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  • 東京大学、色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発

    東京大学、色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発

    東京大学 生産技術研究所の杉原 加織准教授と、深圳先進技術研究院のガルッチマッシミリアノ准教授らの共同研究グループは、色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発した。

    このウェアラブルセンサは、ナノスケールでの異方性制御により、加えられた力の強さを色の変化として視覚的に捉えるものだ。

    研究では、これまで見過ごされてきた材料設計の鍵である、材料の面内方向において特性が均一でない「面内異方性」に着目し、力に反応して色を変えるメカノクロミックポリマーであるポリジアセチレンの構造をナノスケールで制御することで、力感受性を最大14倍に高めることに成功した。

    具体的には、独自に開発した、x,y,z方向の力を定量化できるナノ摩擦力および蛍光複合顕微鏡の合体装置を用いて、ポリジアセチレンを構成する高分子主鎖に対して垂直方向に力を加えたとき、蛍光強度が倍増することを突き止めた。

    なお、この現象は、力を加えた局所点から数百ナノメートル先まで力の影響が伝播する「ドミノ効果」によって説明された。

    東京大学、色の変化で力を可視化するウェアラブルセンサを開発
    ドミノ効果の観測。 a. ポリジアセチレンの薄膜を、主鎖に対して垂直方向に摩擦力顕微鏡でスキャンした際の蛍光ムービーのスナップショット。 b.:aの拡大画像。白い点線はスキャンしている場所を示す。力を印加した地点(点線より右)から離れた点でも蛍光が発光している(矢印参照)。

    さらにこの知見を活かし、指の曲げ動作で生じる力を感知するウェアラブルセンサを開発。ポリジアセチレンの主鎖を力の方向に対して垂直に配置することで、感度を最大14倍に向上させたのだ。

    これにより、電池を使わずに身近な力を可視化することができ、床ずれや靴底にかかる力の分布、部品間の摩擦などを容易に測定することが可能となる。

    東京大学 生産技術研究所の杉原准教授は、「定量的に力を読み取ることができる電池を使わないメカノクロミックセンサは、これまで測定されることのなかった身近な力を可視化し、新たな価値を生み出す可能性がある」とコメントしている。
     

    ウェアラブルデバイスの基本について知りたい方は、以下の記事も参照してくだい。
    関連記事:ウェアラブルとは?ウェアラブルデバイスのビジネス活用事例10選

  • 東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発

    東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発

    金融市場における株式取引は、様々な参加者によって同時に行われるため、複雑な挙動を示す。特に、ほとんどの金融市場では取引が電子化されている結果、株式を容易に売買できるようになっている一方、価格の急激な変動もしばしば確認されている。

    こうした中、東京大学 生産技術研究所の伊藤真利子特任講師や本間裕大准教授、立教大学 大学院人工知能科学研究科の大西立顕教授らの研究グループは、東証株式市場において、ニュースなどの外部情報が取引を起こす「外生的要因」と、取引が取引を呼ぶ「内生的要因」の影響度を推定できる新アルゴリズムを開発した。

    この研究グループは、2020年3月にCOVID-19の影響で不安定化した東証市場データを元に分析した結果、外部情報と内在ダイナミクスの相互作用による取引の増減を銘柄ごとに推定し、金融緩和政策やCOVID-19対策経済パッケージの影響を確認した。さらに、市場の反応の銘柄間差異も明らかになった。

    そして今回、外生的・内生的要因の強さを、その相互依存性も考慮しつつ、実際の市場データを網羅的に分析できるよう計算コストを考慮した新たなアルゴリズムを開発した。

    具体的には、外生的・内生的要因の時間的な連続性を制約式として明示的に導入することによって、数理最適化問題を効率的に解く「数理最適化ソルバ」での求解が容易となるような、EMアルゴリズムを提案している。

    東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発
    取引点過程と外生的・内生的要因の推定

    このアルゴリズムの導入により、市場の構造をより網羅的に理解し、特に不安定な時期における取引のダイナミクスを解析することが可能となった。

    COVID-19の流行により不安定化した2020年3月の東証市場データを用いた実分析では、27銘柄にわたる千を超える大量の点過程時系列のデータを扱い、外生的・内生的要因の時間変化を銘柄ごとに推定することに成功した。

    また、3月の全平日にわたる分析結果から、日本銀行による金融緩和政策の発表と、米国連邦議会におけるCOVID-19対策経済パッケージの与野党合意の影響が明らかになった。

    東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発
    ニュースが取引に与えた影響を外生的要因として捉えた結果

    具体的には、これらのイベント中や発表後、外生的要因による取引抑制や取引頻度の増加が観察され、同時に内生的要因による「取引が取引を呼ぶ」効果の増強も確認された。

    東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発
    日銀金融政策決定会合時の外生的・内生的要因の変動

    さらに分析を深めることで、時価総額が高い企業の銘柄は、外部ニュースへの反応が顕著である一方で、内生的要因による取引促進の効果は比較的弱いことが判明した。

    東京大学・立教大学、株式取引の要因を推定する新アルゴリズムを開発
    外生的・内生的要因の観点から見た銘柄間類似性と時価総額の関係

    両者はこれらの発見を、特定の経済イベントが市場に与える影響の理解を深めるものとし、銘柄間での反応の差異を示す示唆を提供するとしている。

    現在、研究グループのうち本間准教授、伊藤特任講師、大西教授は、金融庁金融研究センターで専門研究員としても活動しており、日本取引所グループから提供されたより詳細な研究用データを使用し、提案されたアルゴリズムの適用性を検証している。この取り組みは、2023年5月31日に金融庁と東京大学との間で結ばれた連携協力に関する基本協定に基づいている。

    今後この研究が、市場の安定性・不安定性のメカニズム解明に貢献することが期待されているほか、市場の変動をより詳細に捉え、将来的な不安定化の予兆を検出する手法の開発につながることが期待されている。

    なお、これらの成果は、東京大学生産技術研究所 複雑社会システム研究センターによる初の本格的業績として、国際誌「PLOS ONE」に2024年4月18日付で掲載された。

  • 日立と東大生研、超省エネルギー型ビッグデータ基盤の実現に向けた主要技術を研究開発

    日立と東大生研、超省エネルギー型ビッグデータ基盤の実現に向けた主要技術を研究開発

    近年、あらゆるビジネスを変革するDXが推進される中、企業が扱うデータ量は爆発的な増加を続けている。データは価値の源泉だが、その利活用には蓄積・分析のための多数のハードウェアが必要であり、その結果、ITシステムが消費する電力量はますます増大し、省エネルギー化が課題となっている。

    この課題解決に向けては、従来取り組まれてきたハードウェアだけでなく、今後はハードウェアを制御するデータベースエンジンなどのミドルウェアも含めたITシステム全体でのエネルギー効率の向上が必要となる。

    株式会社日立製作所(以下、日立)と国立大学法人東京大学 生産技術研究所(以下、東大生研)は、超省エネルギー型のビッグデータ基盤の実現に向けた主要技術を共同で研究開発した。

    具体的には、データベースエンジン内のストレージにおけるアクセスされていない領域の電源をオフにし、必要な際に遅延なくアクセスでき、かつ、省エネルギー効果を最大化する電源オン・オフ管理に必要となる超精密モデルとそれを基にした電源管理機構を開発し、データベースエンジンに適用した。

    また、超精密モデルを基に、省エネルギー化の観点から最適なハードウェアの電源制御を定義し、データへの問い合わせ実行中に最適なデーターベースアクセスを判断する動的問合せ最適化方式(※)を確立した。

    さらに、商用利用を想定して上記で開発したデータベースエンジンを設計・実装し、それを活用して消費電力のピークカット機能などの設計・実装を行った。これらの商用利用を想定した効果検証として、鉱山露天掘りの機器稼働管理IoTシステムを模した実証実験を実施した。

    実証実験では、鉱石を積み込むトラックに設置したセンサーから2週間分の積載量データを取得し、データ分析処理におけるエネルギー効率の評価を行った結果、一般的に利用されている従来型のデータベースエンジンと比較し、同一消費電力で従来比200倍超のデータ分析処理を確認した。これにより、データ分析処理の省エネルギー化を実現し、CO2排出量の削減に貢献する。

    今後日立と東大生研は、ビッグデータの活用による社会課題・経営課題の解決と、環境負荷の低減を両立する高度なコンピューティング技術の一つとして、同技術を活用した超省エネルギー型のビッグデータ基盤の実用化を目指す。

    なお、今回の共同研究は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が2016年度から2027年度にかけて展開している「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」において「先進IoT サービスを実現する革新的超省エネルギー型ビッグデータ基盤の研究開発」として助成を受け、日立と東大生研が取り組んだものである。

    ※ 動的問合せ最適化方式:データベース上にあるデータへの問い合わせ(アクセス)を実行する最も効率的な方法を、状況に応じて判断する方式。

  • SBドライブ、公道でハンドルがないバス「NAVYA ARMA」の自律走行に向けた実証実験を開始

    SBドライブ、公道でハンドルがないバス「NAVYA ARMA」の自律走行に向けた実証実験を開始

    SBドライブ株式会社は、Navyaが開発した自動運転を前提に設計されたハンドルなどがないバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」の公道での走行実証を目的に改造し、国土交通省関東運輸局長から道路運送車両の保安基準第55条による基準緩和認定を受け、車両の新規登録(ナンバーの取得)を行った。これに伴い、SBドライブは2019年7月3日から5日の3日間にわたって、東京都港区のイタリア街でNAVYA ARMAの自律走行の実証を行う。

    NAVYA ARMAは、GPSなどで自車位置を測定し、3D LiDAR(レーザースキャナー)などで障害物を検知して、あらかじめ設定したルートを低速で自律走行することが可能な車両で、走行速度や車両に設置されたセンサーによる障害物の検知範囲などを、SBドライブが走行環境に合わせて設定する。また、SBドライブの自動運転バス運行プラットフォーム「Dispatcher」と連携させることで、遠隔地から走行の監視や車両の停止・発進、運転手への指示などができる。

    同実証では、国土交通省や警察庁に加えて、SBドライブの共同研究先である東京大学 生産技術研究所 中野公彦研究室をはじめとする関係各所と検討・協議の上、訓練を受けた運転手(SBドライブの社員)と、運転手を補助する保安要員が車両に乗車して、緊急時は手動運転に切り替える他、不測の事態に備えるなどの十分な安全措置を取る。

  • BizMobile、異なるメーカーのモノやサービスの相互接続を行う新会社「IoT-EX株式会社」を設立

    BizMobile、異なるメーカーのモノやサービスの相互接続を行う新会社「IoT-EX株式会社」を設立

    モノがネットに繋がるIoT技術により、様々な分野のデータが収集でき、機器の遠隔制御が可能になった。しかし、現在のIoTは、「相互接続性」が不十分で、異なるメーカーのモノやサービスが利用できない状態である「サイロ化」であり、IoT市場拡大の障壁になっている。

    このような中、クラウド型マルチデバイス管理を提供するBizMobile株式会社では、2015年からオープンな水平分業を提唱しており、2017年以来東京大学生産技術研究所(以下、東大生産研)のIoT特別研究会のメンバーとなり、東大生産研とIoT相互接続プラットフォーム「IoT Exchange」を共同開発した。IoT Exchangeは、IoT-HUBをコアとし、通信サービスとIoTディレクトリサービス等で構成され、異なるメーカーのモノやサービスの相互接続を可能にする。

    今回、BizMobileは、IoTのサービスやモノを接続するサービスを展開する新会社「IoT-EX株式会社」を設立した。IoT-EXでは、IoT Exchangeを介して、電気通信事業者としてIoT相互接続サービスを提供する。通信の秘密を遵守するため、データを保管せず、接続事業者1経由でサービスを提供するため、個人情報を取得しない。また、IoT接続支援事業として、IoT-HUBにつなぎたいが支援が必要な接続事業者向けに、ビジネス開発、システム開発を受託する。

  • ソフトバンクと先進モビリティ、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化に向けた合弁会社を設立

    ソフトバンクと先進モビリティ、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化に向けた合弁会社を設立

    ソフトバンク株式会社と先進モビリティ株式会社は、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化に向けた合弁会社「SBドライブ株式会社」を、2016年4月に設立することで合意した。

    また、合弁会社の設立に合わせて、ソフトバンクは先進モビリティの第三者割当増資を引き受け、2016年4月に5億円を出資することも発表した。

     

    SBドライブは、東京大学生産技術研究所 次世代モビリティ研究センターの技術を基に自動運転技術を軸としたモビリティー社会の実現を目指す先進モビリティや、通信基盤やセキュリティー、ビッグデータ分析・利用などのノウハウを持つソフトバンクと連携し、さらに「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社などが協力する体制の下で、自動運転技術を活用した特定地点間のコミュニティーモビリティーや、隊列および自律走行による物流・旅客運送事業などの社会実証・実用化に取り組むという。

     

    社名:SBドライブ株式会社(英文社名:SB Drive Corp.)
    設立日:2016年4月1日(予定)
    代表者:代表取締役社長 佐治 友基(さじ・ゆうき)
    所在地:東京都港区東新橋1-9-1
    株主:ソフトバンク株式会社、先進モビリティ株式会社(2016年4月15日~)
    事業内容:自動運転技術の導入・運用に関するコンサルティング、旅客物流に関するモビリティーサービスの開発・運営

     

    【関連リンク】
    ソフトバンク(SoftBank)
    先進モビリティ(Advanced Smart Mobility)
    SBドライブ(SB Drive)
    東京大学生産技術研究所(Institute of Industrial Science, University of Tokyo)
    ヤフー(Yahoo)

  • NTTコミュニケーションズ、IoTの実用化を加速させる技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を11社で開始

    NTTコミュニケーションズ、IoTの実用化を加速させる技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を11社で開始

    NTTコミュニケーションズ株式会社(略称:NTT Com)は、IoT活用・IoTサービスの信頼性・安全性・経済性・効率性を高めるための技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」(以下、IoTテストベッド)の運用を、2月18日より開始すると発表した。

    IoTテストベッドには、IoTに関連する技術・製品を保有する国内外のハードウェアベンダー、ソフトウェアベンダー、システムインテグレーターなどがアライアンスを組み参加する。参加各社にはNTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」とグローバルVPN「Arcstar Universal One」 を参加期間中無償提供し、それらと各社の最新の技術・製品・サービスを組み合わせて実装に取り組む。これにより、相互接続性、動作安定性、処理性能、データ解析精度、運用性などを評価検証し、より使いやすく安心・安全なIoTサービスの実現に向けた技術開発、サービス開発を加速していく。

    同IoTテストベッドを活用した一連の取り組みを通じて得られる成果は、NTT Comのサービス開発・改良に役立てるだけでなく、各業種業界の企業・団体に広く共有していく。また同IoTテストベッドの参加企業・団体は随時募集し、アライアンスを国内外に拡大していく予定だという。

     

    IoTテストベッド運用開始の背景

    IoTの活用には世界中に散らばる膨大なデータを確実に収集し効率よく解析することが必要だ。そのためには、ネットワークにつながる各種デバイス、データをやり取りする通信機器、データを運ぶネットワークとクラウド基盤、データを蓄積するデータベース、情報分析などを行うアプリケーションソフトウェアのそれぞれに、より高度な先進技術を搭載していくことが求められる。

    また、ネットワークにつなげて監視・制御するカメラ、ロボット、車や各種制御システムなどの悪用・暴走・データ漏洩などを防ぐため、強固な認証/暗号化方式、サイバーセキュリティ対策、異常予兆検知といった安全対策技術の開発・実用化も必要だ。さらに、高度化するテロ・犯罪対策や、エネルギー管理、大規模自然災害への備えなど、治安・環境保全・安全保障の分野でも、IoTやデータ解析、人工知能などの情報処理技術を積極的に活用しようとするニーズが高まっている。

    IoTテストベッドは、そうした技術の開発・導入を推進するため、NTT研究所の先端技術や、国内外のベンダーが開発する新技術・新製品をNTT Comのネットワークやクラウドと組み合わせて実際に動作させ、その実用性や性能などを評価検証して、技術の改良や実装方法の改善、オペレーション手法の開発などを各社と共同で推進していこうとするものだ。

     

    IoTテストベッドの取り組み詳細

    IoTテストベッドに参加する企業は、以下のテーマの技術検証を順次実施していく。

    プロトコル変換ゲートウェイを用いたLANとWANの接続テスト

    産業用Ethernetと呼ばれる、CC-Link IE*2、PROFINET*3、EtherNet/IP*4などのベンダー固有の通信プロトコルを通信機器で標準プロトコル(OPC UA*5など)に変換し、NTT Comのクラウドへ光ファイバーやモバイル回線で送信し、実際の通信速度やデータ処理性能の限界を測定する。

    多拠点大量データの伝送およびリアルタイム処理性能テスト

    さまざまなベンダーのデバイスから送信される大量のデータを損失することなく確実にクラウドで受信し、リアルタイムに処理・蓄積できるネットワーク制御技術やミドルウェア、データベースシステムなどをNTT Comのクラウド・ネットワーク基盤上で動かし、データ処理性能や動作の安定性、実用性を検証する。

    エッジコンピューティング技術の実装テスト

    多数のセンサーやカメラが取得する大量のIoTデータの高速・リアルタイム解析を低コストで実現するため、データ蓄積・処理機能をクラウドのほか通信ゲートウェイなどエッジ(デバイス)側にも分散し、効率的にデータ処理できるエッジコンピューティングシステムをNTT Comのクラウド・ネットワーク基盤上で構築し、処理性能や動作安定性を検証する。

    IoTサービスの開発運用業務効率化に向けた各種APIを活用する開発手法の検証

    新たなIoTサービスやアプリケーションの実現可能性を評価するために、必要なデバイス、ネットワーク、クラウド、アプリケーション、セキュリティなどのAPIを、GUIを用いて任意に組み合わせ、短時間・簡易にIoTサービスの機能開発・追加ができる開発環境をNTT Comのクラウド上に構築する。その上でPoC開発を実際に行いながら使い勝手を評価し、サービス開発環境のさらなる利便性向上を目指す。

     

    今後の展開

    IoTテストベッドに参加する企業、業界団体、研究機関などを今後も募り、IoTサービスの進化に役立つ技術や製品の評価を進め、新技術の開発・実用化・導入を促進していく。また、2016年4月以降にIoTテストベッドをグローバルVPN回線でつなぎ、海外拠点との接続も提供する予定です。

    さらに、日本政府(経済産業省・総務省)が進めるIoT推進ラボ/スマートIoT推進フォーラムの活動に参画し、IoTテストベッドを活用しながら技術検証・実証事業・新規ビジネス創出を進めていくとともに、VEC(Virtual Engineering Community)、IVI(Industrial Value Chain Initiative)、重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)、一般財団法人インターネット協会 IoT推進委員会、東京大学生産技術研究所IoT特別研究会、名古屋工業大学などの各種団体やコミュニティとも連携して、IoT関連技術の共同検討・共同実験を推進する。

    これらIoTテストベッドを活用した一連の取り組みを通じて得られる成果は、NTT Comのサービス開発・改良に役立てるだけでなく、各業種業界の企業・団体に広く共有し、共同検討・共同実験・などを通じてICTを活用した新しいソリューションや新サービスの創出を促し、持続可能で活力ある豊かな社会の実現に貢献していく。

     

    【関連リンク】
    NTTコミュニケーションズ(NTT Communications)
    VEC(Virtual Engineering Community)
    IVI(Industrial Valuechain Initiative)
    重要生活機器連携セキュリティ協議会(CCDS)
    インターネット協会(IAJapan)
    東京大学生産技術研究所(Institute of Industrial Science, University of Tokyo)
    名古屋工業大学(Nagoya Institute of Technology)

  • 東大と九州工業大、海中ロボットでコバルトリッチクラストの全自動計測に成功

    東大と九州工業大、海中ロボットでコバルトリッチクラストの全自動計測に成功

    【概要】
    ■南鳥島沖合の拓洋第五海山の南東肩部において、ホバリング型自律型海中ロボット「BOSS-A」(注1、2、3)が、コバルトリッチクラスト(以下、CRC。注4)賦存地帯の長距離全自動計測に成功。
    ■搭載する音響センサ(注5)と3次元画像マッピング装置(注6)により、CRCの厚みと3次元画像を人が操作することなく全自動で計測することに成功。
    ■CRCの分布と賦存量を評価するのに有益なデータを取得。
    ■CRCの資源開発の適性度を効率的に評価する全自動観測手法を世界に先駈けて確立。

     

    東京大学生産技術研究所海洋探査システム連携研究センター、九州工業大学社会ロボット具現化センターを中心とする研究グループでは、CRC賦存量評価に役にたたせるため開発したホバリング型自律型海中ロボット(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)「BOSS-A」を南鳥島沖合の拓洋第五海山の南東肩部(水深1,380m~1,550m)(22°44.8N、153°16.0E)において展開し、海底面近傍を2.0mの高度、0.1m/sの速度で自動航行し、搭載する音響センサによりCRCの厚みを線状に連続計測し、海底面の形状や底質を計測する3次元画像マッピング装置により、CRCの分布を2.0mの幅で連続計測し、人が操作することなく全自動でのCRC調査に成功した。

     

    「BOSS-A」での潜航は、悪天候のため2日に制限されたが、夜間潜航も含めて4潜航を実現、合計で約2.0kmの距離を計測した。

    今回の調査では、1潜航で最大4時間20分の観測を行い約1.2kmの測線のデータを計測。取得した音響厚みと3次元画像マッピングデータの統合解析により、合計で4,000m2の範囲のCRCの賦存量推定を可能とした。

    2013年に日本は3000km2の広大な鉱区の探査権(別サイトを参照)を獲得した。2013年から2028年までの15年間で調査を行い、有望な鉱区を絞り込む必要がある。今回の「BOSS-A」での調査により、CRCの分布と賦存量を評価するのに有益なデータを、人が操作することなく全自動で調査する手法が確立された。

    今後は、同技術の民間への移転、複数のAUVによるシステマチックな調査により、資源開発の適性度を効率的に評価して、獲得する鉱区を最終的に絞り込む日本が実施する戦略的な調査に大きく貢献することが期待される。

     

    (注1)自律型海中ロボット(AUV:Autonomous Underwater Vehicle):動力源を持ち、プロペラ等を用いてあらかじめ決められたルートに沿って無索で全自動で海中を観測する装置。

    (注2)ホバリング型AUV:広範囲を高速で航行することをミッションとする航行型AUVと異なり、運動自由度が高く、定点保持・その場回頭、その場での上下運動が可能なAUV。対象を詳細観測することを主要ミッションとする。

    (注3)「BOSS-A」(「BOttom Skimming and Survey」:重量600kgの中型ホバリング型AUV。CRC音響厚み計測と 3次元画像マッピング装置を搭載し2m高度から全自動計測を行う。ペイロードスペースを大きく取っているため、CRC音響厚み計測装置等を取り外し別の計 測センサを搭載することで別ミッションへの対応が可能である。

    (注4)CRC(コバルトリッチクラスト):鉄とマンガンの酸化物からな る海水起源の化学堆積岩。学術的にはマンガンクラスト、鉄マンガンクラストと呼ばれることが多い。海山や平頂海山などの海底において、数cm~10数cm の厚さで基盤をカバーしており、広い範囲にわたって分布していることが知られている。1%以下のコバルト(Co)、ニッケル、3ppm以下の白金などを含 んでいる。低品位巨大鉱床として注目されている。

    (注5):音響計測センサ:「BOSS-A」には、ジンバル制御を行う音響厚み計測装 置が搭載されている。パラメトリック効果で発する200kHz(2次波)の音響ビームを高度1.2mで海底面にビームの焦点を自動的に合わせる。ターゲッ トにあたるビームの直径は20mm程度で、海底下30cmまでの内部構造を計測できる。ジンバル制御により超音波が海底面に対して直角に入射するよう自動 的に角度を制御する。

    (注6):画像マッピングシステム:「BOSS-A」には、レーザとカメラシステムを組み合わせた低高度用3次元 画像マッピングシステムを搭載(2m高度、2m幅の面的なデータ取得が可能)。最新版の3次元画像マッピングシステムは、2m~10m高度までの高度調整 が可能であり、小型AUV/ROVに搭載できるよう小型化を実現している。

     

    【関連リンク】
    東京大学(The University of Tokyo)
    東京大学生産技術研究所(Institute of Industrial Science, University of Tokyo)
    九州工業大学(Kyutech)
    九州工業大学社会ロボット具現化センター(Center for Socio-Robotic Synthesis)