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  • 富士通、専有環境で生成AIの自律運用を実現する「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」を発表

    富士通、専有環境で生成AIの自律運用を実現する「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」を発表

    富士通株式会社は、企業が自社の専有環境下で、生成AIモデルの開発・運用・追加学習までを自律的に実行できるプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」を発表した。

    同プラットフォームは、オンプレミス環境向けの「Private AI Platform on PRIMERGY」および「Private GPT」上で提供されるプラットフォームだ。

    顧客のデータセンタや富士通のデータセンタなど、閉じたネットワーク環境を選択できるため、機密データを外部に出すことなく安全に生成AIを活用することができる。

    富士通、専有環境で生成AIの自律運用を実現する「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」を発表
    「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」の概観図

    セキュリティ面では、7,700種以上の脆弱性に対応したスキャナーとガードレール技術を搭載している。プロンプトインジェクションなどの攻撃や、不適切な出力を検知・抑止するほか、検出した脆弱性に対する対策ルールを自動生成する機能を備えている。

    ROI(投資対効果)に直結するコスト課題に対しては、富士通独自の「量子化技術」で対応する。

    具体的には、同社の大規模言語モデル「Takane」を中核としつつ、AIモデルを軽量化することで、メモリ消費量を最大94%削減することに成功した。

    これにより、高価な計算リソース(GPUなど)の利用効率を高め、AI活用コストを低減する狙いだ。

    また、企業独自のデータを学習させる「ファインチューニング」機能も内製化できるため、業務特化型モデルの継続的な改善を自社内で行うことができるのだという。

    その他の特徴としては、ローコード・ノーコードでAIエージェントを構築できるフレームワークの提供や、生成AIの標準インターフェースである「MCP(Model Context Protocol)」やエージェント間通信への対応が挙げられる。

    今後富士通は、2026年2月2日より先行トライアルの受付を開始し、同年7月に正式提供を開始する予定だ。

    加えて、同プラットフォームを物理領域であるフィジカルAIへも展開し、あらゆる業種・業務における生成AIの実装を支援していくとしている。

  • 富士通、セキュアな自動化を可能にするマルチAIエージェントフレームワークを始めとするPhysical AI技術を公開

    富士通、セキュアな自動化を可能にするマルチAIエージェントフレームワークを始めとするPhysical AI技術を公開

    富士通株式会社は、NVIDIAの技術を活用し、Physical AIやAIエージェントをシームレスに連携させる新技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」を開発したと発表した。

    この技術は、同社のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」と、NVIDIAのソフトウェアスタックを統合したものだ。

    中核となる「マルチAIエージェントフレームワーク」は、ビジュアルなインターフェース上で業務フローを設計でき、同社の大規模言語モデル(LLM)「Takane」や特化型AIを自動的に組み合わせて最適なソリューションを構築する。

    また、「セキュアエージェントゲートウェイ」の実装により、異なるベンダーが開発したAIエージェント同士を連携させる際、企業の機密情報やプライバシー情報を保護しながらデータをやり取りすることが可能となる。

    今回、第一弾として公開されたのは、購買部門における調達業務を支援する特化型AIエージェントだ。「帳票理解」「購買規約解析」「適合チェック」に特化した3つのAIエージェントが協調して動作する。

    具体的には、複雑な帳票を構造化データに変換し、AIが生成したチェック用プロンプトを用いて規約への適合性を自動判定する。適合チェックされた見積依頼は、セキュアエージェントゲートウェイを介して機密情報などが記載されていないかを確認し、社外の発注先へと送信されるというものだ。

    富士通、セキュアな自動化を可能にするマルチAIエージェントフレームワークを始めとするPhysical AI技術公開
    マルチAIエージェントフレームワークによる調達業務ワークフローの構築イメージ

    なお、同社の実証実験では、これらのエージェントを導入した結果、発注確認業務にかかる工数を約50%削減できる効果が確認された。

    また、NVIDIA NIMマイクロサービスの活用により推論速度も50%向上しており、1日数百件に及ぶ規約チェック業務の高速化を実現しているのだという。

    富士通は、今回の技術をベースに、2025年度中にAIが自律的に学習・進化する機能の実装を目指すとしている。

    さらに今後は、デジタル空間だけでなく、物理的なロボットが現実世界で作用する「Physical AI」領域へと適用範囲を拡大し、AIエージェントとロボットが高度に協調する社会システムの構築を推進していく方針だ。

  • 富士通、顧客体験向上を目的にSalesforceのAIマーケティングプラットフォームを導入

    富士通、顧客体験向上を目的にSalesforceのAIマーケティングプラットフォームを導入

    富士通株式会社は現在、Salesforceサポートデスクを通じて多くの顧客問い合わせに対応している。

    2025年1月にはSalesforceのAIエージェントプラットフォームである「Agentforce」を導入し、業務効率の改善と人的リソースのより高度な顧客対応へのシフトという成果を上げてきた。

    一方で、カスタマーサクセスに直結するプロアクティブな情報提供や新しい製品・機能の説明などの領域では、顧客ごとに最適化されたパーソナライズ対応の強化が求められていた。

    こうした中、富士通は、顧客データ活用の高度化と顧客体験の向上を目的に、Salesforceの「Marketing Cloud Next」を「富士通Salesforceサポートデスク」に導入したことを発表した。

    「Marketing Cloud Next」は、Salesforce Platform上にネイティブに構築されたフルファネル型AIマーケティングプラットフォームだ。

    具体的には、社内の顧客データとSalesforce製品を結合する「Data Cloud」と連携し、契約情報やアンケート結果を含む周辺システムのデータを統合する。

    これにより、CRM外のデータを含む顧客ごとの利用状況に基づいたメール配信が可能となる。

    また、マーケティング部門向けの「Agentforce for Marketing」や、CRMに組み込まれたAI機能群「Einstein」を活用し、キャンペーンやコンテンツの自動生成を行う。

    さらに、予測AIが配信頻度・送信時間を最適化し、エージェント型分析プラットフォーム「Tableau Next」で成果を可視化する。

    加えて、生成AIベースのチャットボット「Agentforce for Service」と「Agentforce for Marketing」のAIエージェントを連携させることで、契約更新のリマインドからQA対応、契約手続きのサポートまでAIエージェントが自律的に対応する。なお、対応が難しいケースは担当者に引き継がれる。

    富士通は今回の導入により、これまで多くの工数を要していたセグメント作成がAIで自動化され、コンテンツ修正やレビューにかかる平均作業時間も83%削減されたとしている。

    また、契約データや利用状況といった多様な顧客データを活用することで、顧客向けの情報提供の内容を一律化するのではなく、それぞれの顧客に最適化したパーソナライズを実現できるようになった。

    加えて富士通では、これまでマニュアルで行っていたライセンスや契約の管理業務を、収益管理ツール「Revenue Cloud」によって一括管理し、2026年4月までに完全に廃止する予定だ。

  • 富士通、グローバルサプライチェーンの損益インパクトを算出しレジリエンス強化を支援するソリューションを提供

    富士通、グローバルサプライチェーンの損益インパクトを算出しレジリエンス強化を支援するソリューションを提供

    富士通株式会社は、グローバルサプライチェーンにおける突発的な外部環境変化に対応するため、損益インパクトを算出して意思決定を支援するソリューションの提供を、2025年7月2日より開始する。

    このソリューションは、企業内外に分散するデータを統合し、市場変動などによる影響が大きい対象製品の特定や損益インパクトを迅速に算出するものだ。

    グローバルサプライチェーンにおいて、市場変動などにより影響を受けているサプライヤーや工場を可視化し、どの製品がどのルートでどれだけの輸入コストが発生しているのかを提示する。

    これにより、自社の利益や原価構造を詳細に把握し、潜在的なリスクを特定することが可能だ。

    さらに、市場変動などにより原価構造に変化があった場合には、製品の価格変化が需要に与える影響を分析する価格弾力性モデルにより、それぞれの製品の適切な販売価格をシミュレーションする。

    加えて、輸入コストが高騰している調達先を変更する際の原価構造や利益の変化を分析し、サプライチェーンの最適化を支援する。

    代替サプライヤーの選定や輸送ルートの変更といったオペレーションの変更による影響を、各領域の専門AIエージェントが様々な観点から評価し、オーケストレーターエージェントが総合的な判断を行う。

    なお、このソリューションは、同社が提供するオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS(以下、DI PaaS)」の新機能として提供される。

    関連記事:サプライチェーンの基本や最適化について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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  • 富士通、ワイヤレス通信やレーダの省電力化を実現するマイクロ波パワーアンプ技術を開発

    富士通、ワイヤレス通信やレーダの省電力化を実現するマイクロ波パワーアンプ技術を開発

    富士通株式会社は、無線機器に使われるパワーアンプの周波数2.45ギガヘルツ(以下、GHz)において、電力変換効率85.2%を達成する技術を開発した。

    今回発表された新しいパワーアンプ技術は、電波を遠くへ飛ばすために必要なパワーアンプの電力損失を低減するものだ。

    特殊な素材「窒化ガリウム(GaN)」と、電気を速く移動させる「高電子移動度トランジスタ(HEMT)」(以下、GaN-HEMT)の組み合わせで作られている。

    従来のパワーアンプは、信号を強くする際に使う電気の一部が無駄になっていたが、GaN‐HEMTを使用することで、使った電気を効率よく電波に変換する。

    「GaN-HEMT」は、シリコンを用いたトランジスタよりも出力や効率における性能が優れているため、2000年代半ばに移動通信の基地局向けパワーアンプとして実用化されているが、今回、電流を多く流したいチャネルと呼ばれる層の高品質化と、電流を流したくないバッファと呼ばれる層の高抵抗化を行った。

    富士通、ワイヤレス通信やレーダの省電力化を実現するマイクロ波パワーアンプ技術を開発
    今回開発された技術の概要

    チャネルの高品質化については、結晶成長条件を見直し、半導体結晶中の不完全な部位である「電子トラップ」の原因となる結晶中の残留炭素原子を低減した。

    バッファの高抵抗化については、電子を放出して抵抗を下げてしまうシリコン原子不純物を無効化するために鉄原子を添加することで、200Vの高電圧条件下においても漏れ電流を抑制した。

    これらの技術により、ISMバンド(Industrial Scientific and Medical Band)である2.45GHzにおいて85.2%の電力付加効率(※1)および89.0%のドレイン効率(※2)を達成した。

    ※1電力付加効率:電力変換効率を表す指標の一つ。与えたDC(直流)電力がどれだけ信号の増幅に寄与したかを示す。
    ※2ドレイン効率:電力変換効率を表す指標の一つ。与えたDC電力がどれだけ出力電力に寄与したかを示す。

    富士通、ワイヤレス通信やレーダの省電力化を実現するマイクロ波パワーアンプ技術を開発
    これまでの報告例と今回の発表の特性比較

    この技術により、無線通信だけでなく、レーダやワイヤレス電力伝送など、さまざまな分野での省エネ化が期待されている。

    今後富士通は、同技術の実用化を目指し、実装技術の開発と信頼性の評価を進めていくとしている。

    また、ミリ波やサブテラヘルツ波などの高周波デバイスにも同技術を適用することで、広い周波数範囲でワイヤレス機器の省電力化を行うとのことだ。

    なお、今回の成果の詳細は、応用物理に関する成果を掲載する学術論文誌「Applied Physics Express」に、2025年3月19日付で掲載された。

  • バローホールディングス、富士通のデータ連携基盤を導入しサプライチェーン全体での最適化へ

    バローホールディングス、富士通のデータ連携基盤を導入しサプライチェーン全体での最適化へ

    バローホールディングスは、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンターなど、様々な業態を展開し、食品・日用品・医薬品・資材など、様々な商品を取り扱っている。

    これまでは、受発注や販売実績、在庫情報など、取り扱うデータにより複数のデータ連携システムを保有していた。

    こうした中、株式会社バローホールディングスは、同社傘下の中部ミート株式会社に、富士通株式会社のデータ連携基盤「Fujitsu Supply Chain Data Service」の電子データ交換サービスを導入した。

    「Fujitsu Supply Chain Data Service」は、「流通BMS(ビジネスメッセージ標準)」や様々な業種・業界向けEDIなど、定義の異なるデータを変換・クレンジングにより、データ活用・分析の精度を向上させるサービスだ。

    従来EDIを通過するのみであった1,000を超える取引先との商流・物流データをデータレイクに蓄積するほか、APIで活用が可能だ。

    また、企業や団体を越えてデータ共有するデータスペースとの連携を考慮した拡張性を保有している。

    今回バローホールディングスは、「Fujitsu Supply Chain Data Service」を活用することで、自社の複数のデータ連携システムを集約し、システムコストの低減につなげるとのことだ。

    また、受発注業務に特化したデータだけでなく、取引先を含めた企業間での在庫や物流などさまざまなデータの連携・蓄積・活用を実行するとしている。

    バローホールディングス、富士通のデータ連携基盤を導入しサプライチェーン全体での最適化へ
    「Fujitsu Supply Chain Data Service」の活用イメージ

    今後は、バローホールディングスの中核企業である株式会社バロー、中部薬品株式会社、アレンザホールディングス株式会社など8社に順次展開するとのことだ。

    関連記事:
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  • Fixstars Amplify、量子コンピューティングクラウドサービスに富士通の「デジタルアニーラ」を追加

    Fixstars Amplify、量子コンピューティングクラウドサービスに富士通の「デジタルアニーラ」を追加

    株式会社Fixstars Amplifyは、同社が運営する量子コンピューティングクラウドサービス「Fixstars Amplify」において、ベンダ各社と個別にマシン利用契約を行うことなく利用できる標準マシンに、富士通株式会社が提供する「Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer」(以下デジタルアニーラ)を追加し、「Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプション」として提供を開始したことを発表した。

    「Fixstars Amplify」は、考えられる組み合わせのパターンの中から、目的に対して最適な組み合わせを探す「組合せ最適化問題」を解決するシステムを開発・運⽤できるクラウドサービスだ。

    従来型のコンピュータと量⼦コンピュータの両⽅ともを同様に使える互換性と、汎⽤性の⾼いアプリケーションを開発できるSDKが特徴だ。

    「Fixstars Amplify」を用いたプログラミングでは、通常のプログラミングで必要となる「論理モデルの変換」「物理モデルの変換」「求解の実行」の3つのステップを自動化することで、より直観的な量子アニーリングプログラミングのワークフローを構築することがが可能だ。

    また、各社が提供している組合せ最適化問題に特化した量子アニーリング・イジングマシンや数理最適化ソルバー、ゲート式量子コンピュータを、それぞれの専門知識がなくてもクラウド環境で利用することができる。

    一方「デジタルアニーラ」は、富士通株式会社が開発した、量子現象に着想を得たコンピューティング技術で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解くことができる。

    最新の第4世代デジタルアニーラは、10万ビット規模で課題に対応しており、ビット間全結合と64bit階調を実現している。

    今回、「デジタルアニーラ」が「Fixstars Amplify」の標準マシンに追加され、ユーザ登録・契約・サポートに対応する。

    「Fixstars Amplify」の利用者は、「デジタルアニーラ」と連携させて使用する際に、サービスの実行環境の準備や管理が不要となる。

    なお、「Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプション」の利用料金は、月額税抜50万円からとなっている。

    また、「Fixstars Amplify」のユーザ登録をすると、「Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプション」の無料トークンが自動的に付与されるとのことだ。

  • 富士通、ブラックボックス化したシステムを可視化し生成AIで設計書生成するサービスを提供開始

    富士通、ブラックボックス化したシステムを可視化し生成AIで設計書生成するサービスを提供開始

    長年使われているシステムは、システム設計を正確に把握できる有識者が不在でブラックボックス化していることが多く、現行システムの調査や分析が困難だ。さらに、システム設計書が古い、もしくは一部欠落しているケースも多い。

    こうした中、富士通株式会社は、現行システムの全体像を把握し、最適なモダナイゼーション(※)の計画策定を実現する「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」を、2025年2月より日本国内向けに提供を開始する。

    ※モダナイゼーション:古いシステムや仕組みを新しい技術に合わせてアップグレードすること

    「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」は、現行システムのアプリケーション構造や仕様を可視化する「資産分析・可視化サービス for アプリケーション資産」と、アプリケーション資産から設計書を生成する「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」で構成されている。

    これにより、アプリケーション資産の全体把握から、新システムに移行すべき資産のスリム化と最適化、メインフレームからオープン環境への移行時の移植性の評価、生成AIを活用した設計書生成などを支援する。

    富士通、ブラックボックス化したシステムを可視化し生成AIで設計書生成するサービスを提供開始
    「Fujitsu 資産分析・可視化サービス」のメニュー一覧

    「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」では、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術を実装し、ソースコード内にコメントなどがなくても、資産分析データや既存の設計情報などの大量データから、人が理解しやすい設計書を生成する。

    アプリケーションの機能構造を可視化するソフトウェア地図を自動作成する技術により、アプリケーション資産をビルに見立てて、全体を地図形式で表現することで、アプリケーション資産全体の現状をに把握できる。

    また、アプリケーション資産全体をプログラミング言語種別ごとに棚卸し、使用されていない資産および類似ソースコードを検出する。

    さらに、不足または重複している資産を検出することで、移行対象となる資産を明確化し、スリム化を図る。

    移植性評価においては、アプリケーションに必要なメインフレームの機能を、モダナイゼーション実績に基づき標準化されたプロセスで効率的に選定し、その中からメインフレームからオープン環境への移行の際に障壁となる機能を抽出することで、移植の難易度を評価する。

    これにより、例えば、流通業のある企業のケースでは、人手による設計書生成に比べて約50%効率化できる見込みなのだという。

    一方、「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」は、従来の分析手法である、解析ルールに基づき機械的にソースコードを一行ずつ解析して、システムの構造を解明するという方法と、プログラムの関係性を整理する「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を組み合わせている。

    これにより、コードをただ読むだけでは分からなかったシステムの仕組みを正確に解析し、分かりやすい設計書を作ることができるようになった。

    富士通、ブラックボックス化したシステムを可視化し生成AIで設計書生成するサービスを提供開始
    「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を適用した場合の設計情報生成高品質化の例

    また、生成AIの一種であるLLM(大規模言語モデル)を活用して、資産分析と設計情報生成を行う。

    具体的には、残存する設計情報や、既存のプログラム解析ツールもしくはLLMを活用したソースコードの静的解析結果(構文情報、制御フロー、データフロー、呼出関係など)を入力して、資産ナレッジグラフを作成する。

    そこから独自のRAG機能を用いて設計情報生成の対象とその関連範囲を高度に検索して絞り込み、関連ナレッジグラフとして抽出し、ソースコードと合わせてLLMに入力することで、ソースコードのみで設計情報を生成する場合に比べ、約40%の品質改善を確認した。

    富士通、ブラックボックス化したシステムを可視化し生成AIで設計書生成するサービスを提供開始
    設計情報生成フロー

    さらにLLMのハルシネーションを防ぐため、入力情報の絞り込みと、LLMの忘却を検知する機能を開発した。

    これにより、約95%の忘却防止かつ正確な設計情報生成が可能となったのだという。

    富士通は今後、生成AIを活用し、現行アプリケーションの仕様の確認やソースコード修正による影響範囲の確認を対話形式で可能にするなど、生成AIの適用範囲を拡大するとしている。

  • ヤマト傘下SSTと富士通、共同輸配送のオープンプラットフォームを活用し業界の垣根を越えたサービスを提供開始

    ヤマト傘下SSTと富士通、共同輸配送のオープンプラットフォームを活用し業界の垣根を越えたサービスを提供開始

    物流業界は、2025年4月以降、「物資の流通の効率化に関する法律」に基づき、荷主企業・物流事業者は、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務が課せられるなど、法改正への対応が急務となっている。

    一方で、業種・業界ごとにシステムや規格、商慣習などが異なるため、一部の荷主企業や物流事業者のみでの課題解決には限界があるのが実情だ。

    こうした中、ヤマトホールディングス株式会社傘下で、共同輸配送のオープンプラットフォームの提供により物流の標準化・効率化を目指すSustainable Shared Transport株式会社(以下、SST)と富士通株式会社は、荷主企業・物流事業者向けの共同輸配送システムの稼働を2025年2月1日より開始する。

    SSTは、2024年5月21日に、持続可能なサプライチェーンの構築に向け共同輸配送のオープンプラットフォームを提供する会社として設立され、標準パレット輸送と標準化された商流・物流情報のデジタル連携によるオープンプラットフォームの提供準備を進めてきた。

    このプラットフォームは、富士通が保有するブロックチェーンなどの技術やサイバーセキュリティの知見を活用することで、外部からの閲覧を防止する。また、データ変更のログを取ることにより、第三者からの改ざんに対して検知・対応・復旧を可能とする。

    なお、このプラットフォームは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第二期 スマート物流サービス」プロジェクトにより策定された「物流情報標準ガイドライン」に準拠している。

    そして、今回発表された、このプラットフォームを活用した共同輸配送システムは、富士通のオファリング「Fujitsu Unified Logistics」によるデータ基盤を活用しており、荷主企業の出荷計画や梱包の状態(荷姿)、荷物量などの情報と、物流事業者の運行計画をもとに、最適な輸配送計画を作成するものだ。

    これにより荷主企業は、共同輸配送のパートナーを探すことができ、同一区間でも複数の時間帯・複数の輸送手段の中から標準パレットスペース単位で最適な輸送方法を選択できる。

    物流事業者は、復路の空車走行の減少(帰り荷の確保)などによる積載率や稼働率の向上、ドライバーの負担軽減や処遇改善を図ることが可能となる。

    ヤマト傘下SSTと富士通、業界の垣根を越えた共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービスを提供開始
    共同輸配送システムの配車予約管理画面イメージ

    また、SSTは、上記のオープンプラットフォームを活用した共同輸配送サービス「SST便」の提供を同日に開始する。

    「SST便」は、幹線輸送をベースに共同輸配送システム上であらゆる荷主企業と物流事業者をマッチングするオープンプラットフォームを活用した共同輸配送サービスだ。

    富士通は、荷主企業として「SST便」を活用するとともに、SSTと共同でサプライチェーンに関わるデータ連携基盤を構築した。

    今後SSTは、宮城県から福岡県間において、1日16便の運行で、標準パレットスペース単位で利用できる「定時運行」「中継輸送」「混載」による幹線輸送を提供する。

    ヤマト傘下SSTと富士通、業界の垣根を越えた共同輸配送のオープンプラットフォームを活用したサービスを提供開始
    幹線輸送の提供区間

    また、地域の物流事業者と連携し、利用荷主企業の要望に応じた「域内配送」を合わせて提供するとのことだ。 

    関連記事:
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  • 富士通、化学業界の共同物流実証実験でデータ標準化を支援

    富士通、化学業界の共同物流実証実験でデータ標準化を支援

    フィジカルインターネットとは、プロトコルの共有、モジュラー式コンテナ、スマートインターフェースの標準化により構築された物流ネットワークを基盤とした、グローバルなロジスティクスシステムだ。

    これを実現するには、サプライチェーンに属する業界内での物流・商流データの標準化が不可欠となる。

    こうした中、富士通株式会社は、経済産業省と国土交通省が主導する「フィジカルインターネット実現会議」内の「化学品ワーキンググループ」にオブザーバーとして参画し、2024年9月から12月の期間に関東・東海地区において実施された共同物流の実証実験の成果について発表した。

    今回の実証実験では、複数荷主・複数物流事業者間における共同輸送が可能であることを実証するため、定期幹線便を中心とした共同集配を含む共同輸送モデルの実効性の確認と評価を目的としている。

    そこで、複数の荷主と物流事業者間の各種データ交換をマルチに行うための「共同物流プラットフォーム」および、物流情報標準ガイドラインに準拠した化学品業界としての「物流情報標準フォーマット」の有用性を確認した。

    富士通は、同社のサービス群「Fujitsu Unified Logistics」による共通データ基盤を提供し、様々な形式の物流データを収集・変換・標準化・蓄積するハブ機能を活用することで、荷主企業および物流事業者各社が保有するロジスティクスデータを連携した。

    また、これまで各社独自で運用していたデータの項目や桁数などのデータ形式を「物流情報標準ガイドライン」に沿った構造へと変換・標準化し、ロジスティクスデータベースに蓄積する。

    さらに、蓄積されたデータについて、KPI評価・分析機能を活用し、ロジスティクスのコンサルタントによる分析のもと、共同配送における効果算出のシミュレーションを実施した。

    富士通、化学業界の共同物流実証実験でデータ標準化を支援
    共同物流における富士通の取り組み

    この「共同物流プラットフォーム」を活用し、貨・実車を伴う実地検証に加えて、中京~北陸間における共同物流のシミュレーションと、市原~東北間における輸送効率の分析を行い、共同輸送の効果と「共同物流プラットフォーム」の有用性を検証した。特に、実地検証においては、トラック積載率が20pt改善し、CO2排出量は28%削減することができた。

    富士通、化学業界の共同物流実証実験でデータ標準化を支援
    実地検証の結果

    また、共同輸送における実走においては、誤配・遅配等のインシデントもなく、納品先に各荷主企業の商品を届けることができた。

    これらの結果から、今回の実証実験では共同物流の実現可能性と物流効率化を確認することができたとし、今後は対象範囲を順次拡大する計画だ。

    また、共同物流を実施するためには、複数荷主・複数物流事業者間での物流業務の標準化や、商慣行の見直しが重要であることが分かった。そこで、今回得られた知見を基に、化学品ワーキンググループにて公表した自主行動計画に則り、アクションプランの実行を進めていく予定だ。

    将来的には、日本全国に展開可能な輸送モデルの構築を目指すとしている。

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