タグ: ディープラーニング(深層学習)

  • ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か ─DLLAB 2019 基調講演

    ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か ─DLLAB 2019 基調講演

    6月8日、東京都内にて「DLLAB 2 周年イベント ディープラーニングの社会実装を阻むものは何か?」が開催された。

    ディープラーニングラボ(DLLAB)とは、Deep Learning Lab(ディープラーニング・ラボ)は、ディープラーニングを中心とした先端技術の持つ可能性を、実際のビジネスへ応用するべく、技術とビジネスの両面に精通したプロフェッショナルたちが集まるコミュニティだ。

    本イベントはディープラーニングラボの設立2周年を記念して開催された。開催日は6月8日の土曜日と週末の開催であったが500名近い参加希望者が集まりブースやネットワーキングスペースも非常に盛況であった。

    本記事では東京大学 教授の松尾豊氏の基調講演についてとりあげる。

    松尾豊氏 基調講演

    松尾豊氏登壇

    松尾氏は最初にディープラーニングに関して研究は進んでいるもののビジネス化はそこまで進んでいない状況に触れ、今の状況をあまり短期的な目線でとらえるべきでないと述べた。

    イノベーションとしてのディープラーニング

    世界の企業の時価総額

    写真の平成元年と平成30年の世界の企業の時価総額ランキングを見てみるとランキング上位の企業が大きく様変わりしていることが見て取れる、この変化は1990年代に技術進歩したインターネット技術によるところが大きい。

    ディープラーニングはインターネットやエンジンに並ぶ数十年に一度のイノベーションであり、インターネットのように、20年ほどかけてビジネス化されていくだろうと述べた。

    比較年表

    Guazi:経験なしの素人でも中古車査定を可能にする

     Guazi中古車AI査定

    ここで紹介されたディープラーニングの事例はカメラを装備した査定員が持ち込まれた中古車の決められた場所を見ることで中古車の価格が短時間で査定されるといったものだ。カメラの映像がクラウドにアップロードされAIによって自動的に査定が行われる。

    いわゆる職人の目が必要だった中古車査定がカメラを身に着けた素人の査定員だけで行えるようになったという点で特徴的な事例といえる。

    PoCからプロダクションへ

    PoCからプロダクション

    インターネット黎明期はホームページを作る技術があるだけでビジネスになったが今ではそうではないように、ディープラーニングも技術とビジネスの掛け算で企業価値を極大化させることが重要になってくる。

    現時点でのディープラーニングのPoCは目的がはっきりしない事例が多いが、とりあえず作って終わりではなく「儲けてなんぼ」で最終的に顧客の付加価値に繋がるものでないと事業が長続きしない。

    現在ITベンダーやスタートアップは開発案件の受託で利益を上げることができているがそういった時代はインターネットの時と同じように長続きせず、産業領域ごとに特化をしていかないといずれ競争力を失っていくだろうと述べた。

    この章の最後ではAIブームについても触れ、なんでもかんでもAIというだけで評価が高い企業もあるがインターネットバブルが2000年代にはじけたようにAIブームもいずれ終息し玉石混交の企業がふるいにかけられる調整局面が訪れる可能性が高いことを示唆した。

    まとめ

    PoCから実用化事例が少ないがそこまで悲観することではなく、インターネットや半導体という日常生活に溶け込んでいる技術も最初は試行錯誤の連続であった。

    現在のディープラーニング試行錯誤の中からも大きな付加価値を生みそうなものもいくつか出てきているという。

    試行錯誤の情報交換の場としてとして本イベントの主催であるディープラーニングラボのようなコミュニティは非常に良い取り組みであり、最終的には顧客への価値や売上、利益に結び付く「儲けてなんぼ」を意識することが重要であると述べて講演を締めくくった。

  • TDSE、SNS上の大量データからターゲティングするAIエンジン「scorobo for SNS」提供開始

    TDSE、SNS上の大量データからターゲティングするAIエンジン「scorobo for SNS」提供開始

    テクノスデータサイエンス・エンジニアリング株式会社(以下、TDSE)は、Deep Learning(深層学習)を始め複数の機械学習テクノロジーを用いてSNS上の大量データを分析することで精度の高いターゲティングを可能にする人工知能エンジン「scorobo for SNS」を提供することを発表した。

    TDSEは、デジタルマーケティング業界においてAI構築支援やデータ解析などの実績を積んできた。企業のマーケティング業務をより強力に支援していくため、すでに提供済のスコアリング機能を有する人工知能を含め、今後同業界で提供する人工知能エンジンを総称して「scorobo for Marketing」として展開していくという。

    今回は、Deep Neural Networksを用いたDeep Learningを始め様々な機械学習を用いてSNS上の大量データを分析し、精度の高いターゲティングを可能にする人工知能エンジン「scorobo for SNS」を提供。すでに数社の先行した事例に基づきAIの改良を重ねており、大量のデータから個人の属性や嗜好をAIが推定することにより精度の高いターゲティングを可能にするという。

    「scorobo for SNS」は、Twitter、Facebook、Instagramなどの「つぶやき」やコメントしたデータを収集し、人工知能に学習・解析させることでユーザーの反応、興味、関心や年代、性別、ライフステージなどを知ることが可能となり、ブランディング、効果分析、リスクマネージメント、インフルエンサー分析などを強力にバックアップするという。SNS上の本当の声をモニタリングすることで効果を明確にし、より効率の良いターゲティングを行うことで無駄なコストを抑えROIを最大化するとしている。

    TDSE、SNS上の大量データからターゲティングするAIエンジン「scorobo for SNS」提供開始
    顧客フェーズにおけるAIを活用するイメージ

    今後、企業が「scorobo for Marketing」を活用することでマーケティング活動におけるROIを最大化できるよう、業務に活用しやすい人工知能エンジンを充実させていくという。TDSEは「scorobo for Marketing」、「scorobo for SNS」を企業で活用するために必要な分析コンサルティングやプラットフォーム構築、教育サービスも提供するとしている。

    ※scorobo(スコロボ)とは
    TDSEが構築した独自人工知能(AI)製品。IoTを通じて得られるセンサーデータ、人やモノの属性データや行動データ、市場データやオープンデータ等から、最適なアルゴリズム技術を活用する人工知能エンジンの総称。現在、業種・業務毎に応じたomni-scoroboシリーズを展開している。

    【関連リンク】
    テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE)
    scorobo for Marketing

  • マイクロソフトとPreferred Networks、ディープラーニングソリューション分野で協業

    マイクロソフトとPreferred Networks、ディープラーニングソリューション分野で協業

    株式会社Preferred Networks(以下、PFN)とマイクロソフト コーポレーションは、人工知能や深層学習の実社会での活用を推進するため、ディープラーニングソリューション分野において戦略的協業することで合意した。

    今回の協業により、マイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォームMicrosoft AzureとPFNの深層学習テクノロジーの連携を推進し、各業種業態のビジネス課題を解決する深層学習ソリューションを提供。同協業の日本市場における展開を、日本マイクロソフト株式会社が全面的に支援するという。

    両社は、同協業を通して(1)テクノロジー、(2)人材育成、(3)マーケティング、の3つの軸で連携を進めるとしている。

    1. テクノロジー
      • 深層学習に関わる技術者の課題として、複雑化するニューラルネットの学習時間の増大、増加し続けるデータの煩雑な管理、絶え間なく技術革新するアルゴリズムへの対応、深層学習を用いたシステム開発の方法論などが挙げられる。
        今回の協業では、2017年夏に、Microsoft AzureのIaaSとPFNの深層学習フレームワークChainerの親和性を高め、Chainer /ChainerMN(Multi Node)をワンクリックでAzure IaaS上に展開するAzure Templateの提供、データサイエンスVMへのChainer 搭載、Azure Batch ServicesおよびSQL ServerのChainer対応、そしてChainerのWindows対応などを進めることで、課題の解消を図る。
      • 現在主流であるニューラルネットワークのスクラッチ開発は高度な技術的知識が求められ、必要とされる投資金額も非常に大きくなっている。深層学習の実社会への適用を推進するためにはスクラッチ開発から、標準化されたソリューションへの移行が必須。これを推進するため、Microsoft Azureのデータ収集分析サービスとPFNの深層学習プラットフォームDeep Intelligence in-Motion(DIMo、ダイモ)を組み合わせ、特定のワークロードや業種向けソリューションを2017年中に提供。また、そのソリューションを展開するパートナーを両者で支援し育成を行い、より広い実社会への実装を加速させていくという。
    2. 人材育成
      • データサイエンス人材の育成は深層学習の実社会への応用の主要な課題の1つ。
        この課題を解消するために両社が連携し、大学の学生、企業内のエンジニア・研究者向けのトレーニングプログラムを2017年中に提供。また、高等教育機関向けには政府機関などのデータ関連人材育成プログラムへの参加を検討していく。
      • トレーニングプログラムはニューラルネットワークの基礎を学ぶ初級クラスだけではなく、実際に深層学習の実ビジネス事例をテーマに応用方法を学ぶ上級クラスまで提供。これらのトレーニングを通して3年間で5万人の人材育成を計画。国際競争力のあるIT人材育成を目的とする世界最大の学生向けのITコンテストであるImagine CupやAzure for Researchなどのプログラムをトレーニングのゴールとして用意するという。
    3. マーケティング
      • 深層学習は機械学習の手法の1つだが、現在人工知能という広範な意味を含む言葉に含まれる形で多くの人の目に触れている。その結果、顧客のビジネス課題を解決するために深層学習が有効なのかどうか見極めが難しくなっている。これまでマイクロソフトとPFNが培った深層学習ビジネスの知見および、Microsoft Azure、Chainer、DIMoを活用した実際の成功事例をもとに、2017年夏に各業種に向けた顧客ワークショップを開始する。
      • Chainer、DIMoが提供する最新の深層学習テクノロジーを、強固なAzure基盤上に組み込むことにより、お客様の基幹システムに組み込めるエンタープライズグレードのエンドツーエンドソリューションを2017年中に提供。
      • 深層学習でビジネス課題を解決したいお客様と、深層学習のコンサルティングや展開を行う企業とのマッチングの場として、コミュニティ”Deep Learning Lab(ディープラーニング・ラボ)”を発足。

    【関連リンク】
    プリファード・ネットワークス(PFN)
    マイクロソフト(Microsoft)

  • ラトックシステム、酒造現場のIoT化を進める「もろみ日誌」実証実験を実施

    ラトックシステム、酒造現場のIoT化を進める「もろみ日誌」実証実験を実施

    ラトックシステム株式会社は、齊藤酒造株式会社、招徳酒造株式会社、ローム株式会社、立山科学工業株式会社の協力を得て、「酒造品温モニタリングシステム」の実証実験を実施している。

    日本酒造りの中で特に重要な要素は、麹・酒母・もろみの三大工程。日本酒の味わいは、これらの工程における伝統工芸を支える杜氏の熟練の技と、品温管理によって決まると言っても過言ではない。しかし、品温を24時間監視することは容易ではない。また近年、日本酒造りにもIoTを取り入れ、杜氏制度から社員による日本酒造りへの移行を検討している酒蔵メーカーも増えつつあるという。酒造品温モニタリングシステム「もろみ日誌」は、日本酒造りとIoTソリューションの融合によりこれらの課題を解決、伝統工芸の発展に貢献するとしている。

    もろみ日誌はWindows PCで動作するアプリケーションとAWSクラウド・スマホアプリで構成される。

    Sub-GHz通信を使い一定時間毎にセンサーから送信される品温を自動計測しグラフ化する機能、品温が警報設定範囲を超えたときに登録されたスマートフォンへアラーム通知する機能、スマホで撮影した状ぼう(もろみの泡の状態)写真をクラウド経由でWindows PCにアップロードする機能を備える。また、日々分析をおこなったボーメ度・アルコール度も手動入力でき、BMD曲線・A-B直線の解析により日本酒造りのデータを見える化し、熟練の技を次の世代へ継承するための手助けをするという。

    ラトックシステム、酒造現場のIoT化を進める「もろみ日誌」実証実験を実施

    2017年2月より京都伏見の齊藤酒造と招徳酒造の協力を得て、同システムのテスト運用を開始し、現在も継続して運用をしている。実証実験で得たノウハウを元にハードウェア・アプリケーション機能の改良を重ねてきたという。

    蔵内の複数タンクに、ローム製Sub-GHz通信(※1)モジュール搭載の品温センサーを設置。棟やフロアの異なる場所にあるパソコンとのSub-GHz通信により、品温を自動計測。品温センサーには、立山科学製の白金測温抵抗体(以下、Pt100)センサー(※2)が採用されている。無線通信における技術サポートはロームから、Pt100センサーの技術サポートは立山科学から協力を得た。

    ラトックシステム、酒造現場のIoT化を進める「もろみ日誌」実証実験を実施
    実証実験の概念図

    各社の役割(順不同)は以下の通り。

    • 齊藤酒造株式会社:実地運用、システム評価
    • 招徳酒造株式会社:実地運用、システム評価
    • ローム株式会社:Sub-GHz通信モジュールの提供と、技術サポート
    • 立山科学工業株式会社:Pt100センサー提供と、技術サポート
    • 株式会社ハートコンピューター:もろみ日誌の販売総代理店
    • ラトックシステム株式会社:システム構築(ハードウェア設計開発、ソフトウェア開発)

    品温モニタリングシステム「もろみ日誌」の発売は、販売総代理店ハートコンピューターとの協業を進め2017年5月18日を予定。今後の実証実験から得られた一連のプロセスデータからディープラーニングを応用したAI技術を使って、上槽(搾り)時期やアルコール出来高の予測等を計画しているという。

    (※1)ロームのSub-GHz無線通信技術
    近距離無線通信方式に対応する、無線通信LSI及び無線通信モジュールのラインアップを揃える。同システムでは、ローム製のWi-SUNモジュール(品番:BP35C0)とパソコン用Wi-SUN USBドングル(品番:BP35C2)を用いている。
    (※2)立山科学のPt100センサー計測技術
    サーミスタセンサー、Pt100センサー等幅広い工業用温度計測センサーのラインアップを揃える。同製品では高精度±0.3℃のPt100センサーを採用。

    【関連リンク】
    もろみ日誌
    ラトックシステム(RATOC Systems)
    齊藤酒造(Saito Sake Brewing)
    招德酒造(Shoutoku)
    ローム(ROHM)
    立山科学工業(TATEYAMA KAGAKU INDUSTRY)
    ハートコンピューター(Heart Computer)

  • 富士通、最速クラスのディープラーニング基盤システムを販売開始

    富士通、最速クラスのディープラーニング基盤システムを販売開始

    富士通株式会社は、米国NVIDIA Corporationの最新GPU(注1)を搭載したディープラーニング専用サーバと、動作検証済みのストレージおよびソフトウェアをシステムとして提供する「FUJITSU AIソリューション Zinraiディープラーニング システム」(以下、Zinraiディープラーニング システム)を開発し、本日5月16日より国内での販売を開始した。販売価格は、3,570万円より(税別)。

    同システムを活用することにより、オンプレミス環境でディープラーニングを活用したシステムを構築したい顧客は、短期間で最速クラスのディープラーニング基盤を実現することが可能になるという。

    また、顧客のニーズに応じて、ディープラーニング基盤をクラウドで提供するサービス「FUJITSU Cloud Service K5 Zinraiプラットフォームサービス Zinraiディープラーニング」(以下、Zinraiディープラーニング)と組み合わせたハイブリッドクラウド環境も容易に構築できる。そのため、利用頻度の低い学習処理はクラウドサービスで実行し、利用頻度の高い学習処理はオンプレミス環境で実行するなど、目的に応じた使い分けも可能。

    同社は今後、「Zinraiディープラーニング システム」の海外での展開を目指すとともに、顧客のAI活用に向けた多様なニーズに柔軟に対応していくソリューションのさらなる強化を図っていくとしている。

    近年、AI(人工知能)の学習技術の一つとしてディープラーニングの活用が拡大しており、それによってAIの認識精度は飛躍的に向上し、AIを用いたサービスの開発と普及が加速している。しかし、ディープラーニングでは高い認識精度を実現するために大量の学習データを何度も演算処理しなければならないため、膨大な時間と計算資源を要するという課題がある。

    そのような課題に対応していくため、同社は最速クラスのディープラーニング基盤をクラウドサービスとして提供する「Zinraiディープラーニング」を2017年4月から提供開始した。

    同サービスに加えて、今回、データを外部に持ち出したくないなどの理由からオンプレミス環境でディープラーニング基盤を構築することを望む顧客に向け、最新GPU「NVIDIA Tesla P100」を搭載したディープラーニング専用サーバと、動作検証済みのストレージおよびソフトウェアをシステムとして提供する「Zinraiディープラーニング システム」の販売を開始。

    「Zinraiディープラーニング システム」の特長は以下の通り。

    • 最新GPUを搭載し、世界最速クラスのディープラーニング基盤を実現
      最新GPU「NVIDIA Tesla P100」を採用したディープラーニング専用サーバにより、最速クラスのディープラーニング基盤を実現。1台あたり最大で8個までGPUを搭載できるため、用途に基づいて同社が推奨する計算能力を参考に、顧客は柔軟にシステム構成を選択することが可能。
    • 動作検証済みのストレージやソフトウェアを含めたシステムとして提供
      必要となる100種類以上のソフトウェアをすぐに使える状態で組み込んだディープラーニング専用サーバと、動作検証済みのストレージを組み合わせ、システムとして提供。そのため、顧客はオンプレミス環境での安定したディープラーニング基盤を短期間で構築することができる。
    • 「Zinraiディープラーニング」と組み合わせ、ハイブリッドクラウド環境を容易に実現
      「Zinraiディープラーニング システム」で構築されたオンプレミス環境のディープラーニング基盤と、クラウドサービスの「Zinraiディープラーニング」を組み合わせることで容易にハイブリッドクラウド環境を構築し、用途に応じて柔軟に使い分けることが可能。

    注1 GPU:Graphics Processing Unitの略。主に画像処理に特化したプロセッサ。昨今では、その高い処理能力により画像処理以外の目的に応用されることが多い。

    【関連リンク】
    富士通(FUJITSU)
    エヌビディア(NVIDIA)

  • IBMとダブリン・シティー大学、世界の水保全問題の解決へ向けIoT技術導入で共同研究を開始

    IBMとダブリン・シティー大学、世界の水保全問題の解決へ向けIoT技術導入で共同研究を開始

    アイルランドのダブリン・シティ大学(DCU)とIBMは、水資源の保全を支援するために、IoT技術を活用する共同研究開発のパイロット計画を進めると、3月22日の「世界水の日」に発表した。

    この産学の共同研究プロジェクトは、同大学のナショナル・センター・フォー・センサー・リサーチ(National Centre for Sensor Research)を通じて、DCU水研究所(Water Institute)が保有する環境センシングにおける専門知識と、IBMのコグニティブ(認知)IoTの環境ソリューションの取り組みを結び付けるもの。このパイロット計画の一環として、IBMはDCU水研究所の産業諮問委員会(Industry Advisory Council)へ参加しました。

    この共同研究において注目すべき点は、新しく開発されたDCUの次世代センサー技術にある。水質の重要な側面を、現在実用化されている商業的な技術よりも大幅に低いコストで、モニターする能力を持つ。この次世代センサーは、将来的にIBMの環境IoTプラットフォームと組み合わせたとき、グローバル規模での水管理にきわめて重要な恩恵をもたらす可能性があると期待されているという。

    IBMの機械学習およびコグニティブIoT技術を組み合わせたDCUセンサーの展開は、天然資源を保全し、淡水および海洋環境の両方で水質などの環境管理問題に効果的に対処することを目指している。

    IBMのコグニティブIoT技術はさまざまな環境下で、品質と信頼性の高いデータ収集を保証するセンサー・プラットフォームの深層学習(ディープ・ラーニング)能力を提供。IoTベースのセンサー・プラットフォーム、またはセンサー自体に組み込まれた高度な分析機能は、公衆衛生/安全または修復作業にとって極めて重要なポイント「わずかな環境変化を早期に発見する」のモニタリングに大きく役立つという。

    これらの課題には、自然または人工の、あるいは気候の影響による、水質の変化が含まれる。センサーは、環境の変化をよりよく理解するために必要な、物理的、化学的、生物学的パラメーターを測定。この応用として考えられるのは、湖沼、河川、河口、海洋生態系に影響を及ぼす農業や雨水の排水などの汚染源の管理改善だ。

    IBMとDCUはこれらのパイロット計画をアイルランドと米国において実施。ニューヨーク州のジョージ湖では、IBMが参加している進行中の「ジョージ湖におけるジェファーソン・プロジェクト」と並行して、展開される予定だという。

    アイルランド産業開発庁日本代表のデレク・フィッツジェラルド氏によると、「IoTやITは、アイルランドが非常に力を入れている産業です。主な理由として、能力が高く、高いスキルを持った労働者が多くいるからでしょう。このような労働者の多くがアイルランド出身である一方で、世界中からも有能な人材が集まってきています。それは、アイルランドが英語を話す国であること、EU(欧州連合)の確固とした加盟国であること、また、安全且つ、優れた教育制度と医療制度により、すばらしいワークライフ・バランスが得られる、ことなどが魅力になっているからです」

    【関連リンク】
    アイビーエム(IBM)
    ダブリン・シティ大学(DCU)

  • NVIDIAとトヨタ、自動運転車の市場導入加速に向けて協業

    NVIDIAとトヨタ、自動運転車の市場導入加速に向けて協業

    NVIDIAは、トヨタ自動車株式会社と協業し、同社が今後数年以内の市場導入を見込んでいる自動運転システムの性能を高めるための、人工知能(AI)によるハードウェアとソフトウェアのテクノロジーを提供することを発表した。

    トヨタは、NVIDIA DRIVE PX AIカーコンピューティングプラットフォームを、市場導入予定の高度な自動運転システムに搭載する。両社のエンジニアリングチームは、車載センサーで生成される大量のデータを理解して自動運転の幅広い状況への対処機能を強化する、高度なソフトウェアの開発にすでに着手しているという。

    AI、その中でもディープラーニングは、路上で遭遇する無数に近いシナリオの認識において高いパフォーマンスを発揮するため、自動運転車の開発の重要なツールのひとつとなっている。

    自動運転車は、すべてのセンサーからのデータを処理し、解釈する車載スーパーコンピューターを必要とする。多くの試作車はトランク一杯にコンピューターを搭載して、この複雑な作業に対処しているが、次世代のXavierプロセッサを搭載するNVIDIA DRIVE PXプラットフォームは、手のひらサイズで1秒間に30兆回ものディープラーニング演算を実現するという。

    DRIVE PXプラットフォームは、カメラ、Lidar、レーダー、その他のセンサーからのデータを融合する。AIを利用して自動車の周囲360度の環境を理解し、自動車がHDマップ上で自己位置を特定したり、リスクの可能性を予測することが可能。さらに、システムソフトウェアが無線ネットワーク経由で更新を受信するため、自動車はどんどんスマートになっていくという。

    提供:NVIDIA

    【関連リンク】
    エヌビディア(NVIDIA)
    トヨタ(TOYOTA)
    NVIDIA DRIVE PX

  • NVIDIA、AI都市実現に向け、エッジからクラウドまで対応したMetropolisビデオ分析プラットフォームを発表

    NVIDIA、AI都市実現に向け、エッジからクラウドまで対応したMetropolisビデオ分析プラットフォームを発表

    NVIDIAは、インテリジェントビデオ分析プラットフォーム「NVIDIA Metropolis」を発表した。

    「Metropolis」は、ビデオストリームにディープラーニングを適用することにより、公共安全、交通管理、リソースの最適化などの面で、今までよりも安全かつスマートな都市を実現するという。既に50社以上のNVIDIA AI都市パートナー企業が、ディープラーニング技術をGPUに適用する製品やアプリケーションの提供を開始している。

    政府施設、公共交通機関、商業ビル、道路沿いなどに設置されている何億台ものカメラで撮影される動画は、世界最大のデータ量を生み出している。2020年までに、世界のカメラの合計台数は、約10億台まで増えると予測されている。

    撮影された動画のうち、現在、人間の目でモニタリングできているのはごくわずかであり、動画のほとんどは、後日確認用にディスクに保存されている。初期のリアルタイム動画分析技術は、人間の目による解釈よりもはるかに信頼性が低いことが実証されてきた。一方、インテリジェントビデオ分析は、カメラ、オンプレミスのビデオレコーダーとサーバー、およびクラウドにディープラーニング技術を適用し、動画を正確かつ拡張可能な形で即時モニタリングすることにより、信頼性の問題を解決するという。

    「Metropolis」では、複数のNVIDIA製品が、統一されたアーキテクチャー上で動作する。高性能なディープラーニング推論は、エッジデバイスではNVIDIA Jetson組み込みコンピューティングプラットフォームを使って、またサーバーやデータセンターではNVIDIA Tesla GPUアクセラレーターを使って行われる。またNVIDIA Quadroプロフェッショナルグラフィックスが、リッチなデータ可視化を支援。そして、JetPack、DeepStream、TensorRTなど、NVIDIAの豊富なソフトウェア開発キットが、エッジからクラウドまでプラットフォーム全体をサポートするとしている。

    NVIDIA、AI都市実現に向け、エッジからクラウドまで対応したMetropolisビデオ分析プラットフォームを発表

    既に50社以上のNVIDIA AI都市パートナー企業が、NVIDIA GPU上でディープラーニングを用いることにより、顧客が洞察を獲得し、リアルタイムのアクションを行えるよう支援している。パートナーには、Avigilon、Dahua、Hanwha Techwin、Hikvision、Milestoneなどの各社が含まれている。

    【関連リンク】
    エヌビディア(NVIDIA)

  • パナソニックがNVIDIAのAI・ディープラーニングソリューションの提供を開始

    パナソニックがNVIDIAのAI・ディープラーニングソリューションの提供を開始

    この記事はNVIDIAのブログ記事で発表された内容である。

    NVIDIAはパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社 (以下、パナソニック) と販売代理店契約を締結し、AI・ディープラーニング ビジネスを共同で推進することに合意した。

    今後は、自動車 (車載、自動運転)、製造(生産自動化、需給予測、スマート家電)、医療・健康、建設・住宅、金融などのさまざまな分野において、パナソニックのデータ サイエンティストが持つ知見や、顧客の環境・要件に合わせた提案・設計のノウハウ、そして NVIDIA Tesla GPUおよび、AIスーパーコンピューター NVIDIA DGX-1による高度な分析技術を生かしたAIソリューションの導入を加速していくという。

    NVIDIAのTeslaプラットフォームは、半精度演算性能が21.2テラフロップスに達するフラッグシップGPUのNVIDIA Tesla P100をはじめ、推論処理用GPUのTesla P4 、Teslaシリーズで最大のメモリ容量を持つTesla P40といったハードウェアと、その性能を引き出すディープラーニングSDK等のソフトウェア スタックから構成される。

    また、Tesla P100を8基搭載するAIスーパーコンピューター DGX-1は、通常のサーバー250台分に相当する演算性能で、ディープラーニングの学習及び推論処理を強力に支援するという。

    【関連リンク】
    エヌビディア(NVIDIA)
    パナソニック ソリューションテクノロジー(Panasonic Solution Technologies)

  • NEC、ディープラーニング技術を搭載したソフトウェア領域のパートナー制度を強化

    NEC、ディープラーニング技術を搭載したソフトウェア領域のパートナー制度を強化

    日本電気株式会社(以下、NEC)は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の一つであるディープラーニング(深層学習)技術を搭載したソフトウェア製品「NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習」(以下、「RAPID機械学習」)(注1)のパートナープログラム「RAPID WORKS」(注2)を新設し、本日5月9日よりパートナー企業を募集開始した。

    昨今、AIを活用して各業種・業務課題を解決する動きが活発になっている。「RAPID WORKS」では、各パートナー企業による「RAPID機械学習」を活用した製品・サービスの強化や新たなソリューション創出を強力に支援するという。

    なお、「RAPID WORKS」新設を機に、2004年に開始したソフトウェアパートナー制度の名称「Partner Program for Software」(注3)を「NEC Software WORKS」に変更するとともに、特典メニューを一新、今後対象製品を順次拡大する予定。

    特典メニューには、パートナープログラムごとに、パートナー企業に合わせたソフトウェア製品の活用シナリオやビジネスコンセプトを検討する「ビジネス共創ワークショップ」、持ち寄ったアイデアを出し合いながらソリューション開発を進める「技術交流会」など、ビジネス面や技術面における19のメニューを提供。

    NECは、社会ソリューション事業に注力しており、同制度を通じ、パートナー企業が保有するノウハウ・知見とNECのソフトウェア製品を組み合わせたソリューション共創を加速していくとしている。

    「NEC Software WORKS」の主な特長は以下の通り。

    • 「RAPID WORKS」について
      同プログラムは、自社の製品・サービスへ「RAPID機械学習」を組み込んだソリューションを提供する「ソリューションパートナー」、構築・導入コンサルテーション・運用支援など「RAPID機械学習」に関連する技術支援サービスを提供する「テクニカルパートナー」の2カテゴリのビジネスパートナーが対象。同プログラムを通じて、パートナー企業とNECが共に成長し、外観検査、故障予兆検知、不正検知、マーケティング分析、人材マッチングなど「RAPID機械学習」を活かした新たなソリューション創出と展開を目的にエコシステムの構築を目指す。

      なお既に、15社のパートナー企業が同プログラムへの賛同を表明している。(SCSK株式会社、株式会社SJC、NECネッツエスアイ株式会社、NECフィールディング株式会社、株式会社グロスディー/NDIソリューションズ株式会社、佐鳥電機株式会社、日本事務器株式会社、日本電気通信システム株式会社 他6社)

      さらに、同プログラムにおけるソリューション創出に必要なプラットフォーム提供企業としてアマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社、日本オラクル株式会社、日本マイクロソフト株式会社からも賛同を得ており連携を図るという。

    • 価値を共創するための特典メニューを用意
      「NEC Software WORKS」への加入特典として、パートナー企業が提供するソリューションにおけるNECのソフトウェア製品の活用シナリオやビジネスコンセプトを検討する「ビジネス共創ワークショップ」、持ち寄ったアイデアを出し合いソリューション開発や技術レベルの底上げを図る「技術交流会」、売上や販促施策推進などのマーケティング活動に応じポイントを提供、そのポイントを特別なライセンスの利用権やノベルティなど各種特典と交換できる「マイレージプログラム」等、19のメニューを提供。

      共通 パートナーフォーラムへの参加
      ビジネス共創ワークショップ
      NEC Software AWARD
      セールスサポート ニュースレター配信
      パートナー専用Webサイト
      販促ツール提供
      デモ環境の提供
      イベントへの協賛
      キャンペーンの実施
      マイレージプログラムでの優待
      マーケティングサポート マーケティングファンド提供
      認定パートナーロゴの使用許諾
      パートナー一覧ページでの紹介
      導入事例の作成
      共同ソリューションの作成
      技術サポート 製品評価ライセンスの提供
      製品導入前の問い合わせ
      技術交流会への参加
      トレーニング受講・優遇

    (注1)NEC Advanced Analytics – RAPID機械学習について
    (注2)「RAPID WORKS」は、パートナー向けの「AI・IoTビジネス共創コミュニティ」の一つとしても展開します。AI・IoTビジネス共創コミュニティは、パートナーのAI・IoTビジネスを支援するNECの取り組みの総称であり、各種の販売支援メニューや、開発協業プログラムを提供します。
    (注3)プレスリリース『中堅・中小企業市場におけるミドルウェアの提供拡大を目的とした「NECパートナープログラム for ソフトウェア」の開始について』

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