて発表する傾向が強く出ており、サムスンとパナソニックで両極端なメッセージとなっておりました。

    パナソニックが、これからさらに存在感を出していくためには、市場・領域規定ができるといいなと思いました。

    スマート家電、メーカーの壁を越えた標準化

    吉田:スマート家電における、メーカーの壁を越えたデータ通信の標準化が、「Matter(マター)」の登場により整うと言われており、2022年から順次、対応したデバイスが発売されていくと言われています。Matterは、開発者が安全で信頼性の高いソリューションを簡単に作成できるようにするIoT基盤であり、自社製品を主要なすアートホームエコシステムと相互運用を可能とするものです。

    すでに、AmazonやApple、Google、SmartThingsも対応していて、多くのメーカー等の企業が参画しています。

    この、スマート標準規格「Matter」の登場で、スマートホームや家電コネクトが今後どうなっていくのかについて、小泉さんはどう思いますか?

    小泉:規格の話題は、遡ること6年前、「ZigBee」や「Z-WAVE」などさまざまな通信規格が林立していて、その統合が話題になっておりました。

    その後、2017年にAIブームが到来し、「Alexa」が注目を浴びました。

    「Alexa」が登場するまでは、大手家電メーカーは、「自分達の周りにアライアンスパートナーを集める」という発想が主流でした。「Amazon Echo」が登場し、「Alexa」がトレンドになり、Alexaバンドルの家電が一気に市場へ登場し、その後、デバイス同士を繋ぐプロトコルは、何でも良いのではないかという流れになってきたのだと思います。

    そして、家電業界の人たちは、何かと何かをつなぐための通信プロトコルの話をしている場合ではないと気づき、あらゆるメーカーが作っている製品を超えて接続する必要があると考えるようになりました。「Matter」の登場により、これまで続いた家電メーカー同士の覇権争いも収束していくと感じました。

    家中の家電を全て同じメーカーで揃えている人は、少ないと思います。バラバラのメーカーが作った家電製品を繋ごうと考えた時に、「Matter」などの規格を統一する発想は、当然に必要だと思います。規格が統一されていない場合、例えば、HEMSなど、ホームコントローラーをハブとした取り組みは、難しくなります。そのため、規格を統一する取り組みは、素晴らしい動きだと思いました。

    既存製品の「Matter」対応アップデートや「Matter」に対応したデバイスの発売は、2022年から順次、行われる。
    既存製品の「Matter」対応アップデートや「Matter」に対応したデバイスの発売は、2022年から順次、行われる。

    吉田:そうですね、半導体の影響を受けたのか、matter対応デバイスは、予定より製品の作成が遅れているというような話も出ていたりしますが、今後が楽しみな分野です。

    CES2022では、サステナビリティや環境をテーマにした発表をする企業が多く感じました。しかし、ユーザーが快適に過ごせるというところが本質的な価値としてあり、加えて環境貢献が付随してこないといけない状況になっていると感じました。

    小泉:本日はありがとうございました。

    [/wpmem_logged_in]