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  • NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、 IOWNを活用し3DCADを用いた遠隔共同作業の実証に成功

    NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、 IOWNを活用し3DCADを用いた遠隔共同作業の実証に成功

    三次元空間で設計を行うためのコンピューター支援設計ツールである3DCADを用いた3D設計では、数GBから数十GBにおよぶ大容量データを扱うことが不可欠となる。

    加えて、このような3D設計に関するデータは圧縮することが難しく、3DCADで設計された大容量の3Dモデルを遠隔地の作業者間でリアルタイムに共有しながら共同作業を行うことは、従来のネットワークでは困難であった。

    その結果、設計レビューを実施するためには、関係者が対面で集まる必要があり、移動コストや時間が課題となっていた。

    こうした中、NTTドコモビジネス株式会社とダッソー・システムズは、NTTが提唱する、光信号を用いて超低遅延かつ高速な通信を実現するネットワーク技術「IOWN APN」を活用し、製品開発におけるリアルタイムな3DCADの遠隔共同作業に成功したと発表した。

    この実証は、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を活用した設計業務において、3D設計やPLM(製品ライフサイクルマネジメント)ソリューションに関するデータを高速かつ低遅延に同期することにより、遠隔においてもスムーズな共同作業を実現した。

    具体的には、武蔵野市にある東京第11データセンタと、大手町プレイスにある共創ワークプレイス「OPEN HUB Park」を「IOWN APN」で接続し、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を用いて遠隔共同編集を行った。

    武蔵野市側には、3DCADの同一モデルをリアルタイムに共有・編集できる「3DEXPERIENCEプラットフォーム」のデスクトップアプリケーションと、3DCADデータを格納する「3DEXPERIENCEプラットフォーム」のサーバ、大手町プレイス側に作業者のPCとして「3DEXPERIENCEプラットフォーム」のデスクトップアプリケーションを設置した。

    この2拠点間で、数千から数万個におよぶ大容量、高精細かつ複数種類の3DCADデータやPLMデータをサーバからダウンロードし、3DCADを用いた共同編集の検証を行った。

    NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、 IOWNを活用し3DCADを用いた遠隔共同作業の実証に成功
    NTTドコモビジネスとダッソー・システムズ、 IOWNを活用し3DCADを用いた遠隔共同作業の実証に成功

    その結果、同一ビル内でサーバと作業者のPCを接続した場合と比較し、ほぼ同等のパフォーマンスで共同作業が行えることが確認された。

    また、3DCADにて編集可能な環境が同期される時間を計測したところ、従来のインターネット経由と比べ、速度が最大約500%向上し、ほぼ遅延のないスムーズなリアルタイム同期作業が可能であることを確認した。

    今回の実証は製造業界を起点としているが、今後はIOWN構想が実現する多様なユースケースへの展開を視野に入れ、産業全体のイノベーションを促進する取り組みを共に加速していくとしている。

    加えて、ダッソー・システムズは、光を活用した次世代ネットワーク技術の開発やユースケースの議論を行うためのフォーラム「IOWN Global Forum」への正式加入を通じて、IOWNの4Dデジタル基盤の多分野展開に向けた協業体制を強化する。

    さらにダッソー・システムズは、「3DEXPERIENCEプラットフォーム」上で複数の生成AIを統合しIPライフサイクル管理する「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)」のもと、IOWN APNを含めAI-Centric ICTプラットフォームを活用することで、両社は知識とノウハウの基盤を共有し、データセンタ、IoT、GPUなどを組み合わせ、あらゆる産業のデジタルツインを支えるプラットフォームの実現を目指す方針だ。

  • ダッソー・システムズ、AI活用の設計と協業環境を提供する「SOLIDWORKS 2026」を発表

    ダッソー・システムズ、AI活用の設計と協業環境を提供する「SOLIDWORKS 2026」を発表

    ダッソー・システムズ株式会社は、3D設計・開発ソリューションの最新版「SOLIDWORKS 2026」を発表した。

    「SOLIDWORKS」は、機械設計用途の3次元CADソリューションだ。

    今回発表された最新版では、設計、解析、電気設計、製品データ管理(PDM)などのソリューション全体で数百項目に及ぶ新機能の搭載と改善が加えられている。

    具体的には、図面作成や詳細設計の工程において生成AIが支援を行うほか、ボルトやナットなどの締結部品の配置において、AIが箇所を自動認識し組み立てる機能を搭載した。

    また、業務効率化を支える機能として、AI搭載の「バーチャルコンパニオン」が導入された。これは、コミュニティへの投稿やWiki、過去の質問などの膨大な情報から、ユーザが必要とする回答を即座に要約・抽出する機能だ。

    さらに、IoT機器やロボットなど、製品が複雑化・高度化するにつれて増大するデータサイズへの対応も強化された。

    具体的には、大規模なアセンブリ(集合部品)データを扱う際、必要なデータのみを読み込む「セレクティブロード」機能などを拡充し、実務におけるワークフローを快適にした。

    加えて、ネットワーク障害時でも作業を継続できるオフライン対応の強化や、頻繁に使用するコマンドのハイライト表示など、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善も図られている。

    他にも、3DEXPERIENCEプラットフォームと連携強化することで、カットリストの一元管理、設計部品表(EBOM)と製造部品表(MBOM)の統合が可能となった。

  • ダッソー・システムズ、複数の生成AIを組み込んだデジタル環境をApple Vision Proに投影する「3DLive」をリリース

    ダッソー・システムズ、複数の生成AIを組み込んだデジタル環境をApple Vision Proに投影する「3DLive」をリリース

    ダッソー・システムズは、同社の3DEXPERIENCEプラットフォーム上で作成されたバーチャルツインをApple Vision Proに映し出すアプリ「3DLive」をリリースすると発表した。

    「3DLive」は、Appleが提供するゴーグル型のMRヘッドセット「Apple Vision Pro」を、ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームに統合することで、現実世界と同様の環境でリアルタイムな視覚化とチームコラボレーションを可能にするアプリだ。

    これは、Apple Vision Proのカメラ、センサー、トラッキングと、複数の生成AIを組み込むことで3Dデータを直感的に扱うことができる3DEXPERIENCEプラットフォームの機能である「3D UNIV+RSES」によって実現されている。

    これにより、モデリング、シミュレーション、製造、トレーニング、配送作業などに活用することができるとしている。

    ダッソー・システムズのコーポレート・ストラテジー&プラットフォーム・トランスフォーメーション担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるエリサ・プリズナー氏は、「3DEXPERIENCEプラットフォームの採用が幅広く拡大していることから、今回の提携は、独自のバーチャルツインデータセット上で、AIを基盤とした我々の次世代の体験を連携して訓練する3D UNIV+RESの可能性を考慮して、当社のあらゆるお客様企業にとってユニークな価値となるだろう」とコメントしている。

    また、Appleのビジョンプロダクトグループのバイスプレジデントであるマイク・ロックウェル氏は、「Apple Vision Proは、空間コンピューティングでできることの限界を押し広げており、主要産業における人々の働き方を変えている。ダッソー・システムズとの提携により、3DEXPERIENCEプラットフォームに空間コンピューティング機能を追加することができ、エンジニアやデザイナーは、これまでは不可能だった方法で3Dデザインに簡単に実現できるようになる」と述べている。

    関連記事:ダッソー・システムズ、複数の生成AIを組み込みシミュレーションできる「3D UNIV+RSES」を発表

  • ダッソー・システムズ、複数の生成AIを組み込みシミュレーションできる「3D UNIV+RSES」を発表

    ダッソー・システムズ、複数の生成AIを組み込みシミュレーションできる「3D UNIV+RSES」を発表

    ダッソー・システムズは、同社が提供する、製品開発プロセス全体をサポートする「3DEXPERIENCEプラットフォーム」の知的財産(以下、IP)ライフサイクル管理機能「POWER’by」に、複数の生成AIを組み込んだ新サービス「3D UNIV+RSES(3Dユニバース)」を発表した。

    「3D UNIV+RSES」は、モデリング、シミュレーション、現実世界のデータ、AIが生成するコンテンツを総体的に組み合わせ、物の動きや変形、時間を統合し、実験を行うための環境だ。バーチャルツインを活用し、ユーザのエコシステム全体のバーチャル化を可能にする。

    また、複数のバーチャルツインを結合してシミュレーションしたり、ユーザのIPを保護しながらマルチAIエンジンの訓練を実施できるセキュアな環境を提供する。

    さらに、ジェネレーティブ・エクスペリエンス「GenXp」や仮想空間のアシスタント機能「バーチャル・コンパニオン」、バーチャルツイン・エクスペリエンス・アズ・ア・サービスなど、ダッソー・システムズが提供するエクスペリエンス・アズ・ア・サービスにおけるサービスおよびソリューションの活用に適した設計になっている。

    ダッソー・システムズ取締役会エグゼクティブ・チェアマンのベルナール・シャーレス氏は、「最も価値ある知的財産を生成し保護するには、製品と自然、生活を調和させるあらゆるもののバーチャルツイン・エクスペリエンスを、すべての人々のために提供することが極めて重要だ。」と述べている。

    また、ダッソー・システムズのCEOであるパスカル・ダロズ氏は、「過去3年間にわたり、ベルナール・シャーレスと当社の戦略・研究開発部門は、生成AIの幅広い導入に基づいて市場を変革するソリューションを定義してきた。これにより、当社のあらゆる分野のお客様は、自社が開発する製品・サービスのライフサイクルの段階でAIを活用し、それらを持続可能なものにすることで、最終的に消費者、患者、そしてすべての人々の生活を向上することが可能になる。」とコメントしている。

  • キヤノンITS、「mcframe PLM」と3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を提供開始

    キヤノンITS、「mcframe PLM」と3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を提供開始

    キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、プロダクトライフサイクルマネジメント(以下、PLM)ソリューションの「mcframe PLM」と、3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を、2025年1月31日より提供開始した。

    「mcframe PLM」は、製品情報を管理するものづくりエンジニアリングプラットフォームだ。製品の企画から設計、製造、販売、アフターサービス、廃棄といった全ライフサイクルにおける情報を一元管理し、業務の効率化や標準化、原価低減を支援する。

    一方「SOLIDWORKS」は、フランスのダッソー・システムズが提供する3次元CADソフトウェアだ。主に機械設計分野で広く利用されており、製品の設計、シミュレーション、解析、製造を支援する。

    これまで「mcframe PLM」を利用する際は、3DCADとのデータ受け渡しが不可欠で、手作業によるデータ変換や入力が必須であり、作業負荷やヒューマンエラーが課題であった。

    そこで今回、「SOLIDWORKS」を対象として、「mcframe PLM」と連携させる「PLM-CAD連携インターフェース」を販売した形だ。

    「PLM-CAD連携インターフェース」は、「mcframe PLM」と「SOLIDWORKS」を連携し、「SOLIDWORKS」上で専用コマンドを実行することで、「mcframe PLM」で自動採番した品番を「SOLIDWORKS」の3Dデータに設定することができる。なお、採番した品番は、「mcframe PLM」にも登録される仕様だ。

    キヤノンITS、「mcframe PLM」と3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を提供開始
    品番自動採番の概要

    また、「mcframe PLM」と製品情報管理システム「SOLIDWORKS PDM」を連携し、「SOLIDWORKS PDM」でワークフロー承認された3DデータをXVLに変換し、「mcframe PLM」に登録する。そして、3Dデータの情報から「mcframe PLM」に部品データやその属性、および部品構成(E-BOM)が作成される。

    キヤノンITS、「mcframe PLM」と3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を提供開始
    3D情報登録支援の概要

    さらに、「SOLIDWORKS PDM」でワークフロー承認されているドキュメントを「mcframe PLM」に一括登録することが可能だ。

    キヤノンITS、「mcframe PLM」と3DCAD「SOLIDWORKS」間を連携する「PLM-CAD連携インターフェース」を提供開始
    文書一括自動登録の概要

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  • ノーリツ、スマートファクトリーへ向けダッソー・システムズの製造オペレーション管理システムを導入

    ノーリツ、スマートファクトリーへ向けダッソー・システムズの製造オペレーション管理システムを導入

    株式会社ノーリツは、兵庫県明石市の明石本社工場において、製造オペレーションに関わる情報を統合管理するダッソー・システムズの「DELMIA Apriso」を導入し、2024年12月から本格運用を開始した。

    今回の運用に際しては、コベルコシステム株式会社の支援を受けて、製造実行システム(以下、MES)プラットフォームとして「DELMIA Apriso」を、明石本社工場に導入し、2024年10月からのテスト運用を経て、12月より本格稼働した。

    ダッソー・システムズが提供する「DELMIA Apriso」は、リアルタイムでデータを収集・分析する機能により、迅速な意思決定を支援する。

    さらに、グローバルな展開にも対応し、ERPや当社設計系プラットフォームと連携しながら複雑なサプライチェーンやエンジニアリングチェーンの効率的な管理をサポートする。

    これにより、在庫・品質・設備保全・作業員のオペレーションといった製造オペレーション業務の一元管理が可能になった。

    導入効果としては、製品シリアルNo.と部品のシリアル・ロットNo.の紐付け、設備装置や検査ログの紐付けを行うことで、異常発生時(市場・部品・設備異常)のロット追跡が可能となり、トレーサビリティ強化による品質向上が期待できる。

    また、BOPを用いて作業時間・リソース・単価といった工程予実管理を行い、原価の適正化を図るほか、生産設備や自動搬送装置との連携で、MESを中心とした自働化工場を実現する。

    今後は、予実管理精度の向上による原価低減や業務改善に加え、MESを中心とした自働化の基盤構築、トレーサビリティ強化によって生産性と品質の向上も目指すとしている。

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  • ダッソー・システムズ、ステークホルダと連携するコラボレーション機能などを追加した「SOLIDWORKS 2025」を発表

    ダッソー・システムズ、ステークホルダと連携するコラボレーション機能などを追加した「SOLIDWORKS 2025」を発表

    ダッソー・システムズは、同社が展開する3D設計および製品開発アプリケーション「SOLIDWORKS 2025」の最新リリースの提供を発表した。

    「SOLIDWORKS 2025」では、コラボレーションとデータ管理を強化したほか、部品やアセンブリ(組み立て)、電気配線および配管ルーティング、ECAD(電気設計)とMCAD(機械設計)の連携、レンダリングに関するワークフローを効率化した。

    具体的には、「SOLIDWORKS」から直接、製造業向けの情報共通基盤「3DEXPERIENCEプラットフォーム」上のコミュニティにアクセスして、ユーザ同士だけでなくステークホルダと連携を可能とするコラボレーション機能と、設計モデル上で行われるアクションに関するリアルタイム通知機能が追加された。

    また、面取り設計を効率化する新しい選択アクセラレータと、フィレットエッジを連続的にブレンドするオプションが追加された。

    アセンブリの構成部品の複製に関しては、構成部品と関連する機械的合致を同時に複製することが可能になり、アセンブリの作成を効率化する。

    加えて、接続されたデバイス上で、一つの図面に複数のユーザが承認スタンプを押せる「マルチレベル承認」も追加されたほか、拘束先が不明なスケッチ拘束または寸法を自動修復することができるようになった。

    他にも、SOLIDWORKS PDM、SOLIDWORKS Simulation、SOLIDWORKS Electric Schematic、SOLIDWORKS Electrical Schematic Designer、DraftSight等のアプリケーションがアップデートされたとのことだ。

  • アシックスとダッソー・システムズ、足形やニーズをもとにパーソナライズされたプロダクトを提供する実証実験を開始

    アシックスとダッソー・システムズ、足形やニーズをもとにパーソナライズされたプロダクトを提供する実証実験を開始

    ダッソー・システムズとアシックスは、パリに「ASICS Personalization Studio(アシックスパーソナライゼーションスタジオ)」を設置し、パーソナライズされた中敷などのフットウエア製品をオンデマンドで作製する新サービスの実証実験をスタートした。

    「アシックスパーソナライゼーションスタジオ」は、顧客ごとの足形に合致しながら、使用目的や嗜好にかなう個人に合わせた中敷を作製するコンパクトな生産設備だ。

    ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォーム上で計測した足形データをもとに、アシックス独自のモデリング技術により、本来あるべき土踏まずの形状を予測する。そして、弾性に優れた素材を使い、3Dプリント技術を活用して、立体的かつ厚みのある格子構造を重ね合わせて製造する。

    さらに、部位に応じて硬さを変えていくことで、足の負担軽減をはかるリカバリーや、パフォーマンス向上に必要な機能性を付加することを目指すとしている。

    今回の実証実験では、生産オペレーションのテストやユーザ満足度調査などを行い、実用化に向けて課題を検証する。そして、2025年以降に同スタジオを日本国内に移送し、実用化に向けた検証を重ね、将来的には、中敷以外のフットウエア製品への応用も検討するとのことだ。

  • ドローンを自動メンテナンスし飛行させるドローンのためのガレージ「DBOX」ー3DEXPERIENCE World 2024 レポート4

    ドローンを自動メンテナンスし飛行させるドローンのためのガレージ「DBOX」ー3DEXPERIENCE World 2024 レポート4

    2024年2月11日~14日に米国テキサス州ダラスにて、ダッソー・システムズの3DCADであるSOLIDWORKSと機能を拡張するプラットフォーム「3DEXPERIENCE Works」のユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2024」が開催された。

    本稿では、3DEXPERIENCE World 2024で紹介された「DBOX」を紹介する。

    自動でメンテナンスを行う「DBOX」

    リトアニアに本社を持つDBOXは、ドローンのためのガレージ「DBOX」を開発している。この「DBOX」を街中の屋上に置くことで、インターネットに接続されていれば、自動でドローンを飛行させることができる。このDBOXは、SOLIDWORKSのスタートアッププログラムによる支援を受けて開発された製品だ。

    DBOXへデータを転送することで、あらかじめ予定された飛行データをドローンに転送し飛行させることができる。1つのドローンが、DBOXから別のDBOXに飛行し、そこで別の飛行データを受け取って更に飛行するということも可能だそうだ。


    ドローンがDBOXに着陸すると、DBOXはドローンを内部に格納する。この時、多少ずれた位置に着陸しても正しく格納されるように設計されているそうだ。格納されたドローンは、DBOX内部のロボットアームによって、自動でバッテリー交換が実施される。予備のバッテリーは複数個充電された状態で用意されているため、24時間メンテナンスが可能である。

    また、DBOX内はバッテリーを長く維持するために温度管理がされている。雨や雪などの天候や気温からもドローンを守ることができる。DBOXには気象をモニタリングする機能も付いているため、ドローンが飛行しても安全な気象の時にしか飛行させない様になっている。

    DBOXには気象をモニタリングする機能がついているため、ドローンにとって安全に飛行できる時のみ飛行するよう設定されている。
    DBOXには気象をモニタリングする機能がついているため、ドローンにとって安全に飛行できる時のみ飛行するよう設定されている。

    これまでドローンを使用する場合は、オペレータが現場に向かい箱からドローンを出して必要があればバッテリー交換を行い飛行させていた。DBOXを使用することで、オペレータは現場に行く必要がなくなり、箱からドローンを出す必要もなく、バッテリー交換もやらずに済むということだ。更に、DBOXにデータを送ることができるため、オペレータが迎えないような場所や時間でもドローンを飛行させることができるようになる。

    DBOX自体のメンテナンスは月一回で良いため、メンテナンスに必要な人や時間を大きく減らすことができる。

    現状対応しているドローンは、DJIのMavic2とMavic3である。今年の年末までには、DBOXが自社開発しているドローンも製品化される予定だとした。ヨーロッパではすでに顧客が多くいるとし、街のインフラの検査や街の3Dスキャン、ソーラーパネルの点検などの利用シーンを想定しているという。

    現状は規制があるため、目視内での自律飛行までしかできないが、有人地帯での目視外自律飛行ができるようになった際には大きなパワーを発揮する製品だろう。

    「3DEXPERIENCE Works EXCELLENCE CENTER」


    このDBOXは、リトアニアにある「3DEXPERIENCE Works EXCELLENCE CENTER」のサポートを受けて開発されたという。「3DEXPERIENCE Works EXCELLENCE CENTER」は、デジタルソリューションの利用方法の支援をしたり製品の試作品の作成をサポートしたりしているようだ。

    DBOXは3DEXPERIENCE Works EXCELLENCE CENTERからの支援を受けることで、スケッチから3Dモデルへ、更に試作品、最終的な製品までの一連の開発を3ヶ月という短い期間で完成させることができたという。

  • イノベーションを生み出すスタートアップを支援するダッソー・システムズ ー3DEXPERIENCE World 2024 レポート3

    イノベーションを生み出すスタートアップを支援するダッソー・システムズ ー3DEXPERIENCE World 2024 レポート3

    2024年2月11日~14日に米国テキサス州ダラスにて、ダッソー・システムズの3DCADであるSOLIDWORKSと機能を拡張するプラットフォーム「3DEXPERIENCE Works」のユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2024」が開催された。

    本稿では、ダッソー・システムズのスタートアップ支援について紹介する。

    ダッソー・システムズのスタートアップ支援

    ゼネラルセッションでは、ダッソー・システムズが支援をしている様々なスタートアップが紹介された。
    ゼネラルセッションでは、ダッソー・システムズが支援をしている様々なスタートアップが紹介された。

    SOLIDWORKSと3DEXPERIENCEの戦略及びビジネスデベロップメント担当バイスプレジデントであるSuchit JAIN氏(トップ画像)は、日本記者の取材に対し、スタートアップ支援の背景を説明した。

    ダッソー・システムズがスタートアップを支援する理由の1つが、未来の顧客を探しているからだという。「Pay it forward」の考え方があるとし、このタイミングから将来のイノベーションの最先端にいる企業であるスタートアップを支援することで、より良いイノベーションが市場に拡大することを支援しているという考えだとした。

    ダッソー・システムズのスタートアップの支援として大きく2つのやり方があるという。

    1つは「3DEXPERIENCE Lab」だ。3DEXPERIENCE Labは、2015年に開設されたオープンイノベーションラボである。

    3DEXPERIENCE Labアクセラレーションプログラムに参加したスタートアップは、3DEXPERIENCEプラットフォームを利用して、様々な検証を行うことが可能になるほか、システムの専門的な知見やビジネスのコツなども学ぶことができる。また、パートナーとしてFablabが参画しているため、デジタル上のシミュレーションだけでなく実際にプロトタイプを作成し検討することができるのも3DEXPERIENCE Labのメリットだ。

    3DEXPERIENCE Labは、年間12〜15社のみを支援しているという。それは、多くの企業を浅く支援するのではなく、使命を果たそうという企業に寄り添い支援することが目的だからだという。3DEXPERIENCE Labの支援を受けるためには、四半期ごとにピッチがありそこで選定を受ける必要があるそうだ。

    また、3DEXPERIENCE Labがある場所での支援になるため、物理的なロケーションが制約条件となるという。

    もう1つの支援が、「SOLIDWORKS for Startupsプログラム」だ。

    こちらはイノベーションのアイデアはあるが資金が不足しているスタートアップに対して、SOLIDWORKSや3DEXPERIENCEのライセンス料を割引するというものだ。初年度のライセンス料は無料、2年目は70%オフ、3年目は30%オフと段階的な割引になっている。その他、各地域のSOLIDWORKSのパートナーからのトレーニングを受けることも可能であるという。

    ダッソー・システムズの支援を受けたスタートアップ

    電動三輪車を開発する「Tigoona」

    電動三輪車「tigoona」のイメージ。
    電動三輪車「tigoona」のイメージ。

    インドのスタートアップであるTigoona」は、電動三輪車を開発している企業だ。露天商で働く人の働き方に革新をもたらす電動三輪車であるという。この電動三輪車は、「3DEXPERIENCE Lab」初のイノベーションだ。

    インドには1000万人の露天商がいるが、特に女性の露天商の起業家に向けて開発している。そのため、女性でも乗りやすく、安全かつ快適である三輪車を開発する必要があった。また安価に製品を届けるという課題もあり、こうした課題を解決するために3DEXPERIENCEプラットフォームや3DEXPERIENCE Labを活用したという。

    特にSOLIDWORKSのシミュレーションを活用したそうだ。素材や力学的なシミュレーションを行い、製品開発を行ったとしている。

    電動三輪車を走らせるインドの路上は、場所によって舗装されていない道もあるという。このような場所でも走行のしやすさは変わらないのか、また安全性は担保されるのかというようなことを様々なシナリオを考えてシミュレーションを行ったそうだ。シミュレーションをすべてデジタルツイン上で行うことで、開発期間を1年ほど短縮することができている。

    電動ベビーカーを開発する「GlüxKind」

    「GlüxKind」は親が手を離して使える電動ベビーカーを開発している。
    「GlüxKind」は親が手を離して使える電動ベビーカーを開発している。

    カナダのスタートアップである「GlüxKind」は電動ベビーカーを開発している。子育ての中でベビーカーはなくてはならない道具であり、このベビーカーをもう少し便利な形にできないかと考えて開発をスタートしたという。

    この電動ベビーカーにはいくつかのモードがある。その1つが利用者を追従するモードだ。利用者はベビーカーの後ろを歩くだけで、押したりする必要なくベビーカーが進むようになっている。緩やかなカーブのような先が見える道の場合でも追従が可能である。

    また、プッシュブレーキアシストが付いており坂道でも利用者は別のことをしながらベビーカーを操作することができる。他にもロッキングモードも付いており、子どもをあやす時に利用することができる。

    「GlüxKind」は、電動ベビーカーの開発に、SOLIDWORKS for Startupsプログラムを活用したという。創業者はゼネラルセッションの中で、「SOLIDWORKSがPoCから生産までのすべての過程において重要な鍵になった」と述べている。

    一般的なベビーカーは3つの部品が回転するように設計されているが、同電動ベビーカーは、4つの部品が回転するように設計する必要があった。それらの部品は、センサーからの信号を送るケーブルが通るように中空で設計する必要があったそうだ。こうした設計の制約がありながら、既存の自動ロボットと比較しておよそ6倍である150ポンド(約68kg)の重さに耐えられるように設計できたそうだ。耐荷重を6倍にしながら重量を抑えた設計が可能になったのは、ソフトウェアを使ったシミュレーションと現実でのテストを併用したためであるという。

    また、3DEXPERIENCEプラットフォームを活用することで、協働プロセスがスリム化されたという。世界中にいるインダストリアルデザイナーや製造業者とのコラボレーションが可能になり、アイデアから製造までを3年間という短い期間で実施することができたということだ。