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  • 日立、高速・低コストなデータ利活用基盤をAWS上で構築可能なデータベースエンジンのベストプラクティス構成を提供開始

    日立、高速・低コストなデータ利活用基盤をAWS上で構築可能なデータベースエンジンのベストプラクティス構成を提供開始

    社会の不確実性が高まる中、多くの企業では、日々発生する現場のデータを活用したビジネスの意思決定の迅速化やデータ分析の詳細化などの取り組みが活発化している。そのため近年では、複数拠点のデータを統合できるデータ利活用基盤をクラウドを利用して構築するケースも増えており、そのデータ利活用基盤には、大量のデータを高速に処理できるための性能と、大量のデータを蓄積するためのクラウドストレージの利用コストを抑えることが求められている。

    株式会社日立製作所では、大量データの複雑な分析の高速化に適した「非順序型実行原理」を実装した超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder」(以下、HADB)を製造・流通、金融、社会、公共分野などに導入するとともに、発生データのリアルタイムでの取り込みやアマゾン ウェブ サービス(AWS)などのクラウド対応など、順次強化してきた。

    このほど日立は、高速かつ低コストなデータ利活用基盤をAWS上で構築可能なHADBのベストプラクティス構成(検証済みのシステム構成)の提供を開始した。

    HADBのベストプラクティス構成は、HADBをAWS上で利用するための環境として、性能面とコスト面のバランスを踏まえた実機検証済みの構成群である。具体的には、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)のインスタンス選定方法や、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)(※1)、Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)(※2)のボリューム構成・設定をDBデータの容量別にパターン化しており、このベストプラクティス構成を活用することで、システム検討の期間を短縮する。

    同構成では、安価なAmazon S3にDBデータを格納するとともに、処理性能を向上させるために高速なAmazon EBSをDBデータのキャッシュとして利用する。これにより、AWSのクラウドストレージのコストを抑えた上で、高速なデータ処理を可能にした。

    例えば、DB容量20TBをAmazon S3に格納し、キャッシュとしてAmazon EBSを2TB利用するHADBベストプラクティス構成において、DB容量を全てAmazon EBSに格納する構成と比べ、クラウドストレージの利用コストが下がり、AWS利用料を約2割低減する。これにより、AWS利用料にHADBライセンス料を合算した場合でも、同規模の一般的なデータ分析用DBサービスと比較して、約2割のコスト低減が見込めるという。

    日立、高速・低コストなデータ利活用基盤をAWS上で構築可能なデータベースエンジンのベストプラクティス構成を提供開始
    Amazon S3を用いたHADBベストプラクティス構成のイメージ

    日立は、このベストプラクティス構成において、製造業などで用いられる4M(※3)の構成要素から製造工程をモデル化したベンチマークである4mbenchによる評価を実施し、クラウド上の一般的なデータ分析用DBサービスと比較して、7倍以上の処理速度を達成できることを確認した。

    同ベストプラクティス構成を活用することで、データ利活用基盤のシステム検討期間を短縮できるうえ、クラウドの一般的なDBサービスよりも、利用料金を低減する。これにより、製造・流通のトレーサビリティなど、多種多様で大量なデータを多角的に分析するための高速なデータ利活用基盤を低コストで利用可能だ。

    なお、Microsoft Azureに対応したHADBのベストプラクティス構成も今後提供する計画としている。

    ※1 Amazon S3:AWSが提供するクラウドストレージサービスの1つ。安価で耐久性が高く、大量のデータ保存に適する。
    ※2 Amazon EBS:AWSが提供するクラウドストレージサービスの1つ。特に処理速度を高速化したいデータの保存に適する。
    ※3 4M:Man(人)、Machine(機械)、Method(方法)、Material(材料)の4つの要素からなるフレームワーク。製品の品質管理などに活用する。

  • 日立、J-クレジットのデジタル化に向けてサステナブルファイナンスプラットフォームを適用した検証を開始

    日立、J-クレジットのデジタル化に向けてサステナブルファイナンスプラットフォームを適用した検証を開始

    近年、脱炭素への関心が高まっており、企業だけでなく、自治体・一般家庭でも、省エネルギー・再生可能エネルギー設備の導入や、環境に配慮した投資、植林などが積極的に行われている。こうした取り組みを促進するため、2013年度から経済産業省・環境省・農林水産省が連携し、温室効果ガスの排出削減・吸収量をカーボン・クレジットとして国が認証するJ-クレジット制度を運営している。

    しかし、J-クレジットの認証・発行に必要となる温室効果ガスの排出削減・吸収量の計測や算定、検証は人手で行っており、膨大な時間と手間がかかるため、特に中小企業や一般家庭での活用が伸び悩んでいるという課題があった。そのためIoTやブロックチェーンなどデジタル技術を活用した、J-クレジットの認証・発行の簡易化が求められている。

    株式会社日立製作所(以下、日立)は、J-クレジットの認証・発行といったプロセスのデジタル化に向けて、2023年11月から本格的に実証を開始する。

    同実証では、太陽光発電を対象に、日立のサステナブルファイナンスプラットフォームの一部を適用し、IoTセンサーなどを使ったデータ収集から、ブロックチェーンを使ったデータの検証、J-クレジットの認証・発行まで、一連のプロセスのデジタル化に関する効果検証を行う。2023年6月から実証計画を策定しており、11月から実機システムを使って本格的な実証を行い、2024年3月までに実証効果の整理と実運用に向けた計画の検討を行う予定としている。

    サステナブルファイナンスプラットフォームは、企業のESGデータやグリーンプロジェクトの稼働データを収集・可視化し、サステナブルファイナンスの促進を支援するプラットフォームである。今回の実証で利用するサステナブルファイナンスプラットフォームのグリーン・トラッキング・ハブは、IoTやブロックチェーンを活用することで、投資先プロジェクトの設備の稼働データを安全に収集し、モニタリング/レポート作成までを自動化する。

    なお、サステナブルファイナンスのエンゲージメントサポートサービスは、運用機関とその投資先である上場企業をデジタルプラットフォームでシームレスにつなぎ、ESGに関する相互理解や情報開示などを促進するものである。日立と7社の金融機関が共同で一般社団法人サステナブルファイナンスプラットフォーム運営協会を設立し、取り組む。
    日立、J-クレジットのデジタル化に向けてサステナブルファイナンスプラットフォームを適用した検証を開始
    日立は、2022年4月に日本取引所グループはじめ3社と協業し、2022年6月にはデジタル環境債を発行している。デジタル環境債のシステムの一部を開発しており、サステナブルファイナンスプラットフォームのグリーン・トラッキング・ハブを適用することで、投資家のグリーン投資をもとに建設した再生可能エネルギー発電設備のCO2削減に関するデータを記録・管理している。

    今回、こうした稼働実績のあるグリーン・トラッキング・ハブをもとに、J-クレジットの認証・発行のデジタル化に向けて、対象設備のデータ収集・検証・報告を簡易化する基盤(簡易創出基盤)を構築した。具体的には、IoTセンサーで計測した発電量をもとにCO2削減量の測定・算定するほか、ブロックチェーン上への記録や、J-クレジット登録簿システムへのデータ連携まで、自動的に行う。同基盤より、J-クレジットの認証・発行にかかる手間を削減し、J-クレジットの供給量拡大につなげる。

    また日立は、2022年9月~2023年1月に東京証券取引所が実施したカーボン・クレジット市場の実証事業(試行取引)における取引システムを、日本取引所グループ傘下の株式会社JPX総研とともに共同開発している。なお、2023年10月に東京証券取引所は常設のカーボン・クレジット市場を開設しており、引き続き同取引システムが利用されている。

    カーボン・クレジット市場のシステム開発を通じて把握した供給者・需要者のニーズをもとに、日立は今後、太陽光発電以外の再生エネルギー設備・森林など連携することで対象とする方法論を拡大していくほか、プロジェクトの実施場所・温室効果ガスの排出削減・吸収量のモニタリング情報など、さまざまな属性情報を需要者が確認できるようにし、カーボン・クレジットの透明性をさらに向上させることで、利便性の向上に貢献するとしている。

    なお同実証は、日立が、環境省の「令和5年度 J-クレジット制度に係るデジタル技術活用に向けた調査検討委託業務」の委託事業者であるデロイトトーマツコンサルティング合同会社の協力事業者に採択され、取り組むものである。

  • 日立、地域企業の脱炭素経営を支援する金融機関に向けた環境情報管理サービスを提供開始

    日立、地域企業の脱炭素経営を支援する金融機関に向けた環境情報管理サービスを提供開始

    近年、脱炭素化への社会的な関心の高まりとともに、大企業はもちろんのこと、中堅・中小事業者もGHG排出量を算定する必要性が高まっている。例えば、サプライチェーン全体の排出量の算定にあたり、大企業がサプライヤーである中堅・中小事業者に対して、製品などのGHG排出量の算出を求めることが増えている。こうした背景のもと、中堅・中小事業者は、GHG排出量を算定するための具体策や、安価で使いやすいサービスを求めており、取引先である地域金融機関に多くの相談が寄せられている。

    株式会社日立製作所(以下、日立)は、地域企業の脱炭素経営を支援する金融機関向けに、環境情報管理サービスの提供を開始する。

    同サービスは、日立がエネルギー使用量などのデータの入出力を目的としたExcelベースの帳票と、そのデータを蓄えるクラウドをパッケージ化したサービスを、地方銀行や信用金庫などの地域金融機関に提供する。金融機関は、エンドユーザーである中堅・中小事業者の温室効果ガス(GHG)排出量の効率的な算定を支援する。さらに、その算定結果をもとに削減計画をコンサルティングするなど、中堅・中小事業者の脱炭素経営を推進するとともに、金融機関の脱炭素化関連事業の展開も加速する。

    ランニングコストの多くを占めるデータベースの部分には、日立の環境情報管理サービス「EcoAssist-Enterprise」のクラウドサービスを活用している。また、入出力帳票を主なユーザーと想定する中堅・中小事業者に合わせた機能とすることで、開発コストを抑制し、低価格で提供できるサービスとした。

    入出力帳票は、日ごろから使い慣れたExcelをベースとすることで、中堅・中小事業者にとって使いやすさに配慮した操作性としている。GHG排出量の算定に必要な、エネルギー使用量などのデータをExcelに入力することで、EcoAssist-Enterpriseのクラウド上に登録される。また、登録したデータをExcelのシート上でグラフ化し、GHG排出量を可視化することで、入出力ともExcel帳票で完結するインターフェースとした。

  • 日立、融資の申込から融資実行後の管理までデジタルで完結する「金融機関向け融資DX推進サービス」を提供開始

    日立、融資の申込から融資実行後の管理までデジタルで完結する「金融機関向け融資DX推進サービス」を提供開始

    金融機関は近年デジタルシフトを加速しており、代表的な業務の一つである融資業務においても、電子契約サービスの活用を進めている。しかし、申込から融資実行後まで多くの業務プロセスがあること、また犯罪収益移転防止法に基づく厳格な本人確認という高い法的正当性や、デジタル空間上での取引データの真正性の確保(※)・長期保管などが求められることから、融資業務の一部である契約プロセスの電子化に留まっている。

    株式会社日立製作所(以下、日立)は、金融機関の一連の融資業務をデジタルで完結するクラウドサービス「金融機関向け融資DX推進サービス」の提供を開始した。

    同サービスは、法人向け融資・個人ローン・住宅ローンなど各種融資業務において、従来、紙や個別システムを使いながら行っていた申込から、審査連携、契約、融資実行後の管理まで、一連の融資業務をデジタルで完結可能とするサービスである。

    具体的には、同サービスの基本メニューとして提供するAPI連携により、金融機関ですでに活用している融資審査システム・電子契約サービスなどはそのまま利用しつつ、融資の際に必要となる保証会社・不動産販売業者などともシームレスに連携する。金融機関はポータルサイトから、エンドユーザー・保証会社などはMyPageから同サービスを活用することで、融資取引におけるあらゆるステークホルダーにおいて一連の融資業務をWeb上で完結する。

    また、電子署名法に準拠し、デジタルトラスト技術を活用することでデジタル空間上での取引の真正性を担保しているため、従来は紙での対応が必要となっていた業務のペーパーレスや、発行元証明付き電子交付による文書の郵送レスも実現する。

    さらに、法人向け融資・個人ローン・住宅ローンなど各種融資事務において、デジタル完結に必要な7つのメニューをクラウド上で提供する。具体的には、法人向け融資では、デジタルトラスト技術を用いて法人代表者以外の社員に取引権限を委任する管理機能を、個人向け融資では、住宅ローン申込時に住宅販売業者からの代理申込可能な機能や、ローン取引を契機に保険やその他のローンなどセカンドセールスの機会を創出する機能などを備えている。

    これにより、金融機関は各社のデジタル戦略に基づき、必要なメニューのみスモールスタートで導入できるため、エンドユーザーへの迅速なサービス提供と、利便性向上による競争力強化を実現する。

    同サービスにより、日立は、融資業務のペーパーレス化による郵送・印刷・書類管理といった事務効率の向上や、Webを使った非対面化の支援などを行い、金融機関のデジタルシフトの加速に貢献する。

    なお、今回のサービス提供開始に先立ち、地域金融機関をはじめ7行に導入しており、同サービスの1メニューである当座貸越メニューを使った場合、1万時間超の事務コストを削減するなど、業務効率化の有効性を確認している。

    ※ デジタル空間上での取引データの真正性の確保:正当な人が記録し確認された情報に関して、第三者から見た作成の責任の所在が明確であり、かつ、故意または過失による、虚偽入力、書き換え、消去、及び混同が防止されていること。

  • 日立とAWS、オンプレミスとクラウド間のミッションクリティカル向けクラウドストレージサービス「VSP on cloud」を提供開始

    日立とAWS、オンプレミスとクラウド間のミッションクリティカル向けクラウドストレージサービス「VSP on cloud」を提供開始

    不確実性の高まりを背景に、サステナビリティ(持続可能性)を重視した経営・事業変革に対する関心が高まっている。それに伴い、オンプレミスとクラウドを適材適所で利用し、あらゆるデータを安全かつ自在に利活用することで、さまざまな変化に柔軟で迅速な対応ができるシステム基盤に期待が高まっている。

    しかし、既存の基幹システムをモダナイズするためクラウドを適材適所で利用するには、ハイブリッドクラウド環境の高信頼化、クラウド環境に合わせたシステム構成や運用の再設計、構築、検証といった多くの作業が必要であり、これらが基幹システムでクラウドを利用する際の大きな課題となっている。

    株式会社日立製作所(以下、日立)とアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)は、ロケーションを意識せず機密性の高いデータを容易に利活用できるハイブリッドクラウド環境の実現をめざし、日立ストレージの技術や運用ノウハウをクラウド環境に拡大する取り組みを推進しており、協創を進めてきた。

    このほど両社は、ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi(以下、EverFlex)」において、協創の成果に基づき、オンプレミスとクラウドにまたがるミッションクリティカル環境での、高信頼かつ柔軟なデータ利活用を可能にするクラウドストレージサービス「Hitachi Virtual Storage Platform on cloud(以下、VSP on cloud)」の提供を開始した。

    日立とAWS、オンプレミスとクラウド間のミッションクリティカル向けクラウドストレージサービス「VSP on cloud」を提供開始
    ハイブリッドクラウドソリューションの強化ポイントと利用イメージ

    VSP on cloudでは、AWS上で日立のストレージ基本ソフトウェアを搭載したデータ基盤が利用できる。ミッションクリティカルシステムの高信頼を支えてきたシステム構成や運用を、AWS上に適用できるため、クラウド移行に伴う構成や運用の再設計、構築、検証などのカスタマイズ作業の負担を低減する。また、クラウドへ移行したシステムはオンプレミス同様に日立が運用するため、クラウド利用に伴う運用負担の増加を極小化する。

    これらにより、オンプレミスとクラウド間でミッションクリティカルなシステムの移行を容易化できるため、より柔軟なハイブリッドクラウド環境を実現でき、ビジネス環境の変化への適応に貢献する。

    またVSP on cloudおよび各種データ連携ソリューションにより、オンプレミスの機密性が高いデータを安全かつ容易にAWS上に移動や複製ができるため、AWSのコンピュートリソース(クラウドサービス上で利用可能な仮想サーバー)や多様なクラウドサービスと連携したデータ利活用の幅が拡がる。

    さらに、システムの優先度に合わせて段階的にコンテナ化を進める際に、例えば、コンテナの操作を管理・自動化するためのオープンソース・ソフトウェア「Kubernetes」を活用したハイブリッドクラウドアプリケーションプラットフォームである「Red Hat OpenShift Container Platform」と連携することで、マイクロサービスがアクセスするデータの所在を意識する必要がなくなる。

    これにより、機密性が高いデータを活用したアプリケーション開発の加速に貢献し、アプリケーションを含めたシステム全体としての可搬性をさらに向上することが可能となる。

    加えて、VSP on cloudにより、データ保全性の高いリモートコピー機能をハイブリッドクラウド環境で自在に利用できるようになる。これにより、オンプレミスとクラウドにまたがった災害対策環境を容易かつ柔軟に構築することができる。また、コピーデータを利用し、AWSのさまざまなクラウドサービスと連携したデータ利活用基盤や開発基盤の構築も可能としている。

    今後、書き込みデータの多重化による耐障害性の向上や、クラウド障害にも備えたマルチアベイラビリティゾーン構成にも対応するなど、システム全体の持続性を高めるサービスを強化するとのこと。

  • 日立、製品別のCO2排出量を算出・可視化する自社取り組みを「EcoAssist-Pro/LCA」として外販化

    日立、製品別のCO2排出量を算出・可視化する自社取り組みを「EcoAssist-Pro/LCA」として外販化

    これまで企業は「地球温暖化対策の推進に関する法律」や「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」に対応するため、事業単位の温室効果ガスの排出量可視化に取り組んできた。今後、欧州エコデザイン規制(ESPR)や炭素国境調整メカニズム(CBAM)が順次導入されることで、企業は製品ごとの排出量を定量的に算定することも求められる。

    現在多くの製造業では、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量算定において、データ収集や算定に多大な人手と時間を要している。今後は、全製品に対象が拡大となることが予想されており、現状のステークホルダーからの要求に基づく都度算定からの脱却、さらに事業単位の排出量のエビデンスとなる算定の仕組みを構築することが必要不可欠となる。

    株式会社日立製作所(以下、日立)は、ストレージをはじめとしたITプロダクツ設計・製造拠点である神奈川事業所における、カーボンニュートラルに向けた製品のライフサイクルアセスメント(LCA)の取り組みやノウハウを「EcoAssist-Pro/LCA」として社内外に展開することを発表した。

    EcoAssist-Pro/LCAは、BOMをベースに調達する素材・部品の重量、自社の加工・組立・検査工程の電力量、製品の消費電力などの関連システムと連携し、製品単位でのCO2の排出量を実態に沿って算定することを可能としたシステムである。これまで日立は「EcoAssistシリーズ」として「EcoAssist-Enterprise」を製造、流通・小売、電力などの業種に提供し、事業単位での脱炭素を支援してきた。今回、製品単位の脱炭素を支援すべく、EcoAssist-Pro/LCAをEcoAssistシリーズのラインアップに加え、新たに外販化する。

    神奈川事業所では、新製品や既出荷製品に関わらず、約950の販売形名を対象に、設計部品表(BOM:Bill of Materials)をベースに原料の調達から製造工程における燃料・電力の使用、製品の使用・廃棄に至るCO2の排出量を、製品単位で精緻に自動算定・可視化する実証を2023年1月から行っている。

    同実証では、BOMから部品の材料や重量情報を取得し、Scope3の上流におけるサプライヤー側からのCO2排出量を算出する。Scope1、2においては、製品ごとに異なる製造プロセスや使用設備に基づき、電力量、燃料使用量の実測値から排出量を算出する。これに加えて、Scope3の下流の製品使用時の消費電力をデータベースから取得し、製品廃棄時の排出量も加算することで、Scope1~3の製品レベル全体でのCO2排出量算出の自動化、ダッシュボードによる見える化、さらに各種分析ができることを確認した。

    これを受けて、EcoAssist-Pro/LCAの拡販活動を開始するとともに、要件定義、企業環境での実証実験を順次進め、2024年3月の提供開始をめざす。

    日立、製品別のCO2排出量を算出・可視化する自社取り組みを「EcoAssist-Pro/LCA」として外販化
    「EcoAssist-Pro/LCA」のダッシュボード画面

    また、最近では、神奈川事業所以外でも大みか事業所の一部製造工程にてEcoAssist-Pro/LCAを活用した実証を進めているほか、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務める「Green x Digitalコンソーシアム」に参加することにより、自社のCO2排出量をサプライチェーン上で共有することで、サプライチェーン全体における排出量の算定に向けた取り組みを先行的に進めている。

    日立は今後、神奈川事業所での実証を引き続き推進するとともに、さまざまな企業間取引を支えるクラウドサービス「TWX-21」とのEDI連携によりサプライヤーからの1次情報を取得するなど、さらなる算定精度の向上によるソリューションの機能強化を図る。また、製造業におけるレジリエンス強化やGX推進に向け、日立グループのLumadaソリューションのみならず社外のシステムやサービスとのネットワークもあわせて強化し、グローバルでの企業間データ連係を推進していく。

  • 東和ハイシステム・日立、AI音声認識対応の歯科医院向け電子カルテを販売開始

    東和ハイシステム・日立、AI音声認識対応の歯科医院向け電子カルテを販売開始

    東和ハイシステム株式会社と株式会社日立製作所(以下、日立)は、2022年2月15日に音声認識対応の歯科医院向け電子カルテシステムの協創開始を発表し、製品開発を推進してきた。

    そして本日、東和ハイシステムよりAI・音声電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit AI-Voice」の販売を3月上旬から開始することを発表した。

    「Hi Dental Spirit AI-Voice」は、東和ハイシステムの歯科医院向け電子カルテシステムと、日立のAI音声認識技術および音声活用ソリューション「Recware」の音声テキスト化機能を連携・融合することで、歯科医が診療中に手袋を外さず、音声だけで電子カルテを作成・操作することができるシステムだ。

    東和ハイシステム・日立、AI音声認識対応の歯科医院向け電子カルテを販売開始
    「Hi Dental Spirit AI-Voice」のシステム構成図

    また、スマートグラスを装着することで、視線を少し動かすだけで120インチサイズ相当の画面を通じて電子カルテの内容確認が可能だ。

    例えば、歯周病検査においては、歯科衛生士が検査をしながら音声入力で検査結果を記録できるようになり、これまで2人で行っていた歯周病検査を1人で行うことができる。

    さらに、患者との会話の記録も音声データで電子カルテに保存することが可能だ。

    今後は、歯科医院の現場データを安全に分析・活用できるクラウドサービスとして発展させていくとしている。

  • 栗田工業と日立、「環境負荷ゼロ」の循環型社会を見据えたソリューションの社会実装とエコシステムの構築に向けて協創

    栗田工業と日立、「環境負荷ゼロ」の循環型社会を見据えたソリューションの社会実装とエコシステムの構築に向けて協創

    2015年に国際連合で採択されたSDGsや温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みであるパリ協定、日本政府が提唱するSociety 5.0など、持続可能な社会の実現と人々のQoLの向上をめざした世界的な取り組みが近年、加速しており、社会課題はより幅広く高度なものとなっている。また、デジタル化社会の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大などをきっかけに、こうした変化はますます加速している。

    栗田工業株式会社と株式会社日立製作所(以下、日立)は、製造業を主軸に、循環型社会を見据えた両社のソリューションの社会実装とエコシステムの構築に向けて本格的な協創を開始することに合意し、基本協定書(MOU)を締結した。

    同協創では、両社で製造業を主軸とした社会価値を定義し、栗田工業が保有する産業における多様な現場接点や水処理・廃棄物削減技術、およびデジタルソリューションと、日立が保有する環境データの見える化・分析・制御技術といったLumadaソリューションや環境負荷低減技術(水素によるエネルギー循環等)などの技術・ノウハウを融合して価値創出モデルを具現化し、顧客にソリューションを提供していく。

    一例として、食品工場などから製造副産物として排出される有機物を資源として捉え、両社の保有する資源アップサイクル/エネルギー回収技術、およびLumadaソリューションを活用した循環を証明する仕組みなどを組み合わせ、資源の持つ価値を最大限に引き出すサプライチェーンの構築をめざす。

    また今後、両社は継続して協創テーマの検討・協議を進めるとともに、日立のLumadaアライアンスプログラムを活用し、実現すべき社会価値を共有する企業とのエコシステム構築にも積極的に取り組み、これに賛同する企業・団体を募るとのこと。これらの活動を通し、水資源の保全・改善や持続可能なエネルギー利用などの課題解決に取り組み、循環型社会の実現に貢献する。

    なお、両社はすでに、原料ヤード管理のDXに関する協創に取り組んでおり、今回のMOU締結を機に、循環型社会の実現に向けて検討領域を拡大するとともに、協創を加速させるとしている。

  • 日立と山形県東根市、リアルタイム洪水予測と避難・緊急活動シミュレーション技術活用に関する研究で有効性を確認

    日立と山形県東根市、リアルタイム洪水予測と避難・緊急活動シミュレーション技術活用に関する研究で有効性を確認

    近年、日本では気候変動などの影響から水害が激甚化・頻発化する傾向にあり、自治体にはハード面およびデータなどを活用するソフト面の対策強化が求められている。

    山形県東根市(以下、東根市)では、日本各地で集中豪雨が発生した「令和2年7月豪雨」当時、地形や天気予報などの情報をもとに最上川からの浸水被害に備えて対策をしていたが、実際の浸水は最上川の支流から発生しており、従来方法での予測は難しさがあったのだという。

    東根市はこれを受け、西部防災センター(避難所)を新設するなど、ハード面の整備を進める一方で、浸水被害予測などのソフト面の強化を検討していた。

    そうした中、株式会社日立製作所(以下、日立)は、東根市とともに、リアルタイム洪水予測と避難・緊急活動へのシミュレーション技術活用に関する共同研究を、2022年6月から9月まで実施し、その有効性を確認したことを発表した。

    この共同研究では、国土交通省東北地方整備局、山形県が保有する最上川流域の河川データ・水位データと、2020年7月27日から4日間の予測降雨データを活用し、日立グループのリアルタイム洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood」(以下、DioVISTA)で、東根市周辺の浸水を予測し、その結果と実績を比較した。

    日立と山形県東根市、リアルタイム洪水予測と避難・緊急活動シミュレーション技術活用に関する研究で有効性を確認
    共同研究で検証したシミュレーション技術のシステム概念図

    その結果、東根市内の浸水は発生の約1.5日前から予測できたこと、および実際の浸水域と高い整合性があることが分かった。

    また、「令和2年7月豪雨」による浸水が支流から発生したこと、その原因は、最上川と支流の合流部でバックウォーター(背水)現象が発生し、支流の水位が上がったためであったことが確認された。

    さらに、日立がプロトタイプ版として開発した「避難・緊急活動支援システム」を、DioVISTAのデータと連係させ、浸水に伴う影響の確認や避難誘導計画の検討を行った。

    具体的には、河川テレメータや各種地図情報と、DioVISTAによる洪水・浸水シミュレーションデータを連係させることで、浸水が発生した時に、影響を受ける人口「浸水曝露人口」の推計や道路の通行規制箇所の予測、避難所情報などを画面上に表示する。

    その結果、DioVISTAが発生の6時間前に予測した浸水の再現率は97%(※)で、浸水原因が特定できたのだという。

    ※ 国土地理院が実際の浸水状況などを元に作成した浸水推定図(最上川水系最上川、2020年7月29日20時作成)と、日立が発生の6時間前に予測した浸水域について、25mメッシュでの浸水の有無で比較。実際に浸水した範囲に対し、浸水すると予測した範囲(再現率)は97%、浸水すると予測した範囲に対し、実際に浸水した範囲(適合率)は56%だった。なお、浸水予測には当時の予測降雨データを用いたが、実績降雨データを与えた場合、再現率97%、適合率は78%に高まった。

    日立と山形県東根市、リアルタイム洪水予測と避難・緊急活動シミュレーション技術活用に関する研究で有効性を確認
    左:DioVISTA予測した発生6時間前の浸水状況 右:浸水推定図

    また、「令和2年7月豪雨」に関する「避難・緊急活動支援システム」の提案内容を東根市の担当者にて検証した結果、各種施設情報を浸水予測と合わせて流域自治体関係者で共有することにより、災害対応行動の検討に有用であることが確認された。

    今後日立は、東根市とともに今回の共同研究結果を総合治水対策の事例として周知を図るとともに、今回活用したデジタル技術を総合治水対策ソリューションとして実用化し、自治体へ広く展開するとしている。

  • 日立、SAPのPEOソリューション導入を容易にするテンプレートを開発しコンサルティングを強化

    日立、SAPのPEOソリューション導入を容易にするテンプレートを開発しコンサルティングを強化

    株式会社日立製作所(以下、日立)は、製造業向けに設計から製造までの情報を統合管理できるERP(統合基幹業務システム)「SAP S/4HANA Manufacturing for production engineering and operations(PEO)」(以下、SAPのPEOソリューション)の導入を容易にする「日立 設計・製造テンプレート」を開発し、このテンプレートを用いたコンサルティングを、2022年12月7日から提供開始する。

    「日立 設計・製造テンプレート」は、日立グループ会社向けに、SAPのPEOソリューションを導入したノウハウと、SAPソリューションの導入実績を組み合わせ、業務フローや業務プロセスを整理して汎用化・システム化したものだ。

    「日立 設計・製造テンプレート」を活用したコンサルティングは、設計から製造までの各部門を横断した一連の業務フローに沿ったSAPのPEOソリューションの導入プロセスや要件を確認、検討する。また、一連の業務において、例えば、設計変更が発生した場合に必要となる業務の検証について、実際の画面や操作手順なども整備している。

    対象は主に準量産品を扱う企業だが、今後、量産品や受注生産品への対応や、適用業務範囲の拡大を図るとしている。