カテゴリー: 人工知能(AI)

単純なアルゴリズムで解決しないようなあいまいな問題を解決するために、機械学習やディープラーニングといわれる手法が話題になっている。あくまでも問題解決の手法の一つであることから、万能ではなく、向き不向きがある手法ではあるが、画像や音声認識など様々な分野での活用が見込まれる、AIについてここでは紹介する。

[su_row][su_column size=”1/2″ center=”no” class=””]
人工知能(AI)とは
人工知能(AI)は、これまでの単純なアルゴリズムでは判断できなかったようなことを、判断する際に使われる。

例えば、画像AIに代表される、ディープラーニングは、画像データからその画像が何であるかを見分けることができる。

また、分類、回帰、異常検知、ニューラルネットワークなど、様々な数式を用いて行う機械学習もある。

AIとは、もともと脳の仕組みを数式に置き換えるための研究であり、現状産業界でAIと呼ばれている数式意外にもたくさんの研究成果があるため、今後の用途に応じた発展が期待されている。

[/su_column][su_column size=”1/2″ center=”no” class=””]
基本と事例
AIの基本と事例を紹介する。

[su_tabs][su_tab title=”基本” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]

機械学習とディープラーニングとは その1
機械学習とディープラーニングとは その2
AIカメラとは、業務変革にも使えるツールをわかりやすく解説

[/su_tab]
[su_tab title=”事例” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]

AIをつかった外観検査を持ち込みで試すことができる施設「画処ラボ」

[/su_tab]
[su_tab title=”導入のコツ” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]

AIとカメラで、行列を可視化する際の注意点

[/su_tab]
基本とソリューション紹介

自然言語対話の質が決め手、AIチャットボット15選
自然言語処理の仕組みと活用ソリューション

[/su_column][/su_row]
記事一覧

  • NTTデータCCS、社内システムと連携し業務を実行する生成AIエージェント基盤「つなぎAI」を販売開始

    NTTデータCCS、社内システムと連携し業務を実行する生成AIエージェント基盤「つなぎAI」を販売開始

    株式会社NTTデータCCSは、日本電子計算株式会社および株式会社NTTデータが提供する生成AIエージェント基盤「つなぎAI(Tsunagi AI)」の販売を開始した。

    「つなぎAI」は、その名の通り、生成AIと社内の業務システムや外部SaaSアプリケーションを連携させることを主眼に置いたプラットフォームだ。

    従来の生成AI活用では、情報の検索や要約といった「参照」が主であったが、同基盤を活用することで、申請業務やデータの集計といった「実行」までをAIエージェントに任せることが可能となる。

    例えば、社内規定に関する問い合わせ対応を自動化するだけでなく、必要な申請フォームの提示や、既存システムへのデータ入力といった定型業務も自動化する。

    開発においては、ノーコード・ローコードで独自のAIチャットボットや業務エージェントを作成することができる。

    セキュリティ面に関しては、認証機能や権限管理(アクセス制御)を標準搭載しており、部署や役職に応じて参照できるデータ範囲をコントロール可能だ。

    さらに今後は、NTTデータグループが提供するRPAツール「WinActor」や、AI-OCR「DX Suite」との連携機能も実装される予定だ。

  • NTT-AT、RPAツール管理製品「WMC」にAIエージェントとRPAを連携させるMCPサーバ機能を追加

    NTT-AT、RPAツール管理製品「WMC」にAIエージェントとRPAを連携させるMCPサーバ機能を追加

    RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、事前に決められたルール通りに動くことが得意で、定型業務の自動化に大きく貢献してきた。

    しかし、状況に応じた判断や、非構造化データの処理といった「非定型業務」への対応は困難であり、人間が介在する必要があった。

    こうした中、NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)は、RPAツール「WinActor」のクラウド管理製品「WinActor Manager on Cloud」(以下、WMC)の新バージョンVer.4.0を、2026年2月16日より提供開始すると発表した。

    「WMC」は、複数のWinActorをクラウドで集中管理するSaaS運用ツールだ。サーバ構築が不要で、シナリオの配布・実行・結果確認までを一元化する。

    今回のアップデートでは、AIアプリケーションが外部ツールを利用するための標準プロトコル「MCP(Model Context Protocol)」のサーバ機能が追加された。

    これにより、自然言語で指示を受け取る「AIエージェント」と、定型作業を確実に実行する「WinActor」をシームレスに連携させることが可能となる。

    具体的には、AIエージェントが「頭脳」としてデータの分析や情報の要約、状況判断を行い、その結果に基づいて「手足」であるWinActorに対し、具体的な作業指示(シナリオ実行)を出すという自律的なワークフローが構築できる。

    例えば、「市場データを分析して報告書を作成する」という業務の場合、AIエージェントが必要なデータの収集・分析・要点の整理を行い、WinActorがその結果を規定のフォーマットに入力し、システムへ登録・送信するといった一連の流れを無人化できる。

    NTT-AT、RPAツール管理製品「WMC」にAIエージェントとRPAを連携させるMCPサーバ機能を追加
    WMC Ver.4.0の概要図

    企業にとっては、高度な自動化を実現するために大規模なシステム改修が不要である点がメリットだ。

    つまり、WMC Ver.4.0を介することで、AIエージェントは既存のWinActorシナリオを呼び出すことができるため、企業はこれまでに作成・蓄積してきたRPAの資産をそのまま活用できるということだ。

  • ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説

    給与計算担当者は、毎月その計算結果が「本当に正しいか」を検証する業務が発生します。

    給与計算ソフトは、設定された数式通りに計算を行う点では完璧です。

    しかし、勤怠データの入力ミス、社会保険料の改定漏れ、あるいは手当の支給要件の勘違いといった「入り口」のミスや「判断」の誤りまでを自動で防いでくれるわけではありません。

    これらを確認する作業は、時間と集中力を要する上に、非常に属人的な「ブラックボックス」になりがちです。

    また、万が一ミスがあれば、従業員との信頼関係を損なうだけでなく、法的リスクにもつながりかねません。

    そこで本記事では、ノーコード自動化ツール「n8n」を活用し、「システムが計算の不整合を自動で炙り出し、人間が最終判断する」という、給与監査ワークフローを提案します。

    給与監査自動化システムにおける4つのフェーズ

    給与計算に監査は、単に計算式が合っているかを確認するだけでなく、人事発令との整合性、変動の妥当性、そして最新の法令への適応といった多層的な検証にあります。

    本章では、この検証を実行するシステムを構築するためのフェーズを4つに定義しました。

    1.データ集約と正規化(インプット・フェーズ)

    まず、Google Driveなどのクラウドストレージを監視し、複数のシステムから出力される給与関連データを自動収集します。

    収集対象は、勤怠システムからの「総労働時間」、人事システムからの「基本給・家族構成」、現場提出の「経費・インセンティブExcel」などです。

    これらのデータは形式がバラバラであることが多いため、システムが計算可能な状態に項目名を統一し、VLOOKUP関数などを手動で組む手間とミスを排除します。

    データはExcelのような装飾や計算式を含まない「CSV形式」をあえて採用することで、システムが数値を純粋かつ正確に読み取れる状態(正規化)を担保します。これにより、手動でのデータ整形に伴うミスを排除します。

    2.厳密な照合ロジックの実行(ロジック・フェーズ)

    二つ目は、ロジックフェーズです。

    このフェーズでは、インプットフェーズで集約したデータに対し、多層的な「監査ルール」を一斉に適用します。

    例えば、人事側の「最新等級・基本給」と給与側のデータを直接突き合わせ「等級は上がっているのに基本給が据え置き」といった乖離をあぶり出したり、勤怠実績の「分単位の残業時間」に割増率が正しく適用されているかを再計算したりします。

    また、前月の支給実績と比較し、「20%以上の増減」などの極端な変動がないかをスキャンするといったことや、経費精算やインセンティブのデータが重複していないか、入力桁数の間違いがないかといった「ヒューマンエラー」を自動で炙り出す場合も、このフェーズで設定します。

    他にも、社会保険料率の改定や、年齢に応じた介護保険料の徴収開始タイミングなど、法改正に伴う「公的な計算基準」が正しく反映されているかをチェックし、適法性を担保することも可能です。

    3. 例外リストの自動生成(アウトプット・フェーズ)

    全ての照合が終わると、システムは「正常」と判断した膨大なデータをスキップし、確認が必要な項目だけを抽出した「例外リスト」を生成します。

    その際、Google Sheetsなどを用い、不整合が見つかった従業員の「従業員番号」「氏名」「エラー理由(例:残業代の計算不一致、社保改定漏れの疑い)」を自動で追記させます。

    これにより担当者は、システムが提示した「疑わしいデータ」だけを確認するだけで済み、目視チェックによる精神的・時間的負荷から解放されます。

    4. 承認プロセスと監査ログの記録(ガバナンス・フェーズ)

    担当者が異常値を精査し、修正または「問題なし」と判断したアクションは、すべてシステム上にログとして保存されます。

    これにより、「誰が、いつ、どの数値を承認したか」がデジタル証跡として残るため、将来的な会計監査や労働基準監督署の調査に対しても、高い透明性を持った給与支払い体制を証明することができます。

    n8nを活用したシステム構築方法

    では実際に、システムの具体的な構築ステップを解説します。

    今回は、「n8n」というワークフロー自動化ツールを活用し、Googleドライブ上の給与・勤怠データを自動照合することで、不整合(異常値)を抽出するというシステムを構築します。

    「n8n」は、異なるアプリやサービス同士を「ノード」と呼ばれるアイコンで繋ぎ合わせ、業務を自動化するツールです。

    AIノードを組み込むことで、AIエージェントとしての運用も可能ですが、今回は「設定した計算式やルールに則って正確にデータを制御・統合する」ツールとして活用しています。

    ワークフローの全体像

    まず、具体的な設定に入る前に、今回構築したワークフローの全体的な流れを整理します。

    このシステムは、大きく分けて「検知・取得」「解析・正規化」「照合・仕分け」「出力」の4つのプロセスで構成されています。

    このプロセスに対し、「Google ドライブトリガー(検知)」「ファイルをダウンロード(取得)」「ファイルから抽出(解析)」「もし(照合・仕分け)」「シートに行を追加する(出力)」というノードで繋ぎ合わせています。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    ワークフローの全体像

    このように、左から右へとデータが流れる過程で、「人間が1件ずつ照合する」という作業を肩代わりする仕組みになっています。

    それでは、各ステップの詳細な設定を見ていきましょう。

    検知・取得(インプット)

    まず、クラウドストレージ(今回はGoogle Drive)へのファイル保存をトリガーに、後続の処理が動き出す「プッシュ型」の仕組みを構築します。

    一つ目のノードは「Google Drive Triggerノード」で、指定したフォルダに新しいファイル(CSV)がアップロードされたことを検知し、ワークフローを起動させます。

    これにより、担当者が最新の給与・勤怠データを指定のフォルダにアップロードすることで、ツールを操作することなく自動でチェックが始まる体制が整います。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    Google Drive Triggerノードの設定画面。監視対象のフォルダや実行条件を詳細に指定する。

    具体的な設定画面では、まず接続するGoogleアカウントを選択し、監視のタイミング(Poll Times)を「Every Minute(毎分)」などに設定します。

    次に、監視対象(Trigger On)を「Changes Involving a Specific Folder」とし、対象のフォルダを指定します。

    さらに、実行のきっかけ(Watch For)を「File Created」に設定することで、新しいファイルが置かれたときのみ動作するように限定します。

    そして、トリガーが検知した最新ファイルの「ID(識別番号)」を、二つ目の「Google Drive Downloadノード」が取得し、対象のファイルをダウンロードします。

    この際、トリガーノードから渡された「File ID」を動的に指定することで、常に最新のファイルだけを確実にダウンロードすることが可能です。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    Google Drive Downloadノードの設定画面。トリガーから渡されたファイルの識別番号(ID)を「{{ $json.id }}」という変数で受け取り、対象のCSVファイルを自動でダウンロードする。

    ここでは、Operationを「Download」に設定し、対象ファイル(File)を「By ID」で指定します。

    上図の右側の出力結果(OUTPUT)を見ると分かる通り、これにより給与データがシステム内にバイナリデータとして取り込まれ、解析の準備が整います。

    解析・正規化(データ整理)

    しかし、ダウンロードされたバイナリデータは、まだシステムにとっては「ただのデータの塊」です。

    そこで、「ファイルから抽出ノード」を配置し、中身を1行ずつのリスト形式に展開することで、システムが「名前」や「基本給」といった項目ごとに内容を読み取れる状態に整理します。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    Extract from Fileノードの設定画面。

    ここでは、Operationを「Extract From CSV」に設定し、直前のステップで取得したバイナリデータ(data)を読み込ませることで、「従業員番号」「基本給」といった項目が構造化されたデータとして抽出されます。

    また、計算の正確さを守るため、あえて装飾のない「CSV形式(カンマ区切りのデータ)」を使用します。

    Excelファイルのようにセルの中に色や計算式が混ざっていないため、システムが純粋に数値だけを確実に読み取ることができ、計算ミスやエラーを未然に防ぐことができます。

    照合・仕分け(ロジック)

    次に、If(条件分岐)ノードにより、全従業員のデータを一瞬で検証する自動照合プロセスを実装します。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    Ifノードの設定画面。理論上の残業代と実際の支給額を比較している。

    ここでは、「月間所定労働時間」を160時間とし、時給を1.25倍に設定して、理論上の「残業代」を算出します。この計算を人間が電卓を叩く代わりに行わせるため、以下の検証ロジックを組み込みます。

    検証ロジック(例): {{ Math.round(Number($json[“基本給”]) / 160 * 1.25 * Number($json[“法定外残業時間”])) }}

    設定画面の「Conditions」にこの数式を入力し、比較対象(Value 2)には、CSVから抽出された実際の「残業手当」の値を指定します。そして、比較演算子を「is equal to(等しい)」に設定します。

    この理論上の計算結果と、実際に支給されている「残業手当」を比較することで、n8nが計算の一致する「真実(True)」ルートと、不整合が生じている「間違い(False)」ルートに、全件データを自動的に仕分けます。

    このようにIfノードを用いることで、「正常なものはそのまま通し、確認が必要な例外だけを抽出する」という例外管理の仕組みを構築することができます。

    出力(アウトプット)

    最後に、照合ロジックで「間違い(False)」ルートへと振り分けられた不整合データのみを抽出し、管理者が確認すべき「例外リスト」として自動出力します。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    Google Sheets(シートに行を追加する)ノードの設定画面。

    あらかじめ出力先となるスプレッドシートを作成しておき、Google Sheetsに行を追加するノードの設定画面で、異常が見つかった従業員の「従業員番号」「氏名」「エラー理由」を自動で追記(Append)するよう指定します。

    これにより、「不整合」と判定されたデータのみが、その理由と共に自動的に記録されています。

    ノーコードで実現!人事データの不整合を自動抽出する給与監査システムの構築方法を解説
    「不整合」と判定されたEMP002(佐藤花子さん)のデータが自動的に記録されている

    ここでの「不整合(異常データ)」とは、単なる計算ミスだけでなく、入力時の誤字や、本来支払われるべき残業代が不足している「未払い」の可能性などを指します。

    システムがこれらを自動検知することで、担当者は全件をチェックする手間から解放され、「疑わしいデータ」のみに集中して確認作業を行うことが可能になります。

    なお、今回は「残業代」に絞った照合を行いましたが、このワークフローは拡張することも可能です。

    例えば、Ifノードを更に追加して「深夜手当の計算不一致」や「社会保険料の控除額チェック」などの条件を連結させることで、より多角的な監査システムへと進化させることができるでしょう。

    一つの大きなプログラムを作るのではなく、判定条件(ノード)をパズルのように組み合わせることができるのが、ノーコードならではの設計思想です。

    運用におけるリスク管理と対策

    システムが完成し、自動で動くようになると、つい「すべてお任せ」にしたくなります。

    しかし、給与という極めて重要なデータを扱う以上、想定外の事態に備えた「守り」の設計が不可欠です。

    そこで最後に、システムを安全に使い続けるためのリスク管理のポイントを整理します。

    「型」の不一致によるエラーを防ぐ

    システムは「数値」と「文字」を厳密に区別します。

    CSVから読み込んだ数字が、システム上で「文字」として認識されてしまうと、正しい計算ができずに全員がエラー判定されてしまうリスクがあります。

    そこで、数式の中で Number関数を使い、強制的に数値として扱う処理(型変換)を徹底します。

    また、n8nのIfノードにある「必要に応じて型を変換する(Convert types where required)」設定を有効にしておくことで、データの形式に左右されない強固なロジックを維持します。

    計算結果の「わずかなズレ」への許容

    割り算を含む計算では、小数点以下の端数が発生します。理論上の計算結果が25,000.0001で、支給額が25,000 だった場合、人間は「一致」と判断しますが、システムは「不一致」とみなしてしまいます。

    そこで、Math.round(四捨五入)などの関数を活用し、計算結果を整数に整えることで、1円未満のわずかな差異による誤判定を防ぎます。

    会社の規定に合わせて、切り捨てや切り上げを使い分けることが重要です。

    「人間による最終確認」をプロセスに組み込む

    自動化の目的は、人間を排除することではなく、人間が「最終判断」に集中できる環境を作ることです。

    万が一、システム側の数式設定ミスやデータの不備があった場合、自動ですべてが完結する仕組みだと、誤ったまま処理が進むリスクがあります。

    そこで、システムの役割を「異常のあぶり出し」に限定します。

    出力されたスプレッドシートを見て、担当者が「なぜこの不整合が起きたのか」を確認した上で、給与確定の判断を下すという運用フローを構築することが重要です。

    ワークフローの有効化と監視

    n8nを「Active(有効)」にすると、画面を閉じていても自動で処理が実行されます。

    これは便利である反面、気づかないうちにエラーで処理が止まってしまうリスクもあります。

    そこで運用開始後は、定期的にn8nの「実行履歴」を確認する、あるいは、エラーが発生した際にのみSlackやメールで管理者に通知が届くような「エラー通知ノード」をワークフローの最後に追加することも有効でしょう。

    まとめ

    給与計算という業務は、毎月、膨大な数字と向き合いながら目視チェックに追われ、担当者の心身に大きな負荷をかけてきました。

    今回ご紹介した給与監査の自動化は、システムが正確なロジックに基づいて全件をスキャンし、人間は「異常」と判断された箇所にだけ労力を投入することができます。

    この「例外管理型」の体制へと移行することで、担当者の役割は「数字を合わせる作業者」から、給与制度の正当性を担保する「管理・監督者」へと進化します。

    まずは、今回構築したような「給与と勤怠の自動照合」などスモールスタートし、徐々に人事マスタや法令チェックへと範囲を広げていくのが良いでしょう。

    本記事が、あなたの会社のバックオフィスがよりスマートで、より信頼される存在へと進化するための一歩となれば幸いです。

  • Duzzle、文脈を記憶し自律的に業務を遂行する監査可能なAIエージェント基盤「emma」を発表

    Duzzle、文脈を記憶し自律的に業務を遂行する監査可能なAIエージェント基盤「emma」を発表

    株式会社Duzzleは、自然言語による指示だけで複数のAIエージェントが連携し、自律的に業務を遂行するプラットフォーム「emma(エマ)」を、2026年2月中旬にリリースすると発表した。

    「emma」は、エージェント自身が長期記憶(Memories)を持ち、ユーザやプロジェクトの関係性を理解するソリューションだ。

    従来のAIでは単発的なタスク実行にとどまることが多かったが、emmaは「A社の担当者は誰か」「進行中のプロジェクトXの背景」といったエンティティ間の関係性を学習・記憶する。

    これにより、次回以降の指示では詳細な前提説明を省くことができ、プロジェクト全体を把握した上で業務をサポートする。

    なお、同プラットフォームは、Slack、Notion、GitHub、Jira、Google Driveなど、現時点で70以上の外部サービスやエージェントと連携し、800を超えるツール操作に対応している。

    ユーザがチャット形式やSlack(「@emma」へのメンション)で指示を出すと、適切なエージェントが自動で選択されタスクを実行する。

    Duzzle、文脈を記憶し自律的に業務を遂行する監査可能なAIエージェント基盤「emma」を発表
    Slack上で「@emma」とメンションし、タスクを依頼している様子

    この際、複数のエージェントが協調して「並列実行」を行うことで、複雑なワークフローであっても処理速度を向上させている。

    Duzzle、文脈を記憶し自律的に業務を遂行する監査可能なAIエージェント基盤「emma」を発表
    複数のタスクを同時に実行している様子

    セキュリティとガバナンス機能に関しては、認証にはOAuthプロトコルを採用しており、APIキーを直接管理するリスクを排除しながら、セキュアなアクセス管理を実現している。

    また、「監査可能なプラットフォーム」を謳う通り、どのエージェントがどのような順序で動き、どのツールを使用してどのような結果を出したかという実行履歴を詳細に記録・確認できる機能を備えている。

    これにより、ブラックボックス化しがちなAIの挙動を可視化し、デバッグや業務改善、内部統制への活用が可能となる。

    Duzzleは今後、連携サービスのさらなる拡充やワークフロー機能の強化を進め、AIが真のビジネスパートナーとして機能する環境を構築していく方針だ。

  • Vantiq、リアルタイムデータと生成AIを連携し判断・結論導出・実行する「マルチAIエージェント基盤」を発表

    Vantiq、リアルタイムデータと生成AIを連携し判断・結論導出・実行する「マルチAIエージェント基盤」を発表

    製造現場や社会インフラの領域において、IoTセンサやカメラから得られるデータ量は爆発的に増加している。

    しかし、それらの多くはデータベースに蓄積された後の「事後分析」に利用されるにとどまり、刻一刻と変化する状況に対する「瞬時の判断」や「アクション」への活用は、依然として熟練者の経験や勘に依存しているのが実情だ。

    こうした課題に対し、Vantiq株式会社は2026年2月6日、リアルタイムデータと生成AIを連携させ、複数のAIエージェントが協調して業務を遂行する「マルチAIエージェント基盤」を実現したと発表した。

    同基盤は、単一のAIに全てを任せるのではなく、役割の異なる4種類のAIエージェントが連携し、人間が行う「検知・分析・立案・統制」といった意思決定プロセスを模倣して動作する。

    具体的には、センサや映像から異常を検知する「Inspector Agent」、その原因を分析する「Diagnostic Agent」、改善策を立案する「Kaizen Agent」、そして全体の判断を統合しポリシーに準拠しているか管理する「Orchestrator Agent」が構成要素となる。

    これにより、複雑な現場判断であっても、専門特化したエージェントが協調することで、精度の高い結論を導き出し、さらにシステムへの操作や機器の制御といったアクションまでを自律的に実行することが可能となる。

    加えて、ブラックボックス化しがちなAIの挙動に対し、同基盤では各エージェントが何を検知し、どのように分析・提案を行い、最終的に何が決定されたかといった一連のプロセスを、管理者はリアルタイムで確認することができる。

    アクションの実行フェーズにおいては、AIが人を介さずに自律的にシステム制御などを行うことも可能だが、重要な判断には人間の承認を必須とする「人間介入(Human-in-the-loop)」のフローも柔軟に組み込める。

    さらに、アクション実行後もシステムがその効果や状態変化を継続的に監視し、期待通りの結果が得られたかを評価する仕組みを備えている。

    技術面では、データを受信した瞬間に処理を行う「イベントドリブンアーキテクチャ」を採用している点が特徴的だ。

    一般的なビッグデータ分析が「データを保存してから処理する」バッチ処理であるのに対し、Vantiqの技術はデータが流れてきたその瞬間にAIエージェントを起動させ判断を行う。

    また、同基盤はローコード開発プラットフォームとして提供され、画像認識AIやLLM、RAG(検索拡張生成)といった多様な技術を容易に統合できる。

    利用環境に関しては、クラウドだけでなく、オンプレミスやエッジ環境にも対応しており、同一アプリケーションを環境を問わず展開することが可能だ。

    同社はすでに、スマートファクトリーや公共安全、ヘルスケアなどの分野で複数のシナリオテンプレートを構築しているとのことだ。

  • GenX、「タイムカードAIエージェント」が表裏判定や複数帳票の統合機能を実装

    GenX、「タイムカードAIエージェント」が表裏判定や複数帳票の統合機能を実装

    GenX株式会社は、同社が提供する給与計算業務に特化した「タイムカードAIエージェント」の機能を大幅に拡張したと発表した。

    「タイムカードAIエージェント」は、企業ごとに型や記載ルールが異なるタイムカードや勤怠表を構造理解し、OCRと自動給与計算を同時処理するクラウドサービスだ。

    今回実装された新機能は、BPO現場特有の「データがバラバラに届く」という課題を解消するものだ。

    従来の一般的なOCR技術では、タイムカードの「表(出勤)」と「裏(退勤)」が別々の画像として認識されてしまったり、基本給が記載された「雇用契約書」と残業時間が記載された「勤怠報告書」がリンクされなかったりと、最終的な給与計算データを作成するために多くの手作業が発生していた。

    そこで今回、アップロードされた画像からタイムカードの表裏を自動で認識し、同一人物のデータとして結合するようアップデートされた。

    また、従業員IDなどをキーにして、異なるレイアウトの帳票(勤怠報告書、変動データシート、各種届出書など)にまたがる情報をAIが自律的に紐づけ、1つのレコードとして統合出力することが可能となった。

    さらに、情報の欠落を補完する機能も強化された。例えば、勤怠報告書に有給休暇の残日数が記載されていない場合でも、事前に登録された参照データ(固定データ)をAIが確認し、自動で数値を補完して出力データを作成する。

    GenX、「タイムカードAIエージェント」が表裏判定や複数帳票の統合機能を実装
    新機能の概要図

    これにより、基本給や時給といった「固定データ」と、出勤日数や残業時間といった「変動データ」が一括で処理され、給与計算システムにそのままインポート可能な形式で出力されるため、BPO現場の業務効率向上に寄与する。

  • IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは

    日本国内において企業のAI投資意欲は依然として高く、生成AIの導入が進む一方で、自律的に業務を遂行する「AIエージェント(Agentic AI)」の実運用はこれから本格化しようとしている。

    こうした中、IDC Japan株式会社は、ウェビナー「変化の潮流を見極める:Agentic AI実運用元年の企業戦略」を開催し、同社グループバイスプレジデントの眞鍋敬氏が国内市場の現状と将来展望を解説した。

    その中で、2026年からエージェントの実運用が順次開始されるという予測と共に、従来の指標で評価を行う多くのプロジェクトが失敗するリスクがあることが示された。

    AIエージェントの本番運用は2026年から本格化

    IDCの調査によると、国内企業の57.1%が今後3年間でAIへの投資を年間2桁パーセント増やすと回答しており、産業分野や企業規模を問わず投資意欲は非常に高い。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    国内のAI投資動向

    2025年12月時点のデータでは、国内企業の50%以上が、全社的または一部の業務において生成AIを本番環境で利用している。

    一方で、利用していない残りの企業については、セキュリティの懸念やシステムの複雑さといった課題が、導入のブレーキになっている可能性が指摘されている。

    また、自律的にタスクを遂行する「AIエージェント」に関しては、本番導入率は約12%にとどまっているが、AIエージェントの概念実証(PoC)を実施中、あるいは単一業務で使用中の企業は約40%に達している。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    国内企業の生成AIとAIエージェントの利用状況

    このことからIDCは、2026年にかけてAIエージェントが順次本番運用へ移行していくと予測している。

    これは、単なる「人間のアシスタント」としてのAIから、業務プロセスの一部を自律的に担う「自立型エージェント」への大きな転換点を意味する。

    このシフトに伴い、人間とAIの関わり方も変化するのだという。

    これまでは人間がチェックポイントとして介在する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」が主流であったが、今後はAIが業務全体を回し、人間はそのループの外側から監督・責任を負う「ヒューマン・オン・ザ・ループ」という形へ、2026年を境に移行が始まると見られている。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    「AI現在地」と、自律化に向けた人間とマシンの役割の変化

    バックオフィスから「顧客接点」へシフトするAI活用

    成長領域として今後注目されるのは、顧客体験(CX)分野である。

    これまでAIの活用といえば、翻訳や議事録作成、社内ヘルプデスクといった「バックオフィス」の業務効率化が中心であった。

    しかし、IDCの予測では、2024年から2029年におけるAIシステム全体の年間平均成長率の中でも、フロントオフィスでの活用が25%から30%くらいの割合になっていくと予測している。

    さらに、CX関連のユースケースを抽出して年間平均成長率予測をした結果、38.4%と市場全体を上回る成長が見込まれている。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    AIシステム全体の年間平均成長率と、CX関連のユースケースの比較。CX関連は38.4%と市場全体を上回る成長が見込まれている。

    つまり、2029年には市場規模が5.7兆円に達すると予測される中、カスタマーサービスやフィールドサービスといった対外的なユースケースが大きな割合を占めるようになるというのだ。

    これまでであれば、「正確性」や「ニュアンスの欠如」というリスクから、顧客対応へのAI適用を躊躇する企業も多く見られた。

    しかし、RAG(検索拡張生成)などの技術進化により精度が向上したことで、カスタマーサービスなど顧客に直接対応する「フロントオフィス」への適用が進むとみられている。

    さらに一歩進んだ予測として、2027年までに企業の60%が、電話、テキスト、メールといった複数のチャネルを跨ぎ、サプライヤの垣根も越えた「マルチエージェント体験」を管理するようになるとしている。

    これにより、顧客はどの窓口から接触しても、前後の文脈を理解したシームレスなサービスを受けられるようになる。

    このレベルのCXを実現するためには、「2026年中にシステムおよび組織の準備を終えておく必要がある」と眞鍋氏は指摘している。

    加えて、カスタマーサービスの目標自体も変化していくのだと眞鍋氏は言う。

    従来の主な目標は、「コスト削減」「マルチチャネル化」「平均対応時間の短縮」であったのに対し、これからの目標は、AIエージェントの自律化による「新しいビジネス・売上への誘導」になるのだという。

    もはやカスタマーサービスは、単に「問い合わせをさばく場所」ではなく、AIエージェントを駆使して顧客満足度を高め、直接的に利益を生み出す「利益創出部門(プロフィットセンター)」へと進化を遂げるということだ。

    「プロジェクトの65%が失敗する」という警鐘

    AIエージェントへの期待が高まる一方で、眞鍋氏は「2028年までに自社構築型AIエージェントプロジェクトの65%がROI目標を達成できずに失敗する」という厳しい予測を提示した。

    この「65%」という数字の背景には、現在のPOC(概念実証)における芳しくない成功率がある。

    調査では、POCが「成功した」と断言できる企業がある一方で、「成功と失敗が半々」という回答が約6割に達している。

    この要因の一つは、AI時代の成果を評価する「ものさし」が、従来型のままであることが挙げられる。

    現在、多くの企業がAI導入の成果を「オペレーションの効率性」や「技術的パフォーマンス」で測定している。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    AI投資プロジェクトの成功率(左)と、AI導入効果の測定方法(右)

    しかし、自律的に動くAIエージェントの場合、これまでの「平均通話時間の短縮」といった効率重視のKPIだけでは、その真の価値を測りきれない。

    AIエージェントの真価は、新たな売上の創出や、エージェントが生成した成果物の量といった「ビジネス価値」にあるため、従来のROI指標では「失敗」と判定されてしまうリスクが高い。

    適正な評価指標がないまま、従来基準で「ROIが出ていない」と判断され、プロジェクトが頓挫してしまうケースが後を絶たないと予測されているのだ。

    また、AIに適した高品質なデータを準備できない「データレディネス」の欠如も深刻だ。

    IDCの予測では、2027年までに高品質でAIに適したデータを準備できない企業は、生産性が15%低下すると警鐘を鳴らしている。

    例えば、AIを導入すること自体に満足してしまい、その後の運用でAIの回答精度を高めるために必要な「データの整備」を疎かにしてしまう。

    あるいは、AIの学習に必要なデータが社内でサイロ化していることに気づかないままスケーリングしようとして、結果的に性能が頭打ちになる。

    このような「データのレディネス不足」が、実運用における大きな壁となり、非構造化データを含めたデータ整備が不十分なまま導入を進めると、運用の足かせとなる可能性があるのだ。

    他にも、AIを使いこなすための人材不足や、コスト管理、ガバナンスの欠如も深刻な阻害要因として挙げられている。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    AIの成果に対する課題

    「AIを導入して終わり」ではなく、それを誰がどのように監督し、どのような基準で成果を認めるのか。この戦略的な視点がないままプロジェクトを進めることが、65%という高い失敗率を招く一因となる可能性があるのだ。

    AIエージェント実運用に向けた「3つの変革」:戦略に組み込むべき要素

    最後に、2026年の転換点を乗り越え、65%の失敗事例に陥らないための戦略を、眞鍋氏が語った内容から3つのポイントに整理した。

    これらは、システム構築そのものよりも、その周辺にあるデータ、評価指標、そして人間の役割の再定義が重要であることを示している。

    ①データ変革:AIに適した「燃料」の整備

    AIやエージェントの性能を左右するのは、学習および参照元となるデータだ。

    そこで、企業データの約8割を占める非構造化データをいかに取り込み、AIが認識しやすい構造に整理するかが鍵となる。

    また、データを一箇所に集める、あるいはデータファブリックのような技術で論理的に統合し、AIがデータを見つけやすくする環境作りが不可欠となる。

    ②評価変革:AI時代の「新KPI」を定義する

    従来の効率化指標(平均処理時間など)だけでは、AIエージェントがもたらすビジネス価値を正しく測定できない。

    そこで、エージェントによる一次解決率や、人間へのエスカレーション率などを新たな指標に加えることが重要となる。

    また、顧客を新しいサービスへ誘導したことによる「販売上昇率」や「新規売上」など、プロフィットセンターとしての貢献度を可視化する必要がある。

    ③人材・組織変革:人間の役割を「監督者」へ

    AIエージェントとの協働により、従業員のジョブディスクリプションは根本から書き換わるため、オペレータはエージェントの教育・監視役に、スーパーバイザーはビジネスプランナーへと役割がシフトする。

    そして、2027年頃には、エージェント全体の挙動を観測し、責任を負う「CAO(チーフ・エージェント・オフィサー)」のような専門役職が登場すると予測されている。

    さらに、人間の役割は作業の一部を担う「Human in the loop」から、自律的に動くエージェントを監督し責任を持つ「Human on the loop」の思想でAIを統制し、最終的な責任を取るための「覚悟」とスキル習得が求められる。

    例えばコンタクトセンタでは、オペレータは顧客対応だけでなく、エージェントの教育や監視を行うようになり、管理職にはエージェントの行動結果に対する責任分担が求められるようになるということだ。

    IDCがAIエージェント実運用に向けた予測を発表、「プロジェクトの65%が失敗する」背景にあるデータとKPIの課題とは
    AI/Agent時代における役割(ロール)とKPIの変化

    企業が来るべき「AIエージェント時代」を勝ち抜くためには、サイロ化されたデータの統合と品質管理、そしてビジネス価値に基づいた新たなKPIの定義が急務となる。

  • キヤノン、複合機の保守業務を生成AIで効率化する「スマートサポートチャット」を開発

    キヤノン、複合機の保守業務を生成AIで効率化する「スマートサポートチャット」を開発

    キヤノン株式会社は、生成AIを活用したオフィス向け複合機の保守・サポート業務支援システム「スマートサポートチャット」を開発したと発表した。

    「スマートサポートチャット」は、コールセンタの担当者やサービスエンジニアが、ユーザからの問い合わせ内容を入力することで、トラブルの原因や最適な処置方法をAIが提示するものだ。

    ユーザの「画像がおかしい」といった曖昧な話し言葉を、AIエージェントが文脈から理解し、専門用語に変換することなく適切な技術情報へ結びつける。

    AIの回答生成には、キヤノンが蓄積してきた約12万件以上のサービスマニュアルや事例集、実際の対応履歴といった膨大なデータベースが活用されている。

    社内の開発チームが、トラブルと一見関連がないように見える情報でも、適切な専門用語と紐づけて検索できるよう独自のロジックを構築しているため、熟練者でなくとも精度の高い一次切り分けが可能となる。

    また、「スマートサポートチャット」はキヤノンのサービス基盤である「DSF(Data-driven Service Foundation)」上に構築されており、稼働中の複合機へのリモートアクセス機能も備えている。

    サポート担当者は、遠隔地から複合機の操作画面を操作したり、部品や消耗品の状態をリアルタイムで確認したりすることができる。

    これにより、訪問修理が必要かどうかの判断を迅速に行えるほか、訪問前の事前診断の精度が向上する。

    キヤノン、複合機の保守業務を生成AIで効率化する「スマートサポートチャット」を開発
    スマートサポートチャット」の概要図

    なお、同システムは、欧州、アジア、オセアニアの一部地域ですでに提供を開始しており、日本および米国では2026年中の提供を予定している。

    キヤノンは、同システムの導入により、サービスエンジニアの現場への出動回数を年間約5%削減できると試算している。さらに、複合機本体の品質向上やデータの拡充を進めることで、2028年には出動回数を約20%まで削減することを目指すとのことだ。

  • IBM、公開情報とナレッジを元に提案の切り口を自動生成する「プッシュ型営業支援AIエージェント」を自社導入

    IBM、公開情報とナレッジを元に提案の切り口を自動生成する「プッシュ型営業支援AIエージェント」を自社導入

    IBMは、自社の営業活動において「プッシュ型営業支援AIエージェント」を導入し、営業プロセスの変革を実践していると発表した。

    これは、同社のAI活用プラットフォーム「IBM Consulting Advantage(ICA)」を基盤とした取り組みである。

    このAIエージェントは、顧客企業の公開情報(中期経営計画、IR資料、プレスリリース、業界ニュースなど)を自動で収集・分析し、営業担当者がそのまま提案に使える「具体的な示唆」を提示するものだ。

    また、公開情報の収集だけでなく、「生成AI変革のために重要な8つの観点」といったIBMが保有するナレッジと照らし合わせることで、「この企業はAI倫理への言及が不足している」「このテーマは競合他社より注力度が高い」といった分析を行う。

    さらに、AIエージェントは対象企業単体の分析にとどまらず、競合企業の中期経営計画や業界動向との比較分析も可能だ。

    業界全体あるいは特定の競合ではどのAI関連テーマが重視されているか、いつからその傾向が現れたのかなどを可視化する。

    なお、IBM社内では、既に入社3〜4年目の若手社員を中心に活用が進んでいるとのことだ。

    これにより、AIの専門知識が十分でなくとも、エージェントが提示する分析結果を基に仮説を構築でき、初回の商談から的確な提案を行えるようになったのだという。

    これまで経験の蓄積が必要だった「仮説構築力」をAIが補完することで、若手の戦力化スピードを加速させる狙いだ。

    実際に、AIエージェントが提示した観点から立てた仮説が、顧客の関心と合致し提案につながった事例も生まれているとのことだ。

    さらに、ベテラン営業担当者にとっても、担当する多数の顧客企業の動向を網羅的に把握することは困難であったが、AIによる他社比較やトレンド分析を活用することで、対話の質を維持しながらカバー範囲を広げることが可能となった。

    同取り組みの背景にあるのは、人がタスクを判断してツールを使うのではなく、AIエージェントが自律的にタスクを決定・実行し、人がそれを監督する「AIファースト」への転換である。

    IBMでは現在、このシステムを製造・流通業チーム中心に展開しているが、今後は金融など他業界チームへ拡大する予定だ。

    さらに機能面でも、現在の「案件発掘支援」に加え、提案書作成や契約交渉の支援など、営業プロセス全体をカバーする形への拡張を計画しているのだという。

  • AI導入適正診断アプリを作りました

    AI導入適正診断アプリを作りました

    世の中にAIの情報は溢れていますが、「自分のこの業務にどう使えるのか?」「投資に見合う効果があるのか?」という問いに答えてくれる場所は意外とありません。

    IoTNEWSでは、AIBoostという、AIありきのビジネスで事業を推進する取り組みを支援しておりますが、今回はその一端をご紹介いたします。

    今回開発した「AI導入適正診断アプリ」は、現場の切実な困りごとを入力するだけで、AIが本当に有効な解決策になるかを最短5分で判定するアプリケーションです。よくある「プロンプト(指示文)を学ぶ」ツールではありません。あなたの会社の課題に特化した「具体的な実装案」をAIがご提案いたします。

    【AI導入適正診断アプリを利用する】
    https://stg-iotnews-stage.kinsta.cloud/aiboost/ai-challenge-analyzer/

    実際の診断レポート例(PDF)はこちら

    このアプリが「他と違う」3つのポイント

    • メールアドレス登録は不要: レポート閲覧まで、個人情報を一切入力せずに完結します。
    • 最短5分の思考整理: 業界や業務のサンプルを選択するだけで、迷わずに入力を進められます。
    • プロ仕様の戦略レポート: 単なる要約ではなく、KPIの改善試算や実装ロードマップまで踏み込んだ専門的なレポートをその場で生成します。

    提供されるレポート:6つの戦略的セクション

    診断後に生成されるレポートは、そのまま社内検討の資料として使えるレベルを目指しました。以下の内容が含まれます。

    1. 課題の整理

    入力いただいた情報をAIが客観的に構造化し、困っている人物や発生頻度、影響を受けているKPIを特定します。

    2. 業務プロセスのギャップ分析

    「今の不効率なフロー」と、AIを導入した後の「理想的な次世代フロー」を対比して提示します。どのステップが削減・自動化されるかが一目でわかります。

    3. 具体的なAI実装モジュール案

    「AIで自動化」という抽象的な言葉に留まりません。必要なデータの種類、推奨される技術スタック(数値予測か、生成AIか等)、現場の担当者が使う画面案まで具体化します。

    4. KPI改善シミュレーション

    導入によって、作業時間やコストがどの程度削減できるかを論理的に予測し、投資対効果(ROI)の目安を提示します。

    5. リスク対応と実装の優先順位

    権限設定や精度の担保など、導入時に障壁となるリスクへの対策を提示。何から着手すべきかの優先度を明確にします。

    6. 改善案まとめと実行ロードマップ

    開発から運用定着までのステップをフェーズ分けして提示。プロジェクトをどう進めるべきかの道筋を示します。

    進化し続ける「生きたツール」

    このアプリは、IoTNEWS代表の小泉が「もっと現場でAIを使いこなし、業務を楽にしてほしい」という一心で、バイブ・コーディングによって作りました。

    まだ荒削りな部分もありますが、現場で戦う皆さんのリアルな感想をいただきながら、一緒にこのツールを育てていきたいと考えています。もし診断結果が的外れだったら、ぜひ教えてください。そのフィードバックが、次世代のAIエージェントをより賢くします。

    ※レポートの内容について詳しく相談したい場合は、結果表示ページの下部にあるボタンからお気軽にご連絡ください。

    ご利用上のヒント

    業界や業務の選択肢が見つからない場合

    「その他」を選択していただくと、自由入力フォームが表示されます。特殊な業種であっても、AIが内容を理解して最適な診断を行います。

    サンプルがない課題を診断したい場合

    空欄のまま進めても問題ありません。プレースホルダー(入力欄のヒント)に記載されている例を参考に、あなたの言葉で課題を記述してください。

    ビジネス以外の入力について

    本アプリはビジネス課題の解決に特化しています。趣味や日常の悩みなど、ビジネスに関係のない入力についてはAIが診断を拒否する設定になっていますのでご了承ください。

    多くの方のご利用によって、AI社会に向けた変革が少しでも進むことを祈念しております。