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  • AGC、センサを取り付けたISOコンテナで化学製品の物流効率化と在庫管理省力化を支援

    AGC、センサを取り付けたISOコンテナで化学製品の物流効率化と在庫管理省力化を支援

    AGC株式会社は、化学製品の物流課題解決と、在庫管理の省力化を実現する新たなサービスを、2025年後半から開始すると発表した。

    同サービスは、デジタル技術を活用したISOコンテナで、コンテナ内容量を測定することが可能だ。センサを取り付けたISOコンテナを利用し、センサが取得したデータを独自のアルゴリズムによって解析することで、コンテナ内の残量をリアルタイムに把握する。

    輸送に使用するISOコンテナは、トラックから切り離してそのまま貯槽として使用できるため、貯槽の用意が不要となる。加えて、荷卸し時間の削減にも寄与する。

    これにより、製品の充填と荷卸し時にトラックドライバーが待機する必要がなくなり、最大90%の待機時間削減につながるとしている。

    AGC、センサを取り付けたISOコンテナで化学製品の物流効率化と在庫管理省力化を支援
    ISOコンテナの導入効果イメージ

    さらに、ISOコンテナに取り付けたセンサから取得した内容量データをもとに、適切な納入時期をAGCが提案するとのことだ。

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  • NEC・AGC、景観と環境に配慮した5G基地局の実証に成功

    NEC・AGC、景観と環境に配慮した5G基地局の実証に成功

    近年、モバイル通信インフラの需要が増大する中、5Gおよび6Gにおけるスモールセルの普及やそれに伴う多セル化が進行中だ。しかし、基地局の設置場所やその外観が景観に影響を与えることが、モバイルキャリアにとっての課題となっているのだという。

    こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)とAGC株式会社は、建材一体型太陽光発電ガラス(以下、BIPV)とガラスアンテナを用いた、屋内設置が可能な、景観に配慮したサステナブルな基地局の実証実験を行い、通信の確立を確認した。

    この新たな基地局は、BIPVとガラスアンテナ、無線機(RU : Radio Unit)から構成されている。建物の窓ガラスの屋内側にBIPVとガラスアンテナを設置し、室内にRUを据えることで、屋外に通信エリアを形成する。

    これにより、周囲の景観を損なわずに新たな基地局を設置することが可能となる。また、太陽光エネルギーを利用することで、モバイルキャリアのカーボンニュートラルの取り組みにも寄与する。

    NEC・AGC、景観と環境に配慮した5G基地局の実証に成功
    基地局のイメージ

    今回NECとAGCは、NEC玉川事業場内において、NEC製の5G基地局とAGC製のBIPVおよびガラスアンテナの組み合わせによる接続実証を行い、「オフィスビルの窓に設置したBIPVによる発電で5G基地局の起動および継続的な稼働」「5G端末を用いた通信とスループット」「特定エリア内の電波強度やカバレッジを示す電波伝搬ヒートマップおよびアンテナ特性」を確認した。

    これにより、同基地局の連続稼働が可能であることに加え、通信が正常に行われることが確認された。

    また、今回の実証実験により、5G基地局システムの約30%の電力を再生可能エネルギーによって代替できることが確認された。

    ユースケースとしては、ビルの屋上などに基地局を設置する対策に加えて、窓を通して屋内から屋外にむけて通信エリアを形成することによって、ビル間やビル下の電波が届きにくい不感地帯の解消に貢献する。

    今後は、ペロブスカイト太陽電池などの次世代太陽電池を用いることも視野に入れ、基地局の設置容易性を高めるとともに、さらなる再生可能エネルギーの活用に向けて取り組む予定だ。

  • AGC、ディスプレイ一体型のスマートミラー「ミラリア」を本格販売

    AGC、ディスプレイ一体型のスマートミラー「ミラリア」を本格販売

    AGC株式会社は、ディスプレイ一体型ミラー「ミラリア」の本格販売を、2023年11月1日より開始する。

    「ミラリア」は、ミラーの反射性とディスプレイの表示視認性を両立したディスプレイ一体型ミラーだ。デジタルコンテンツを表示するミラーとして、商業施設などで活用することができる。

    なお、すでに採用が決まっているタカラベルモント株式会社の「ECILA(エシラ)」は、ヘアサロン向けのスマートデバイスミラーで、ビジュアルコミュニケーションを通して、スタイリストの提案をサポートする。

    AGC、ディスプレイ一体型のスマートミラー「ミラリア」を本格販売
    タカラベルモントの「ECILA」使用イメージ

    今後AGCは、国内の化粧品販売店や美容室、商業施設などでの普及を目指すとしている。

  • セーフィーとAGC、屋外向けクラウド録画カメラ「Safie GO」やウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket」を導入

    セーフィーとAGC、屋外向けクラウド録画カメラ「Safie GO」やウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket」を導入

    現在、製造業界においては人の手をかけず、どのように作業を効率化していくかについて注目が集まっている。AIやIoTなど先端技術を活用することによって、手作業を機械で担保し手が空いた従業員がコア業務や有人対応を要する業務に回ることが可能になるだけでなく、作業品質の均一化や正確性の向上、現場従業員の負担軽減も期待できるようになる。

    AGC株式会社の24時間365日シフト制で稼働しているガラス製造工場では、業務の負荷削減や安定生産を目指したデジタル技術の導入やデータ分析が積極的に進められている。

    セーフィー株式会社は、設備の稼働状況確認における作業効率の向上や倉庫内作業の安全性の担保を目的に、セーフィーが開発・運営する屋外向けクラウド録画カメラ「Safie GO」やウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2」がAGC横浜テクニカルセンターに導入されたと発表した。

    セーフィーが展開するクラウド録画サービス「Safie」は、映像データを防犯用途だけでなく、遠隔での状況確認や異常検知・予測、更には映像解析による業務効率化などの様々なソリューションとして提供してきた。特に、Safie GOやSafie Pocketシリーズは、遠隔からのリアルタイムな設備の稼働状況確認により移動時間の削減や、映像解析により必要な情報をピンポイントで得られるため、作業負荷の軽減に寄与する。

    AGC横浜テクニカルセンターでは、主に製造現場の作業員が設備の稼働状況を確認する際や計器の数値読み取りにSafie GOとSafie Pocket2を計11台活用している。設備の稼働状況確認については、正常に稼働しないタイミングが発生した際に撮り溜めた映像データを振り返るだけでなく、映像データを解析することで品質不良の原因を特定している。

    また、Safie Pocket2はネット環境の整っていない場所にも設置できるため、遠隔地にある計器もカメラの映像および映像データのAIなどによる画像解析を通じてリアルタイムに数値を把握でき、従来1時間に1度の数値記録のために都度の現場訪問していた移動時間を削減するほか、様々な作業効率の向上につながっている。

    さらに、倉庫内のフォークリフトや貨物のトレーラーを扱う上で、作業者の接触防止をはじめとした安全な作業実施の有無についても、クラウド上に保存された映像を振り返り注意喚起を行うことで、事故が起こる前のヒヤリハット削減に貢献している。今後は、映像データを分析することで何が原因だったのかを確認し、危険を予知することや事故に繋がる不安全行動を発見した場合の是正にもつなげていきたいとしている。
    セーフィーとAGC、屋外向けクラウド録画カメラ「Safie GO」やウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket」を導入

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  • AGC、化学品プラントのプロセスデジタルツイン開発、インドネシア子会社で運用開始

    AGCは4月17日、化学品プラントのプロセスデジタルツインを開発し、インドネシアの化学品製造・販売子会社のアサヒマス・ケミカルの塩化ビニルモノマー(VCM)製造プラントで4月から本格的な運用を開始すると発表した。

    「プロセスデジタルツイン」の概要

    「プロセスデジタルツイン」は、実際のプラントの運転データを、プラント情報管理システム(PIMS)経由でプロセスシミュレータにリアルタイムに取り込み、即時に高速計算することで、仮想空間上にプラントの現在の状態を再現する技術。

    システムの活用することで、これまで取得できていなかったデータや、リアルタイムに参照できなかったデータをシミュレーション上で推算し、運転状態や装置性能などの可視化が可能になる。また、迅速な状況把握とデータに基づいた意思決定に役立てられる。

    AGCでは、今回開発したプロセスデジタルツインで、反応から蒸留精製までの幅広い工程をカバーすると同時に、実プラントの再現度を高めるために3つの工夫を施した。

    1つ目は、最小ステップの反応「素反応」まで考慮した厳密な反応モデルを組み込み、操業管理上のカギとなる副生成物の挙動まで再現した。

    2つ目は、ダイナミックシミュレーションを行うことで、プラントの安定状態だけではなく、変化する過程の状態も再現。3つ目は、実データを基に汚れなどの影響による、装置能力の経時的な変化を自動補正することで、実プラント状態の再現性を向上させた。

    同社では今後、プロセスデジタルツインをより多くのプラントへ展開することで、オペレーションを高度化し、一層の安定操業を目指すとしている。

  • ドコモ・トヨタ他、建物に設置したアンテナとカメラで移動体の位置をリアルタイムに表示する実証実験に成功

    ドコモ・トヨタ他、建物に設置したアンテナとカメラで移動体の位置をリアルタイムに表示する実証実験に成功

    近年、道路情報を、仮想空間のマップ(以下仮想マップ)上に再現し、安全運転を支援することなどに活用されているが、車や自転車、人などの移動体をリアルタイムにマップ上に表示することは困難であり、課題であった。

    そうした中、株式会社NTTドコモ、AGC株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と共同で、建物の窓ガラスに設置したカメラで撮影した移動体の映像を5G通信で伝送し、仮想マップ上に表示する実証実験を、2022年7月7日より実施しており、本日、実験が成功したことを発表した。

    この実証実験では、静岡県裾野市にあるトヨタの東富士研究所内実験場に、可搬型の5G基地局1局を設置して5G通信エリアを構築した。

    ドコモ・トヨタ他、建物に設置したアンテナとカメラで移動体の位置をリアルタイムに表示する実証実験に成功

    そして、建物の窓ガラスにカメラとAGCの5Gガラスアンテナ「WAVEATTOCH」を設置し、撮影した映像をドコモの5G通信(sub6帯と28GHz帯)経由で「docomo MEC」のクラウドサーバ上に送信する。

    その後、「docomo MEC」のAI動画解析技術を活用した移動体の判断に加え、それぞれの位置を高精度に把握し、仮想マップ上に表示する。

    ドコモ・トヨタ他、建物に設置したアンテナとカメラで移動体の位置をリアルタイムに表示する実証実験に成功
    実証実験の概要図

    実験の結果、カメラ撮影から車中で仮想マップを表示するまでの遅延は約0.3秒、位置情報の誤差は約30cm以下であった。また、走行している車中で仮想マップを確認することで、死角から車に近づく自転車や人を確認することに成功した。

    さらに、GPSが届かないエリアにおける正確な位置情報の把握が可能であり、AIで処理された画像を可視化することで、運転する際の支援情報をインフラとしてサポート可能。また、5Gガラスアンテナの活用により、カメラなどの設置場所の制約を低減することができる。

    ドコモ、AGC、NTT Com、トヨタは、今後も現実空間とメタバースを融合し、相互に情報を補完することで社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

  • FRONTEOとAGC、技能伝承・組織知形成に役立つAIナレッジシェアシステム「匠KIBIT」を販売開始

    FRONTEOとAGC、技能伝承・組織知形成に役立つAIナレッジシェアシステム「匠KIBIT」を販売開始

    株式会社FRONTEOとAGC株式会社は、FRONTEOが保有する言語解析AIエンジン「KIBIT」を活用した技能伝承システムの開発を2017年からすすめており、2020年7月には、製造業における技能伝承や企業内での組織知形成に役立つAIナレッジシェアシステム「匠KIBIT」を発表している。

    そして今般、FRONTEOは匠KIBITの販売を開始した。

    匠KIBITは、製造業における熟練技術者の知見を組織知として蓄積するシステムで、作業や業務を遂行する上で助けを必要としている技術者が質問を入力すると、既に蓄積されている熟練技術者の知識の中から、質問者に必要な知見を参照することができる。

    熟練技術者の高齢化や、若手人材の採用難による継承者不足、海外も含めた拠点の分散化など、企業の競争力ともいえる技能をいかに守り、伝承していくかが製造業において喫緊の課題となる中、匠KIBITは熟練技術者が試行錯誤の末生みだしたノウハウや、生産計画や工程における工夫など、経験によって培ってきた暗黙知を組織知とするのみならず、組織内でのナレッジシェアという文化形成にも役立つとしている。

    現在匠KIBITが対応している問い合わせ数は多い日で約40件と、人が1日に回答できる問い合わせ数を超えており、また有識者・熟練技術者の貴重な労力をAIで代替している。

    【関連記事】
    AGCとFRONTEO、熟練技術者の知見を引き出すことができるAI Q&Aシステム「匠KIBIT」を開発

  • NEC・NTTグループ・富士通・AGCなど、5Gソリューション展開をめざしたコンソーシアムの設立に向け基本合意

    NEC・NTTグループ・富士通・AGCなど、5Gソリューション展開をめざしたコンソーシアムの設立に向け基本合意

    グローバル市場に活路を見出す企業にとって、海外拠点のDXの推進は急務となっている。

    株式会社ACTIVIO、AGC株式会社、Advanced Wireless Network Co., Ltd.(以下、AIS)、EXEO ASIA Co., Ltd.、富士通株式会社、Loxley Public Company Limited(以下、Loxley)、Mobile Innovation Co., Ltd.、日本電気株式会社(以下、NEC)、NECネッツエスアイ株式会社(以下、NESIC)、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)、株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、およびNTT Limited(以下、NTTLtd.)は、海外に拠点を持つ法人客に、ローカル5Gなどのプライベート網を通じて5Gソリューションを提供することを目的としたコンソーシアムの設立に向けて基本合意したことを発表した。

    同コンソーシアムを設立し、コンソーシアムに参加するパートナー企業のネットワーク技術や販売網などの強みを連携させることで、海外に拠点を持つ企業向けに、独立かつ柔軟性のある安定したプライベート網を構築することが可能となる。加えて、ソリューション提案、システム導入やマネージドサービスまでを含めた各種サービスをワンストップで提供する。

    また、ドコモがこれまで取り組んできたO-RANの高い拡張性とオープンインターフェースなどのメリットを活用することで、国ごとに異なる周波数への対応や様々なベンダーが提供する機器間の接続を実現し、企業へ柔軟かつ最適なローカル5Gネットワークを提供することが可能になるという。

    同コンソーシアムでは、第1段階として、多くの製造業・建設業関連の企業が拠点を構えるタイにおいて、2021年下半期頃に実証実験および商用サービスの開始、2022年に商用のローカル5Gネットワークや5Gソリューションの提供を目指している。今後も、DXのニーズがある製造業が多いアジア太平洋地域を中心に対応地域を拡大していく予定としている。

    なお、同コンソーシアムにおける各社の役割は以下の通り。

    • ACTIVIO:無線機器の認証申請、輸入代行、認証ラベルの手配、および無線ビジネスライセンスの取得手続き
    • AGC:ミリ波を中心とした軽量・省スペース・高意匠なアンテナと屋内カバレッジ改善ソリューションの提供
    • AIS:通信回線などの提供
    • EXEO ASIA:無線アクセスネットワークを含めたネットワークインフラの現地施工
    • 富士通:ネットワーク通信機器やソリューションの提供および検証サポート
    • Loxley:システムインテグレーションとエンジニアリング
    • Mobile Innovation:顧客チャネルの構築支援
    • NEC:ネットワーク通信機器やソリューションの提供および検証サポート
    • NESIC:工事を含むSI業務全般対応と保守運用
    • NTT Com:顧客チャネルの構築
    • NTTデータ経営研究所:顧客チャネルの構築支援とソリューションの発掘
    • ドコモ:同プロジェクトの取りまとめ、5Gソリューション、無線アクセスネットワークの設計、ORAN準拠ネットワーク装置の統合
    • NTT Ltd.:顧客チャネルの構築
  • AGCとFRONTEO、熟練技術者の知見を引き出すことができるAI Q&Aシステム「匠KIBIT」を開発

    AGCとFRONTEO、熟練技術者の知見を引き出すことができるAI Q&Aシステム「匠KIBIT」を開発

    ガラス製造は、溶解・成形・加工などの複数の技術が組み合わされており、操業には独自の技術力が必要だ。AGC株式会社では、技術力が他社との差別化に繋がっている一方で、各工場が蓄積したノウハウの共有や、熟練技術者から若手技術者への技能伝承が大きな課題となっていた。

    AGCと株式会社FRONTEOは、コンピューター上にガラス製造の知見を集約し、AIを用いて簡単にその知見を引き出すことができる、AI Q&Aシステム「匠KIBIT」を共同で開発した。

    「匠KIBIT」の主なプロセスは以下の通り。

    1. 質問:聞きたい質問を入力
    2. 学習:質問の特徴をFRONTEOが保有する自然言語解析AIエンジンであるKIBITが学習
    3. 評価:KIBITによるスコアリングを実施
    4. 回答:類似度の高い質問に紐付いた回答を質問者に提示

    自動回答できなかった質問は、該当する熟練技術者をKIBITが推定し、その熟練技術者に対して回答依頼を自動的に通知し、回収することで、自律的にデータベースを拡充できる仕組みだ。同システムは2017年より国内ガラス製造拠点でトライアルを開始し、月間300件以上の利用があるという。

  • NTTドコモとAGC、28GHz帯5G電波の透過・反射を動的制御する透明メタサーフェス技術の実証実験を実施

    NTTドコモとAGC、28GHz帯5G電波の透過・反射を動的制御する透明メタサーフェス技術の実証実験を実施

    5G以降の世代で利用される高い周波数帯は、直進性が高く、基地局から見通せる範囲外は電波の反射を活用してエリア構築することが効果的である。そのため、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)では、反射波の方向やビーム形状を任意に設計することが可能なメタマテリアル反射板を検討してきた。

    しかし、メタマテリアル反射板はエリア拡大には有効だが、設置場所に合せた設計が必要であり、反射板の裏には電波が届かなくなる、景観に影響を与えるなどの課題がある。

    エリア拡大を進めていくためにはより柔軟に電波伝搬を制御する必要があるため、ドコモは、AGC株式会社の協力により、高い透明性を維持しながら電波の反射・透過を制御する「透明動的メタサーフェス」のプロトタイプを開発した。メタサーフェスとは、波長に対して小さい構造体を周期配置して任意の誘電率・透磁率を実現する人工媒質(メタマテリアル)の一種で、構造体の周期配置を2次元とした人工表面である。

    今回、両社が開発した透明動的メタサーフェスは、小さな構造体を規則的に多数配置したメタサーフェス基板を透明化したものに透明なガラス基板を重ね、重ねたガラス基板を微小に可動させて、以下の3パターンを動的に制御することができる。

    • 入射電波を透過するモード
    • 電波の一部を透過し一部を反射するモード
    • すべての電波を反射するモード

    このメタサーフェス動的化手法は、半導体を用いたこれまでの手法と比べて、透明性を維持したまま動的制御が可能であり、基板の大面積化が容易である。また、景観や既存のデザインを損わないため、建築物や看板、広告、車両などへの設置の可能性が広がる。

    設置場所の環境に合わせて動的に電波伝搬を制御するため、基地局の設置が難しい建物が密集したオフィス街や、電波の透過・反射を制御する需要があるような屋内環境などで、よりきめ細やかな5Gエリアの構築が可能となる。

    NTTドコモとAGC、28GHz帯5G電波の透過・反射を動的制御する透明メタサーフェス技術の実証実験を実施
    NTTドコモとAGC、28GHz帯5G電波の透過・反射を動的制御する透明メタサーフェス技術の実証実験を実施

    両社は、透明動的メタサーフェスを用いた原理実験を、ドコモR&Dセンタで1月8日~1月10日に行った。同実験では、透明動的メタサーフェスを透過するモード・反射するモードの2パターンで、入射電波の透過特性を測定し、28GHz帯で、透過モードの時は電波が減衰することなく基板を透過し、反射モードの時は電波が減衰することなく反射することを確認した。

    なお、同実験に使用した透明動的メタサーフェスは、ドコモが原理提案・設計をし、AGCが材料・微細加工技術の検討および製造を行った。

    同技術は5Gよりもさらに高い周波数帯への適用も可能である。ドコモは、今後も5Gエリアの効率的かつ柔軟なエリア構築手法の確立をめざし、同時に5Gとその先の無線環境制御技術の研究・開発に取り組むとした。