カテゴリー: 製造業

製造業におけるスマートファクトリーに関する記事一覧です。

スマートファクトリーに関する、解説や、情報をまとめたページは以下になります。
[su_button url=”https://stg-iotnews-stage.kinsta.cloud/smart-factory” style=”flat” background=”#00A2FF” size=”6″ wide=”yes” center=”yes” radius=”10″ icon=”icon: caret-right”]スマートファクトリーとは[/su_button]

  • アジアクエスト、監視カメラ映像から予知保全の「判断」までを担うAIエージェントを提供開始

    アジアクエスト、監視カメラ映像から予知保全の「判断」までを担うAIエージェントを提供開始

    製造業などの現場において、設備の安定稼働を維持する保全業務は、熟練者の経験や勘に依存する部分が大きく、人材不足と技術継承が課題となっている。

    また、常時監視による異常検知は人的リソースの限界があり、見逃しによる突発的な設備停止(ダウンタイム)のリスクを抱えている。

    こうした中、アジアクエスト株式会社は、同社のAIエージェントシリーズ第7弾として、工場設備の予知保全を支援する「AQ-AIエージェント Facility-Ops」の提供を開始した。

    同サービスは、機械学習(ML)と生成AI(GenAI)という異なる特性を持つAIを組み合わせた「マルチAIエージェント」構成を採用している。

    アジアクエスト、監視カメラ映像から予知保全の「判断」までを担うAIエージェントを提供開始
    「AQ-AIエージェント Facility-Ops」の概要図

    まず、機械学習モデルが既存の監視カメラ映像を解析し、設備の動作異常や保護具の未着用、危険エリアへの侵入といった「状態変化」をリアルタイムに検知する。

    次に、その情報を生成AIエージェントが受け取り、過去の事例や運用ルールに基づいて「それがどれほど深刻か」「緊急対応が必要か」といった意味付けと優先度判定を行う。

    つまり、AIが一次判断までを担うことで、保全担当者の負荷を軽減するというものだ。

    例えば、軽微な変化であれば担当者への通知に留め、異常の兆候が見られる場合には点検を促すなど、状況に応じた最適な対応を判断する。

    そして、これらの判断結果はダッシュボードに集約され、必要に応じてアラートとして通知されるため、異常を兆候段階で捉え、設備のダウンタイムや事故を未然に防ぐことが可能になる。

    具体的な活用シーンとしては、場環境(5S)の定点監視や、危険エリア侵入検知、保護具着用の確認が挙げられている。

    例えば、通路への荷物放置などを検知し、AIが是正指示を含む日報案を自動作成したり、ロボット稼働域などへの侵入を検知し、即座に警告を行うとともに証跡を記録したりといったことだ。

    アジアクエスト、監視カメラ映像から予知保全の「判断」までを担うAIエージェントを提供開始
    危険エリア侵入の即時検知と多言語警告の例

    導入にあたっては、新規に特殊なセンサを設置する必要がなく、既設の監視カメラを活用することが可能とのことだ。

  • ストックマーク、製造業向けAIエージェントが開発者の思考過程をロジックツリーにしてPowerPointで出力可能に

    ストックマーク、製造業向けAIエージェントが開発者の思考過程をロジックツリーにしてPowerPointで出力可能に

    製造業の研究開発(R&D)部門において、技術課題の解決策を検討する際、網羅的な調査とその根拠を示すことが求められる。

    そこで、ストックマーク株式会社は、同社が提供する製造業向けAIエージェント「Aconnect(エーコネクト)」に、AIとの対話で構築されたロジックツリーをPowerPoint形式で出力する新機能を追加したと発表した。

    「Aconnect」は、論文や特許、ニュースなどの膨大な技術情報から、AIがユーザの代わりに必要な情報を探索するエージェントだ。

    今回の新機能は、同システムの「技術探索エージェント」が生成した解決策のアイデアやロジックツリーを対象としている。

    AIが導き出した「課題の分解」→「解決アプローチ」→「具体的な技術」という思考のツリー構造を、そのままPowerPointのスライド構成として出力できる。

    これにより、ユーザは「考える作業」と「資料を作る作業」のギャップに悩まされることなく、調査結果を即座に社内共有可能な形式へ変換できる。

    また、最終的な結論だけでなく、そこに至るまでの検討プロセスや分岐が可視化されるため、会議の目的が単なる情報の共有から、検討漏れの確認や採用理由の合意といった「意思決定」へとシフトが期待される。

    さらに、作成されたロジックツリーがそのまま資料として残るため、個人の頭の中に留まりがちな検討の履歴が、構造化されたデータ(形式知)として組織に蓄積されるという利点もあるとのことだ。

  • 日本IBM、製造現場の作業計画と自動搬送を統合するAIソリューションを提供開始

    日本IBM、製造現場の作業計画と自動搬送を統合するAIソリューションを提供開始

    日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、製造現場の作業計画高度化を支援するAIソリューション「IBM Global Integrated View Manufacturing Orchestrator」(以下、Orchestrator)と、自動搬送ソリューション「ORION(オライオン)」を開発し、2026年2月6日より日本国内向けに提供を開始した。

    「Orchestrator」は、AIを活用して製造現場の複雑なスケジューリングを最適化するソフトウェアだ。

    納期、生産効率、設備稼働率、段取り回数といった多様な制約条件を考慮し、数万タスク規模の工程計画を自動で立案する。

    従来、熟練者が経験に基づいて行っていた調整業務をAIが代替することで、特定工程の部分最適ではなく、工場全体の流れを考慮した全体最適化を実現する。

    また、生成AIを活用した「AIエージェント機能」を搭載しており、ユーザは自然言語で指示を出すだけでパラメータの調整や再計画が行える。

    さらに、変更による影響範囲もAIが要約して提示するため、専門知識がない担当者でも迅速な意思決定が可能となる。

    一方、「ORION」は、前述の「Orchestrator」を中核に、IT(情報技術)とOT(制御技術)を融合させたワンストップの自動搬送ソリューションである。

    株式会社レクサー・リサーチ、株式会社たけびし、Cuebus株式会社、レッドハット株式会社の4社と共創して開発された。

    最大の特徴は、上位システムで立案された計画を、現場のAGV(無人搬送車)やロボットへの具体的な動作指示へとシームレスに連携させる点にある。

    具体的には、ERP(基幹システム)やMES(製造実行システム)といったITシステムと、工場内の設備やロボットといったOT機器を標準化データモデルで接続する。

    これにより、計画に基づいた部材供給や製品搬送を自動化するだけでなく、現場での設備故障や特急オーダーといった突発的な変更を即座に検知し、AIが自動で再スケジューリングを行って現場の動きに反映させる「最適化ループ」を構築する。

    日本IBM、製造現場の作業計画と自動搬送を統合するAIソリューションを提供開始
    従来の現場で生じている課題と(左)、AI活用による改善後の様子(右)

    日本IBMは今後、同ソリューションを通じて製造業の生産性向上とサプライチェーンのレジリエンス(回復力)強化を支援するとともに、海外への展開や、フィジカルAIとの連携も視野に入れて開発を進める方針だ。

  • bestat、2D図面から対話型AIが3Dモデルを自動生成する「3D.Core CAD Agent」を提供開始

    bestat、2D図面から対話型AIが3Dモデルを自動生成する「3D.Core CAD Agent」を提供開始

    製造業において、過去の設計資産である紙図面や2Dデータの3D化は、デジタルツインの構築やシミュレーション活用を進める上で大きなボトルネックとなっている。

    特に、熟練設計者の減少に伴い、図面のトレースやモデリングに割ける人的リソースが不足しているのが現状である。

    こうした中、東京大学発のスタートアップであるbestat株式会社は、2D図面をアップロードすることで3D CADモデルを生成し、AIエージェントとの対話で修正まで行える新サービス「3D.Core CAD Agent」の提供を開始した。

    同サービスは、同社が従来提供していた、2Dの三面図を自動で3Dデータに変換する「3D.Core for CAD」をアップデートし、AIエージェント機能を実装したものだ。

    利用者は、2D図面を画像形式でシステムにアップロードすることで、AIが図面の内容を認識・解析し、数分から数十分程度で3D CADモデルを自動生成する。

    生成されたデータは、製造業で広く利用される中間フォーマットであるSTEP形式でダウンロード可能なため、既存の3D CADソフトや3Dプリンターですぐに活用することができる。

    これにより、従来は人の手で行っていたモデリング作業の工数を大幅に削減し、設計プロセスの効率化を実現する。

    最大の特徴は、デジタル化されていないアナログ情報の処理能力にある。

    鮮明なデジタル図面だけでなく、倉庫に眠っている古い「青図」や、現場で描かれた「手書き図面」であっても、画像として取り込むことで3Dモデルへの変換が可能である。

    また、図面内に情報が不足していたり、寸法表記が不鮮明で解釈が分かれたりする場合でも、対話型AIエージェントが機能する。

    ユーザはチャット形式でAIとコミュニケーションを取りながら、細かな形状の確認や調整を行うことができる。

    一方的な自動変換ではなく、人とAIが協働してモデルを完成させるプロセスを採用することで、手戻りのリスクを低減させている。

    料金体系は、1データあたり5,000円からの従量課金制を採用しており、大規模なシステム導入コストをかけずにスモールスタートが可能だ。なお同社は、最大3図面まで試行できる無料トライアルも提供しているとのことだ。

  • MARUWA SHOMEI、エスマットの在庫最適化AIエージェント導入で在庫金額を13%削減

    MARUWA SHOMEI、エスマットの在庫最適化AIエージェント導入で在庫金額を13%削減

    道路やトンネルなどのインフラ向け照明器具を手がける株式会社MARUWA SHOMEIは、株式会社エスマットが提供する「在庫最適化AIエージェント」を導入し、約4カ月間で在庫金額を約13%、300万円相当削減することに成功したと発表した。

    製造業において、在庫管理はキャッシュフローと納期遵守のバランスを取る難しい経営課題である。

    特に公共案件を多く抱えるMARUWA SHOMEIでは、納期遅延が許されないプレッシャーから、現場が過剰な安全在庫を抱え込みやすく、資金効率が悪化するというジレンマを抱えていた。

    こうした課題に対し、同社は2025年5月より土岐工場にて、IoTとAIを活用した在庫管理の高度化に着手した。

    導入されたシステムは、エスマットが提供するIoT重量計「SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)」の新機能である「在庫最適化AIエージェント」だ。

    従来のアナログ管理では、在庫の正確な残量や消費推移のデータ化自体に工数がかかっていたが、同システムでは、IoT重量計が自動で在庫データを取得するため、現場の入力作業は発生しない。

    AIはこのリアルタイムデータを学習し、消費パターンや季節変動を分析した上で、欠品リスクや過剰在庫の兆候を検知する。

    特筆すべきは、AIが単にデータを可視化するだけでなく、「発注点の見直し」や「在庫圧縮の可能性」といった具体的な改善案を提示する点だ。

    現場担当者や管理者は、AIの提案理由(根拠)を確認し、「承認」または「却下」の判断を下すだけでよいため、膨大な在庫品目を人手で監視する業務から解放される。

    MARUWA SHOMEI、エスマットの在庫最適化AIエージェント導入で在庫金額を13%削減
    「 在庫最適化AIエージェント」による改善提案イメージ

    実証運用は2025年5月15日から9月4日にかけて、同社の土岐工場で管理する184品目を対象に行われた。

    その結果、欠品を発生させることなく、在庫総額を2,360万円から2,060万円へと約300万円圧縮することに成功したのだという。

    MARUWA SHOMEI、エスマットの在庫最適化AIエージェント導入で在庫金額を13%削減
    在庫最適化AIエージェントを導入による成果

    同社は今後、対象品目の拡大や需要変動への対応強化を進めていく方針だ。

  • 日立、工場の設備故障診断を支援するAIエージェントを提供開始

    日立、工場の設備故障診断を支援するAIエージェントを提供開始

    製造業において、熟練技術者の減少や設備の老朽化、生産拠点のグローバル化に伴う人材不足が深刻化する中、現場の保全業務をいかに効率化し、技術を継承していくかが喫緊の課題となっている。

    こうした中、株式会社日立製作所は、工場の設備故障診断を支援するAIエージェント「現場サポートAIナビ(Field Support AI Navi)」の提供を、2026年2月3日より開始した。

    「現場サポートAIナビ」は、現場の保全員がタブレット端末などを通じて対話形式で設備の不具合状況を入力すると、AIがその原因と対策を提示するソリューションだ。

    最大の特徴は、単なるマニュアル検索や過去事例の提示にとどまらず、熟練者が行う「原因特定のための思考プロセス」をAIが再現する点にある。

    具体的には、顧客が保有する設備図面を「ナレッジグラフ」として生成AIが解釈可能な構造に変換。これに加え、過去の保全記録などの「OTデータ」と、日立が持つ設備故障原因分析手法(STAMPなど)に基づく「OTスキル」を掛け合わせて学習させている。

    一般的なチャットボットでは、過去のデータにない新規の事象には対応できないケースが多いが、同ソリューションは独自の分析ロジックにより、未知のトラブルであっても「次に確認すべき箇所」や「取るべき行動」を明確にガイドすることが可能である。

    これにより、経験の浅い作業員でも熟練者と同等レベルの診断が可能となり、属人化の解消とダウンタイムの短縮に寄与する。

    対象設備は、動力設備、制御装置、ポンプ、バルブなど多岐にわたり、ディスクリート産業からプロセス産業まで幅広い製造現場に対応する。

    同ソリューションの提供にあたっては、すでに大手製造業との実証が進められている。2025年4月からはダイキン工業と試験運用を開始し、同年12月からは三菱ケミカルと化学プラントにおけるトラブルシューティング支援の共同検証を行ってきた。これらの現場で培われた知見が、今回の製品化に反映されているのだという。

    提供形態は、既存システムに機能を組み込む「API as a Service(APIaaS)」と、早期導入が可能な「パッケージシステム」の双方が用意されており、企業のニーズに合わせて選択が可能だ。

    なお、「現場サポートAIナビ」は、同社の産業分野向けソリューション群「HMAX Industry」のラインアップの一つとして提供される。

    日立は将来的に、現場データをリアルタイムで収集・分析する「フィジカルAI」への発展も視野に入れており、製造現場の自動化・自律化をさらに加速させるとしている。

  • Smart Craft、クラウド工程管理・実績収集サービスに自然言語で分析する「AIアシスタント」を追加

    Smart Craft、クラウド工程管理・実績収集サービスに自然言語で分析する「AIアシスタント」を追加

    株式会社Smart Craftは、同社が提供するクラウド工程管理・実績収集サービス「Smart Craft」において、新機能「AIアシスタント」の提供を2026年1月8日より開始した。

    「Smart Craft」は、製造現場の作業指示、進捗管理、実績記録、データ集計・分析といった一連の工程管理業務を、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末を用いてデジタル化できるクラウドサービスだ。

    今回発表された機能は、「Smart Craft」上に蓄積された工程指示、出来高、品質記録、設備稼働情報といった多様な現場データをAIが統合的に活用する。

    具体的には、現場担当者が専門的なスキルを持たずとも、自然な言語で指示を出すだけで高度な分析を行うことができる。

    例えば、「今週の不良率を教えて」「改善案を提案して」といったチャット形式の問いかけに対し、AIがデータを基に現状を分析し、レポート作成や改善策の提示を自動で行う。

    Smart Craft、クラウド工程管理・実績収集サービスに自然言語で分析する「AIアシスタント」を追加
    「AIアシスタント」の画面

    また、不良率の急増や設備の異常兆候をAIが検知し、原因分析と対応策を提示する機能も備えている。

    これにより、従来は熟練者の経験や勘に依存していた判断業務がデータに基づいた客観的なものへと標準化され、意思決定の迅速化と生産性の向上が実現する。

    Smart Craftは今後、同機能をさらに拡張し、生産計画の自動最適化や作業負荷の調整、品質異常の予知保全といった機能の実装を進めていくとしている。

  • ストックマーク、製造業向けAIサービスに製造業R&Dの「調査業務」を自動化するAIエージェント機能を追加

    ストックマーク、製造業向けAIサービスに製造業R&Dの「調査業務」を自動化するAIエージェント機能を追加

    製造業の研究開発(R&D)現場では、開発テーマの選定や特許リスクの確認に必要な市場動向、先行特許、専門論文の調査を行う必要があり、本来注力すべき創造的な開発業務を圧迫する要因となっている。

    また、こうした調査業務は熟練技術者の経験則に依存する傾向が強く、スキルの属人化も課題であった。

    こうした中、ストックマーク株式会社は、同社が提供する製造業向けAIサービス「Aconnect」に、「技術探索エージェント」および「特許調査エージェント」を搭載し、2025年10月30日より提供を開始している。

    「Aconnect」は、研究・開発現場の意思決定を支援する製造業向けAIエージェントだ。国内外のニュース、論文・特許、官公庁のレポート、社内資料から、業務に必要な情報を自動で収集し、先行技術調査や技術課題の解決までAIがサポートする。

    今回発表された二つの機能は、汎用的なチャット型AIでは対応が困難な、製造業特有の複雑な調査プロセスを自動化するものだ。

    「技術探索エージェント」は、技術課題に対する解決策を探索する機能だ。

    AIが膨大な論文やニュースから解決の糸口となるアイデアを提示するほか、ロジックツリー型のユーザーインターフェース(UI)を採用することで、解決の方向性を網羅的に検討できる。

    これにより、初期調査にかかる時間を短縮しつつ、多角的な視点からのアプローチが可能となる。

    ストックマーク、製造業向けAIサービスに製造業R&Dの「調査業務」を自動化するAIエージェント機能を追加
    「技術探索エージェント」の画面イメージ

    一方「特許調査エージェント」は、先行技術調査やクリアランス調査の一部を代行する機能だ。

    開発予定の技術内容を入力すると、AIが構成要素を自動で抽出し、関連特許との一致度を根拠付きで評価する。

    詳細な調査が必要な特許を直感的に判別できるUIを備えており、開発の手戻りリスクの低減や、特許リスクの早期検知に寄与する。

    ストックマーク、製造業向けAIサービスに製造業R&Dの「調査業務」を自動化するAIエージェント機能を追加
    「特許調査エージェント」の画面イメージ

    すでに株式会社IHIプラントでは、同機能の先行トライアルを実施しており、特許関連性調査における確認プロセスの自動化や、調査精度のバラつき解消といった効果が確認されている。

    ストックマークは今後、AIが技術開発から製品の上市に至るまでのプロセス全体に伴走するサービスの構築を目指し、製造業におけるエンジニアリングチェーンの効率化とリードタイム短縮を支援していく方針だ。

  • デンソーとScene、3D CADから「工程」と「3D作業指示」をAIで自動生成するソリューションを開発

    デンソーとScene、3D CADから「工程」と「3D作業指示」をAIで自動生成するソリューションを開発

    日本の製造業の現場で培われた熟練作業者の判断力と技術は、団塊世代の退職や少子高齢化に伴い、2030年代にはこうしたノウハウが引き継がれず失われる危機に直面している。

    そのため、これらの知見を形式知化し、活用可能な形で継承することが、製造業における喫緊の課題となっている。

    こうした中、Scene株式会社と株式会社デンソーの工機部は、AIを活用して3D CADデータから最適な製造工程と3Dアニメーションによる作業指示書を自動生成するソリューションの共同開発を開始し、2026年4月に提供開始を予定していることを発表した。

    今回のソリューションは、3D CADデータを取り込み、スライド作成のように組立プロセスを3Dアニメーションで表現できるSceneの「3D Docs」を、機能拡張させて開発されるものだ。

    新たに開発される機能は、3D CADデータや形状情報を取り込むことで、部品同士の干渉がない最適な組み立て順序をAIが自動で検討し、製造部品表(M-BOM)のツリー構造を生成するというものだ。

    さらに、そのM-BOMに基づき、作業標準やマニュアルを部品IDと連携することで、直感的に理解できる3Dアニメーション付きの作業手順書までを自動で作成することが可能となる。

    これにより、従来は大きな工数を要していた工程検討やドキュメント作成を効率化するとともに、必要な技術情報へ誰もが即座にアクセスできる環境を実現する。

    デンソーとScene、3D CADから「工程」と「3D作業指示」をAIで自動生成するソリューションを開発
    今回発表されたソリューションの概要図

    今後は、現場からのフィードバックをAIが学習することで、個人の知識を組織全体の形式知として蓄積・資産化するサイクルの確立を目指すとしている。

  • 東芝デジタルソリューションズ、外観検査AIの「過検出」を抑制する新バージョンを提供開始

    東芝デジタルソリューションズ、外観検査AIの「過検出」を抑制する新バージョンを提供開始

    製造業の外観検査工程では、自動化が進む一方で、不良品の見逃しを完全に防ぐために、判定基準(閾値)を厳しく設定せざるを得ないという構造的な課題がある。

    これにより、本来は問題のない良品を不良品と誤判定してしまう「過検出」が頻発し、目視による再検査の工数増大や、オペレーターの業務負荷による判定のばらつきが生産効率のボトルネックとなっていた。

    こうした中、東芝デジタルソリューションズ株式会社は、同社が提供する外観検査自動化ソリューション「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」の新バージョンの提供を、2025年12月18日より開始した。

    「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」は、外観検査工程を、欠陥の見逃しと過検出の抑制を両立する良品学習方式のAIにより自動化するソリューションだ。

    今回の新バージョンでは、特許出願中の新技術「欠陥判定最適化手法」が新たに実装された。これは、従来のAIによる「良品学習機能」に加え、検出された欠陥画像の位置や輝度のばらつきといった特徴量を解析・補正し、その特徴に基づいて分類を行う仕組みである。

    これにより、欠陥のパターンごとに最適な良品判定の閾値を個別に設定することができ、従来は一律の基準で判定していたために生じていた過検出を抑制することが可能となった。

    東芝デジタルソリューションズ、外観検査AIの「過検出」を抑制する新バージョンを提供開始
    欠陥判定最適化手法のイメージ

    同社は、素材、医薬品、自動車部品、電子部品など、微細な品質管理が求められる幅広い業界での適用を見込んでいる。